米国株今週の注目　10/16~：テスラ、ネットフリックス、AT&Tが今週の大型決算のヘッドラインを飾る

来週、経済指標や決算発表が相次ぐ中、ヘッドラインの霧の中を見極めて再調整を図るだろう。9月の米小売売上高は、コア・レートが8月から小幅に上昇すると予想されており、鉱工業生産と住宅着工件数も前月比で増加すると予想されている。次回のFOMCに向けたFRB講演のブラックアウト期間が急速に近づいているため、これらの報告の後には、10月19日にパウエル米連邦準備制度理事会（FRB）議長の重要な講演が予定されている。テスラ（TSLA）を筆頭に、第3四半期決算シーズンも来週から本格化する。その他、プロクター・アンド・ギャンブル（PG）、ジョンソン・エンド・ジョンソン（JNJ）、AT&T（T）、ネットフリックス（NFLX）、バンク・オブ・アメリカ（BAC）、台湾セミコンダクター（TSM）など、各セクターを震撼させる可能性のある決算報道がある。

決算スポットライト
10月16日（月）：チャールズ・シュワブ（SCHW）とエクイティ・ライフスタイル・プロップス（ELS）。
10月17日（火）： ジョンソン・エンド・ジョンソン（JNJ）、バンク・オブ・アメリカ（BAC）、ロッキード・マーチン（LMT）、ゴールドマン・サックス（GS）。
10月18日（水）：テスラ（TSLA）、プロクター・アンド・ギャンブル（PG）、アボット・ラボラトリーズ（ABT）、ネットフリックス（NFLX）、モルガン・スタンリー（MS）。
10月19日（木）：フィリップ・モリス・インターナショナル（PM）、ユニオン・パシフィック（UNP）、AT&T（T）、CSX（CSX）、台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング（TSM）、アメリカン航空グループ（AAL）。
10月20日（金）：アメリカン・エキスプレス（AXP）、シュルンベルジェ（SLB）。

IPO関連：
ビルケンシュトック（BIRK）は2週目の取引を開始するが、株価はIPO価格水準を下回っている。多くの銘柄でIPO後の閑散期が終わり、アナリストの評価によって株価が動く可能性が出てくる。Instacart（CART）、Klaviyo（KVYO）、MDB Capital（MDBH）、SR Bancorp（SRBK）、Davis Commodities（DTCK）のレーティングに注目。
U Power Limited (UCAR)のIPOロックアップ期間が終了する。中国のEVバッテリー交換技術株は、1株あたり6ドルのIPO価格水準を大きく下回って取引されている。

テスラ決算プレビュー：
テスラ（TSLA）が10月18日に決算を発表し、電気自動車セクターは厳戒態勢に入る。アナリストは、同社が243億ドルの売上高と0.75ドルのEPSを開示すると予想している。自動車部門の売上総利益率は、第2四半期の18.1%、第1四半期の19.0%から17.5%に低下すると予想されている。テスラ（TSLA）はすでに、第3四半期に430,488台を生産、435,059台を納車したと報告している。電気自動車メーカーの発表によると、生産台数が前四半期比で減少したのは、工場アップグレードのための計画的なダウンタイムによるものだという。重要なのは、テスラ（TSLA）の2023年の販売台数目標である約180万台は今のところ変更されていないことだが、モデル3/モデルYの需要検討や最近の値下げが新たな更新の要因となるかどうかは不明だ。報告に先立ち、モルガン・スタンレーは、今四半期の予想がかなり低いようだと指摘し、投資家はいくつかのマイナス修正を覚悟している。アナリストのアダム・ジョナスは、2024年の台数とサイバートラックの実行に関するコメントが鍵になると考えている。興味深いワイルドカードは、全米自動車労組のストライキとテスラに予想される利益に関して、イーロン・マスクが決算電話会議で何を話すかだろう。テスラのオプション取引では、レポート発表後に株価が上下に7%変動することを示唆している。テスラは前回の決算報告後に10％弱の下落を記録した。フィスカー（FSR）とリビアン・オートモーティブ（RIVN）は、テスラと最も相関性の高い2つのEV銘柄だ。

ヘルスケアセクターはESMO会議に注目：
マドリードで、ヘルスケア・セクターにとって今年最も大きな会議のひとつが始まる。ESMO会議は毎年開催される腫瘍学会で、過去には参加企業の株価を急落させたこともある。最初の抄録は10月16日に発表される。バンク・オブ・アメリカは、ジョンソン・エンド・ジョンソン（JNJ）のアミバンタマブが前臨床肺がんの後継者としてタグリッソを打ち負かそうとしているマリポサ試験の結果が最も注目されると予測している。RBCキャピタルは、アンブリックス・バイオファーマ（AMAM）がESMOでポジティブなデータを報告すると予想している。ニーダムは、レボリューション・メディシンズ（RVMD）がESMOのアブストラクトから株価が動く可能性があると指摘している。Ambrx Biopharma (AMAM)、エーザイ (4523)、Relay Therapeutics (RLAY)、Olema Pharmaceuticals (OLMA)、ORIC Pharmaceuticals (ORIC)の発表もカタリストになる可能性があるとアナリストが注目している。その他、アストラゼネカ（AZN）、ミラティ・セラピューティクス（MRTX）、セーゲン（SGEN）、メルク（MRK）、ブリストル・マイヤーズ スクイブ（BMY）などが抄録を発表する予定。

NCRは2つに分裂する：
NCRコーポレーション(NCR)は10月17日、分社化により2つの会社に分割する。ATM事業はNCRアトレオス、デジタル・コマース事業はNCRヴォイイクスとなる。ATM部門は、銀行や小売業者などの大規模な顧客基盤にATM-as-a-Serviceを提供することに特化した現金創出型ビジネスとなる。セルフサービス・バンキングとATMネットワークにおけるNCRのリーダーシップを基盤に、ATMへのアクセスに対する世界的な需要に応え、デジタル通貨ソリューションを含む新しいATMトランザクション・タイプを活用し、市場の成長を促進する。また、NCRアトレオスは、安定したキャッシュフローと株主への資本還元を推進するため、経常性の高い収益モデルへの移行を継続する。一方、NCR ヴォイイクスと呼ばれるデジタル・コマース企業は、NCRのソフトウェア主導モデルを活用し、グローバルなリテール、ホスピタリティ、デジタル・バンキングの変革、接続、運営を継続する成長事業となる。共通のソリューションを最大限に活用してイノベーションを推進し、業務効率を高める。同社はまた、成長と経常収益を加速させるために事業に再投資する。NCRボイイクスは、NCRのソフトウェアを活用し、グローバルなリテール、ホスピタリティ、デジタルバンキングのテクノロジープラットフォームを変革・接続し、デジタルコマース体験を創造する。NCRのマイケル・ヘイフォード最高経営責任者（CEO）は、「この社名は、NCRが顧客と共に成功への航海をする中で、顧客に提供し続けるビジョン、イノベーション、パートナーシップにちなんだものだ」と述べた。

注目イベント：
バイドゥ（BIDU）は今週、北京でBaidu World 2023イベントを開催する。同社はこのイベントで複数のAIネイティブ・アプリケーションをリリースし、基盤モデルの最新の進歩を紹介するという。アナリストは、ChatGPTのようなツール「Ernie Bot」のアップデートが株価への関心を呼び起こす可能性があると考えている。
投資家向けイベントとしては、チャールズ・シュワブ（SCHW）の秋のビジネス・アップデート、エクイリアム（EQ）のアナリスト＆投資家デー、ジェフリーズ・ファイナンシャル・グループ（JEF）の投資家デーなどが予定されている。
その他の注目すべき投資家向けイベントには、ブラックベリー（BB）のニューヨークでのサミットと投資家向け説明会、ダリオヘルス（DRIO）の投資家デー、ヘレン・オブ・トロイ（HELE）のインベスターデイ、ヒューレット・パッカード・エンタープライズ（HPE）の証券アナリスト・ミーティング、ビスタ・アウトドア（VSTO）のインベスターデイ、サイトキネティクス（CYTK）のバーチャル投資家＆アナリスト・デーなどがある。

カンファレンスのスケジュール：
今週はカンファレンス・スケジュールが目白押しだ。ヘルスケア・セクターは、ワールド・ワクチン・コングレス・ヨーロッパに注目だ。ノババックス（NVAX）、ヴァクサート（VXRT）、トニックス・ファーマシューティカルズ（TNXP）のプレゼンテーションが注目される。Lytham Partners Fall Investor ConferenceとThinkEquity Conferenceは、小型株の株価上昇につながる可能性がある。

株式相場の不確実性が上がり始めていることから、バークシャー・ハサウェイ (BRK.B)がどのような動きをするのか注目を浴びるかもしれない。

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