〈鈴々ちゃんと人形の旅⑨〉

 数日後、私はみんなを連れて日田に戻った。


 私は佐賀に引っ越すことになって、引っ越しの準備をしに来た。


 アンジュちゃんは初めての日田の旅行ではしゃいでた。

「ここが日田かぁ。程々の田舎で住みやすそうね。」





 求来里川にも行ってみた。

「すごくいい川ね。」

 まほろちゃんは川の水をすくった。水は冷たくて澄んでいた。


 私の家に行ってみた。

「鈴々ちゃんが佐賀に引っ越してくれたら楽しいけど、こんないい町に家があるのを捨てるのはもったいないわね。」

 まほろちゃんは物惜しげに言った。

 私が住んでた日田の家は今は私以外誰も住んでないけど、話し合いの結果、家を売らずに私たちの別荘として使うことになった。

「私、これからもこの家を大切にするよ。そしていつでもみんなで日田に帰ってこれるようにする。」

 そういう私に隆弘くんは、

「僕たちもいつでも日田に遊びに来れるようになって嬉しいよ。

 鈴々ちゃん、ありがとうね。」

「私、日田に生まれてよかった。」

 鈴々ちゃんは笑顔でそう言った。


おわり

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