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開拓、そしてカムイへの想い

わが家の家系をちょいと遡ると、それは開拓の歴史へと繋がる。なにせこの北の大地は、そのほとんどが本州からやって来た開拓民だからだ。
今年は、北海道命名150年。言うなれば、この地が北海道と呼ばれるようになって、150年しか経っていない。
それ以前は、古よりアイヌの人達がこの地の神々と共に、長きにわたり暮らしていたのだ。
そう考えると、我々の先祖である開拓民は、この地にあっては新参者というわけだ。
それでも、この地を拓くにあたっての苦労たるや、想像を超えるものがあったはずだ。

この北の街では、都市を取り囲むように、いくつかの大きな公園がある。そこでは、人工的に整備された区画に面して、太古からの原始林がその雄大な姿を残している。そのあり様に触れた時、開拓民の営みを思わずにいられない。この自然厳しい土地にあって、どのように様々な困難を乗り越えて来たのか…
その暮らしの中にあっても、この紅葉を眺めたのだろう。

この大地と共に生きたアイヌの人達は、この燃える紅葉の森に、どんな神々を見たのだろう。

子孫であるおれたちは、先祖の想い、アイヌの民の願い、そのどちらも大切に伝えて行かねばならない。
こうしてこの土地に暮らせているのは、数えきれない悲しみの上にあるのだから。

この雄大な野趣あふれる紅葉を観ていてと、大切な何かをいつも教えられるように思う。

#エッセイ #コラム #紅葉

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