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堪え性よ、どこへ行ったのだ

今すぐに何とかしたい。

捨ておけない。
気になってしかたがないのだ。


爪のささくれの話である。

おれは、どちらかといえば、そんなに気が短い方ではないと思っている。
むしろ長い方だ。
多分…
しかし、こと爪のささくれでいえば、どうにも堪え性がない。
そう、この爪のささくれってやつが、どうにも捨ておけないのだ。

そんでもって、そのささくれに気がつくのは、決まって出先であるときてる。

「イテッ」

あれ、まさか…
いや、間違いない。

「がーん!」

家を出る前まで、こんなささくれあったか。
さっき爪を切った時にチェックしたじゃん。
そんなうらみ節の一つも出るというものだ。


爪のささくれは、触らなければ別段に痛いわけでもない。
だが、どうにもコイツが気になる。
そんなだから、何かにつけて触っては、「イテテ、イテテ」となるわけだ。

気になる衝動を抑えきれず、いっそ無理やり千切ろうとして、血が出てズキズキなんてこともしばしばだ。
今は捨ておき、後で爪切りを使って処理するのが一番、とは分かっている。
分かってはいるのだが、どうにもそれができない。

そして今、そのささくれを指の腹でもてあそぶ。
先程より、少しずつ育っているようだ。
血が出るのを覚悟で引き抜くか。

「イテテイテテ」

やれやれである。

ふと思ったのだが、ちゃんと爪をお手入れしている人は、こんなことは無いのか。

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