オープンセッション企画「CURULY LAB」ボードメンバーにインタビュー
皆さんこんにちは。フューチャーセッションズの富田です。
最近、オフィスの最寄駅の原宿周辺には人があふれています!夏休みがやってきたことを実感しますね。
フューチャーセッションズでは、メンバー個人の興味関心から、自主的にテーマを決めてオープンセッションを行っています。その中でも、2023年からスタートしたサーキュラーエコノミーをテーマとするCURULY LAB(クルリ ラボ)は定期的に開催され、また、進化し続けています。
今回は、CURULY LABのボードメンバーである、西山さん、有福さん、横須賀さんにインタビューを行い、CURULY LABについて語っていただきました。フューチャーセッションズの活動を知ることのできる記事となっていますので、ぜひご覧ください。
CURULY LABの出発点
ーーそもそもCURULY LABはどんな経緯でスタートしましたか?
有福)始まりはFSSの参加する金沢大学COI-NEXT課題5のプロジェクトです。金沢大学COI-NEXTは、多糖類植物の残渣を使ったバイオプラを浸透させることがミッションで、FSSが参画するプロジェクトのテーマは「価値観のイノベーション」。消費者の行動変容を扱う研究にはFSSも貢献できそうだと考え、参画しました。
また、金沢大学COI-NEXT課題5のプロジェクトは、価値観変容のワークショッププログラムを開発・実践しています。FSSが、いわゆるその出先機関として実践的に何かやれると良いなと思っていました。色々な人と協力したいと思っていたところ、「サーキュラーエコノミー」にも「生活者視点」にも明るい横須賀さんが前職を退職されてフリーランスとして活動していました。横須賀さんと活動を共にすると生活者の価値観変容につなげることができそうだと思い、まずは横須賀さんにお声かけしました。ですが、西山さんがCURULY LABの顔となっている本当のきっかけは思い出せません(笑)
横須賀)CURULY LABの前身は、サーキュラーエコノミーの勉強会でした。そしてパイロット版セッション(2022.11)を開催し、CURULY LABという名前で連続セッションとしてシリーズ化しました。パイロット版セッションでは、私がファシリテーターを担当しました。ですが、将来を担い、未来を感じさせる若い人が前に立つのが良いのではと思ったので、西山さんにファシリテーターをお願いしたと記憶しています。その頃、西山さんは入社したてでした(西山さんは2022年11月に入社)。
西山)入社した頃はサーキュラーエコノミーを知らず、はじめは、横須賀さんからひたすらサーキュラーエコノミーについて教えてもらっていました。
生活者視点でサーキュラーエコノミーを考える
ーー発足当時、目指していたものはありましたか?
横須賀)サーキュラーエコノミーは、エレン・マッカーサー財団がグローバルに活動しているし、行政・企業もさまざまな活動をされてます。そんな中で、欠けているな、と感じていたのが生活者視点。生活者の意識が変わって、行動が変われば、無理なくサーキュラーエコノミーの実現に繋げることができるのではないかと思っています。CURULY LABが「捨てるから考えるサーキュラー・デザイン」セッションから始めたのも、「捨てる」のは生活者だから。なぜ捨てることになったのかを考えることで、少しずつ行動が変えられるのではないかと考えていました。
西山)セッションでは、メーカーや流通の視点でもなく、誰が悪いのかというのでもなく、生活者視点で「捨てる」原因や課題の解決策を深掘りしました。
横須賀)世の中では、どうしても、「何々しなさい」、「何々してはいけない」と言われがちですが、楽しんでいたら、結果的にサーキュラーエコノミーに繋がる生活を送ることはできそうだし、そうしないと広がらないと思います。
西山)この想いは当初から3人の中で共通しており、仮説を持ってサーキュラー・デザインを探求したり、いろいろな人と対話したいという思いでセッションを企画してきました。
横須賀)もともとは私たち生活者の欲望・欲求からものは作られ、結果的にそれが廃棄をうむ。それに対し、CURULY LABで創りたいサーキュラーデザインは、無理なくサーキュラーエコノミーを実現できる行動・マインドに変えることができるデザイン。
たとえば、食品ロスを「捨てる」から考えたセッションでは、お店の「欠品」に顧客側が不満を持つことが食品ロスにつながっているのではないかという仮説から、欠品をむしろ楽しめるようになるためのアイデアが出てきました。(写真)
想い・コトが循環すると、モノが循環するという認識の転換
ーー印象深かったことは何でしょう?
西山)認識が転換したポイントがいくつかありましたが、一つはフューチャー・メーカーズ。フューチャーメーカーズは、最後はモノを作ることを前提に「創造的な対話の場で循環すると良いモノ」をテーマにサーキュラー・デザインを考えました。セッションの中で、モノの循環も大事だが、想い・コトの循環も大事だよね、といった話が出てきたのが印象的でした。生活者視点で、想い、欲望を起点に考えるからこそ、モノと想い・コトのどちらも大事という話が出てきたのだと思います。
そして、次のシリーズであるフューチャー・メーカーズNextでは、フューチャーメーカーズのアイデアをもとに実際に付箋をつくることを目指しました。フューチャーメーカーズで出たアイデアから、モノとしての付箋の循環と、気づきの循環が両立できないかを参加者の皆さんと考えました。最終的に、モノがあるから気づきが循環するのではなく、想いやコトを循環させると、結果、モノが循環しているという発見ができました。これは認識や見方が変わったタイミングでした。セッションのシリーズを重ね、話が広がってこのままだと方向がまとまらないのでは?と少し不安に思っていたのですが、セッションを重ねたからこそこの転換が起きたのだと思うと、やって良かったなと思います。
横須賀)セッションがなかなか収束しないという話もありましたが、無理にまとめなかったことが却って良かった。
有福)どう付箋を「リサイクル」するか?という具体案が出てくるとよいなと思っていましたが、思いがけないアイデアとして出たのが「付箋のリユース」という仕組みでした。書かれた付箋に価値をつけて、また循環して行けばいいのだという発見が面白かったです。
横須賀)サーキュラー・エコノミーとしても一番良いとされるのはリユースの仕組み。
西山)サーキュラー的観点においてもいいところに着地していましたね。
横須賀)このプロセスや転換は、付箋以外でも言えて、培った考え方やプラットフォームは、ダイバーシティ&インクルージョンなど色々なことに使えると思います。
セッションの参加者、セッションの裏側
ーーセッションを重ねてきたシリーズですが、これまでどんな方が参加されていましたか?
有福)これまでご参加頂いた方は、44名です。リピートしている方もいるので、のべ人数で言うともっと多いと思います。
西山)企業の方、学生など、偏りなくさまざまな人が参加してくれました。ものを作るメーカーの方などにも参加してもらいたいと最初は話していましたが、そこへのアプローチはまだですね。ぜひこれから参加してもらいたいです!
横須賀)ものづくりに従事されている方に無理なくデザインを変えて循環が実現することにも気づいてもらえるとよいですね。
ーー実際にセッションを重ねる中での苦労はありましたか?
有福)毎回主には西山さんが企画し、自分は参加者として楽しんでいるだけでした。西山さんは苦労しかなかったのではないでしょうか。
西山)セッションの内容が難しくなりがちでした。コトの循環、想いの循環、モノの循環を一緒に考えたいとセッションでお伝えしたら、「難しすぎる」というフィードバックをもらいました笑。それでも楽しめたのは参加者に恵まれていたからです。また、セッション設計は試行錯誤でしたが、横須賀さんがセッションの結果を毎回レポートにまとめてくださっていて、セッション冒頭の振り返りにも使えたので良かったです!
横須賀)レポートにまとめるのも、良い対話を振り返られて楽しいです。対話をまとめ、構造化する中で、本当に循環させたいのは価値や想いで、結果としてモノの循環が起きると良いことが発見できました。
CURULY LABのこれから
ーーCURULY LABとして、これからチャレンジしたいことは?
西山)先日、これまでのセッションを受けてロジックモデルを描き、3人で「こうありたい」を改めて共有しました。私たちは、CURULY LABとして小さい社会実験を繰り返し、アウトプットを発信することで社会貢献できるのではないかと考えています。CURULY LABを通じてつながりを生み、つながった人とコラボして実際にものを作る、使う、といった小さな実験を繰り返して行けたらと思っています。
また、今、渋谷区初台の商店街でもサーキュラーまちづくりを実験しています。気づき・想いが先にあり、ものが循環するという「見方の変わり方・変え方」は色々と応用できるので、付箋のリユースの仕組みや社会実験などを商店街と一緒に発信していきたいと思っています。
そして、セッションも鋭意企画中です!商店街でのセッションも実は決まっていますが、付箋についても引き続き「フューチャーメーカーズNext Next?」で検討を続けたいです。
横須賀)色々な発展可能性がいっぱいあるので、何に集中すれば良いかが難しいですね。
西山)これまでのCURULY LAB参加者にもご相談しながら、次は何をしていくかを一緒に考えています。これまで関わってくださった皆さんと一緒につくっていきたいです。
これまでの活動を総括して、「CURULY LABとは?」やロジックモデルを改めてCURULY LABこれまで参加者のみなさんとこれからの参加者のみなさんに共有し、一緒にどんなことできそうか考えてみたいと思っています。(←9月9日(月)に開催が決定しました!記事最後に告知があります)
横須賀)器なし料理も極めないと。毎回のセッション後の懇親会の料理を考えるのも楽しかった。(セッション後の懇親会では、横須賀さんの手料理が振る舞われていました。それがめちゃくちゃ美味しかったですby富田)
西山)横須賀さんの料理のおかげでなんとかセッション満足度向上に繋がっていると思います笑
おわりに
ーーでは、最後に一言お願いします
有福)話をしながら、なぜ西山さんがCURULY LABの中枢にいるのかを振り返っていました。西山さんはCURULY LABスタート時にはサーキュラーエコノミーの重要性や、このラボで成し遂げたいことをオープニングトークでは、原稿を読み上げているぐらいでしたが、いつの間にかセッションの本質を捉え、自分の言葉で語れるようになっていました。CURULY LABが自分のものになっているのが良かったし、これからも更なる成長に期待しています!
西山)嬉しい!ここはnoteに太字で書いておいてください笑
横須賀)自分の想いの根っこにあるのはちゃんと暮らせる世の中と自分の知見を次の世代に渡していくこと。いい意味で震源になれる活動を続けていければと思っています。
西山)CURULY LABボードメンバーとして1年ちょっとやってきて、関わってくれる人も増えてきたし、招き入れたい方々もまだまだたくさんいるので、いろいろな人たちと共創していきたいです。対話・共創してきたからこそ、認識の転換が起きた成功体験があるので、これからも一緒に共創し、発信していきたいと思います。
CURULY LABの活動については、引き続きnoteで発信を続ける予定です。
そして、記事でも紹介しましたが、9月にCURULY LAB総会が開催されます!
気になった方はぜひご参加ください!
CURULY LAB総会:未来に向けた気づきの循環
これまでの参加者のみなさま、これからのステークホルダーのみなさまと共に、これまでの活動を振り返り、サーキュラー・デザイン共創プラットフォームとしてのCURULY LABの可能性を探求します。
未来に向けて「気づきの循環」を一緒に起こしましょう!
日時:2024年9月9日(月) 18:30-21:00(20:40頃より1時間程度の懇親会を予定)
場所:原宿 if space(フューチャーセッションズオフィス)
参加費:無料
申込・詳細:https://www.ourfutures.net/sessions/4473
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