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他律機能と自律機能

他律機能こそ「誰にどのような笑顔を獲得して頂きたいのか」というビジョンの作り込みにおける骨格である。自社の機能によって、多くの人々に笑顔になって頂くことを目指す。そしてその笑顔の連鎖を創り出す共創の連携体において、自社の他律機能を定量的に共有して頂ける表現を成すことこそ、ビジョンストーリーのプレーヤーとして認定されるための他社差別化要素となる。自社がストーリに加わることで、そのストーリーがより華やかになるかどうかの、他社からの判断基準となる。

 自律機能を社会の価値を高めるという方向から考えていくのが他律機能という考え方も出来る。ビジョンからそれを実現する個々の能力まで遡る時、どのような他律機能が自社の存在価値なのかを定量的に読み取ることになる。製品製造の現場において、プロセスフローの下流から上流を考えると、下流の者が次の階層に製造物を流すことができるのは、上流工程の製造物が要求を充たす状況であったためである。どのようにしてその要求に応えているかを自らに問いかけてみると、上流工程者の自律機能を最大化させて、自らは次工程の者の自律機能を最大化させることを考えているに違いない。

この思考の連鎖こそ、真の他律機能であって、他律機能が最大化されている状態が、自社が生み出す商材機能の限界を創り出していると認識して良い。顧客満足の源泉は、自社の他律機能にある。自律機能を定量化して個々がそれを示すことができ、お互いがそれを他律機能表現に変え共有し合うことこそ、自社の機能を最大化させることであると認識できる。自律機能と他律機能を定量的に表現出来ることがMOTの本質である。