羽生結弦 #私が落ちたのはこの時です
私が落ちたのはこの時です
Twitterのこのタグを見ていると、羽生結弦選手に落ちるタイミングは本当に人それぞれだなと思う。ソチ落ち、ぴょん落ち、北京落ちなどの大きなタイミングの他にも、会見落ちとか、涙落ちとか、細かいきっかけはいろいろあって。
彼は魅力の塊みたいな人だから、どのタイミングで落ちても不思議はない。
中には彼をずっと見てきていて、気づいたら落ちていたという人もいるだろうし、一気にドボンと沼落ちする人もいる。私は後者だったので、まさに嗚呼「落ちた」という感覚が強烈だった。
そして、落ちた後もさらに深く落ちてゆく感覚が今までに何回もあって、だから色々なファンの人たちのそれぞれの「落ちストーリー」にいちいち共感しまくりなのだ。
全く知らなかったフィギュアの世界
フィギュアスケートは小学生くらいの時に、オリンピックかなにかを家族で見た記憶があるくらいで、その後はほとんど観ていなかった。
冬になると父が近所の屋外のリンクに連れていってくれて、それはただひたすら滑るだけで楽しかった。スポーツがまるでダメな私だけど、スケートは好きでいつまでも楽しくて家に帰りたくなかった。私とスケートといえばただそれくらいの関わりしかなかった。
高校の頃、フィギュアスケートを観るのが大好きな友達がいて、彼女が受験勉強をしなきゃいけないのにフィギュアばっかり見ていたら、怒ったお父さんにテレビの線を切られたという話を聞いたのは、やけに記憶に残っているけれど、そんなにハマるんだな〜なんて話半分に聞いて、私も観てみようとは思わなかった。(その後の人生で私が彼女にフィギュアスケートを熱く語る日が来るとはね…)
そんなわけで、私の場合、全く見ていない状態から、ストンと落ち方が急降下すぎて衝撃が大きかった。
ぴょん落ちの思い出
私はぴょん落ちなのだけれど、実は平昌のSEIMEIすらリアタイしていない。
平昌オリンピックの頃、私は少し前に部署異動があり多少責任が増えた仕事と、ワンオペ子育ての日々が慌ただしすぎて、TVをほとんど見ていなかった。元々オンピックにも全く興味がなかった。
本屋さんでは「羽生結弦」って人はなんでこんなに平積みになってるんだろう?なんでこんなに人気があるんだろ?かっこいいかな?…でも私濃い顔が好きなんだよなーなんて思いながら、手に取ってみることもせず通り過ぎていた。
今では、か、顔がいい!!って毎日思ってるし、本も雑誌もそろそろ置き場所に困って本棚を買い足したいくらいなのに、好みのタイプってこんなに変わるものだろうか。
羽生結弦。名前と顔は一致する。この程度だった私は世間に疎すぎて、ソチの金メダルのことも、平昌の前の怪我のことも、66年ぶりの連覇が掛かっていることも、何一つ知らなかった。(常識として知っておくべきニュースも知らないで社会人としてどうなんだろうと思うけど)
ある日、たまたま実家から家に帰ろうとした時にTVがついていて、<羽生結弦韓国・仁川空港に到着>というニュースが流れていて、最初の空港に入ってくるところだけチラッと目に入った。
サングラス姿の複数のセキュリティに厳重にガードされて、何だろうこの人は、なんでこんなに厳重なの??何かあったの?と気にはなったものの、急いでいたのでバタバタと外に出た。
その後の大事な空港のインタビューも見ずに・・・
こんなだからバラ1もSEIMEIもリアタイしていないのである。
氷上の姿を映像で初めて見た日
平昌五輪フィギュアスケート男子シングルFSの日、私は学生時代の恩師が月一で開催してくださっている勉強会に参加するため、妹と目白通りの長い一本道を歩いていた。
この日のことは忘れられないので、なんだか細かいことまでよく覚えている。
妹が「今日フィギュア男子フリーだよ、今頃やってるよ、見たかったなー!」と言った。
私は「へーそうなんだ」と気のない返事をしながら、そういえば羽生結弦って人はいったい何なんだろうとぼんやり考えていた。
教室に入ると先に来ていた2人の友達が興奮した様子でスマホに齧り付いてオリンピックを見ていた。
ちょうどSEIMEIを滑り終わって、後続の2人が滑っている頃である。
なぜ私はあと数分早く教室に着かなかったのだろう、神様は意地悪だ。
羽生くんどうだったー?とか言いながら、私と妹もそのスマホを覗き込んだ。
・・・
そして連覇が確定した瞬間のあの涙、胸に手を当てて「ありがとうございました」と伝える姿と、SEIMEIのリプレイを見たのである。
私の目は釘付けになっていた。
私の隣では友達が泣いていた。
その子は特にファンというわけではないけれど、感極まってハンカチで涙を拭っていた。
・・・
なんだか只ならぬ瞬間なんだ、何か私はたいへんなものを見逃した。
本当に申し訳ないが、その後の授業のことは全く覚えていない。
ねほぱほのブタさん
私は羽生結弦ってなんなんだろうという気持ちが抑えきれず、帰宅するや否や、あの「ねほりんぱほりん」の「羽生結弦で人生変わった人」の目が充血したブタさんみたいに、検索扉に「羽生結弦」と入れ、次から次へと出てくる動画をひたすら見た。そして今まで感じた小さな「?」の答えを次々に見つけていった。
ひたすら遡って見た。
そして間も無く、ニースのロミジュリの雄叫びを見て、当時の記事に辿り着き、衝撃を受け、何度もリピートして…。
私は今までなぜ彼を知らなかったのかと後悔し、おそらく多くの人がそうであるような典型的な沼落ちの後の生活を辿ることになった。
羽生結弦の人生には物語が多すぎる。
なんて人なんだ。
平昌のエキシはちゃんと録画して、画面の前でドキドキしながら正座待機して見た。
この時にはもうすでに深い沼の中にいて、そこから出られる気配はなかった。
ノッテステラータ、美しかった。大好き…。
そういえば、それから数ヶ月経ったある日、その勉強会に参加しているもう1人の友達(平昌FSの日はリアタイしたくて授業を欠席したらしい)が、羽生選手のファンであることが判明し、めちゃくちゃ嬉しかったんだ。こんな近くにお仲間がいたのかー!って。
そして彼女と私と妹で遠征をして回る日々が始まるのである。(結局妹もどっぷりハマった)
あの勉強会の出席者は両手で数えられるくらいの人数なのにファン率が高すぎやしないか?
世界中の人が落ちてゆく
Twitterのタグをたどって、みんながどうやって落ちたのかを知るのが楽しくて、海外ファンの落ちストーリーも知りたいと思った。
私のこのぴょん落ちの話のもう少し短いバージョンを中国語で微博に投稿してみた。そこで「#私が落ちたのはこの時です」について聞いてみたら、それだけでフォロワーさんが一気に6,000人以上増えて、ひゃ〜、と相変わらず羽生さんの人気に驚くばかり。(微博のフォロワー数、平昌後の数年で3,000人くらいだったのが北京以降で13,000人になったから北京落ちさんがかなり多い気がする。羽生沼には10万人、20万人規模の人がたくさんいるから、基本低浮上な私のは大したことないんだけどそれでもこの増えっぷりはびっくりする…)
私が万年勉強中の下手な中国語で日常をアップしたところで、微博のフォロワー数なんかせいぜい20人くらいが関の山だから、羽生結弦さんのファンというだけでこんなにたくさんの人と交流できるようになるなんて、そういう意味でも羽生さんは国境を越えさせてくれる。
羽生結弦という共通言語があるだけで、国は違えど話は尽きない。
たくさんの何落ちストーリーをコメントでもらったので、一部をシェアしてみたい。
微博からの落ちエピソード
なんかドラマのワンシーンみたいな出逢いだな。
窓際に座った彼女と窓にうっすら浮かび上がった文字、中学時代の空気までムワッと思い描いてしまうくらい、好きなエピソード。
この窓に「羽生結弦」って書いた子もきっとファンだったんだろうなぁ。
異国の窓に名前を書かれる結弦さん…🫶🏻
大爆発!衝撃的な始まりって感じ。
いやほんと、これだけ人を揺さぶる演技。
鳥肌、立つよね。
小説やマンガだったらこの設定は盛りすぎだよね〜と思ってしまうようなことばかり。レツクレかっこいいよねぇぇぇ!わかる!
涙といえば、幸運にも現地で観ることができたプロローグ横浜公演の初日。天井席から見た「いつか終わる夢」のプロジェクションマッピング。映像にピタリとハマった演技の美しさに息を呑んで感無量なところに、流れ始めたサザンカで涙腺が過去1で決壊し、もう「ふぇぇ…」って声が出てしまいそうで(映像と歌詞がリンクしすぎてるのに、畳み掛けるようにあの声であのメッセージ😭)そんな状態で見た「春よ、来い」はもう涙で前が…って感じでした。
TikTok落ちも多そう!
全員が沼!
辛い時、演技を見て救われること、ある。ある。
私は、レクイエムは羽生結弦展「共に、前へ」で衣装を拝見した時、目の前で足が動かなくなって、立ち尽くしたことがある。
以下、北京落ちさんが続きます。
これ以外にも、北京では、壁に向かって涙を堪えるあたりで落ちた人多数。
そして最後にこちらを紹介したい。
これは今年の夏頃、私ではなく他の方が
「突然北京落ちさんの落ちたきっかけや心情どんなものか興味が湧いた。いつ落ちても全く困惑はしないけれど、考えてみると、ぴょん落ちさんのそれとは非常に異なるのではないか」
とした問いかけに、ものすごい量のコメントがついていて、その中でいいねが1番多かったもの。
これには、「私の心の声を言ってくれた」とか「私も同じ」とか「春よこいで落ちた、あの瞬間、彼が私に手を差し伸べて深い溝から救い出してくれて、春が来たよって教えてくれた。あの時全ての世界が明るくなった😭😭😭」なんてコメントもありました。
Twitterの文字制限に収まらないから、ちょっとnoteにしようと思ったら、長すぎました。
でも数百件もらったコメントのほんの一部なので、また機会があったらシェアしたいと思います。最後まで読んでくださった方ありがとうございました💓
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