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FRB 外国中銀への通貨スワップ 残高推移 日銀のドルスワップは大幅減

 米FRBは現状行っている外国中央銀行への米ドルを融通する通貨スワップも来年3月末まで延長するとしています。
 7月には日銀がFRBから融通してもらっていたドルですが、このところ大きく残高を減らしています。
 FRBのニューヨーク連銀は、各国中銀との通貨スワップ残高を毎日報告しています。
https://apps.newyorkfed.org/markets/autorates/fxswap

 10月8日時点で、まだ通貨スワップを使ってドルを融通してもらっているのは、日銀、欧州中央銀行(ECB)、シンガポール、メキシコ中銀、スイス中銀ぐらいです。
 英中銀(BOE)や韓国中銀、豪中銀銀への通貨スワップの残高はゼロになりました。グラフを見てみると分かりやすいですが、日銀のシェアは40%ぐらいですが、残高は順調に減少して今は約3500億円程度でしょうか。因みに5月は25兆円相当の残高でした。邦銀のドル調達はもう心配ないのではないでしょうか。
 逆の見方をすれば、日銀がFRBから借りてたドルを解消するなかで、邦銀が自前でドル調達を増やしていったという見方もできます。このところのドル円相場が妙に下値が固かった(円高に行かなかった)のは、邦銀が市場でドルを買い支えてた構造(実際には、通貨スワップの受け手のヘッジドル買いが起こっていた)になっていたのかもしれません。
 年末越えの通貨スワップのジャパン・プレミアムはまだ先の話ですが、大統領選挙で市場が荒れた時には注意が必要です。
 FRBとしても、邦銀のドル不足が顕在化して米ドル資産(クレジット商品:社債、ローン、CLOなど)を売却されては困るので、ドルを融通し続けるでしょう。こういう状況ではこの先リスクオフになったときの円高のリスクは残っていると思います。
 FRBの通貨スワップは、新興国にたくさん出しているわけではありません。メキシコ、シンガポールにはまだ少額出していますが、韓国、ブラジルには出していません。

国別通貨スワップ残高推移10_2020

国別通貨スワップシェア10_2020

国別通貨スワップ表10_2020

※当資料は、投資環境に関する参考情報の提供を目的としてFuture Researchが作成した資料です。投資勧誘を目的としたものではありません。当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。ここに示された意見などは、当資料作成日現在の当方の見解であり、事前の連絡なしに変更されることがあります。投資に関する決定は、お客様ご自身で判断なさるようお願いいたします。

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