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自らの資本を活かす 質問力

「聴き力」と対になる機能である。「この人は、一体、何を聴きたいのだろう?」と、他者の問いかけに思案したことがあるだろう。あるいは返答はしたものの「そうではなくて、これを答えて欲しい」と再度聴き返された経験がおありでは無かろうか。自らの立場に戻って考えて頂きたい。何故、貴方は誰かに質問を投げかけようと思ったのか?それはその相手が、自らに対して論理的な回答を見いだせない内容に関して、明確に返答をして頂けると考えたからではないだろうか?即ち、質問の回答によって、自らが到達したい未来を明瞭にしたいが為に、質問という行動を選択している筈である。
 
他者への質問行為は、他者が、他者自身にとって活用することが出来た時間を奪う行為もある。お互い様のことではあるのだが、質問することが他者の機能を強化・拡大することが出来れば、時間を奪ったことには当たらない。その為には自らが到達したいゴールに対して、何が欠けているのかを明確にする必要がある。通常、質問はフォアキャスティングで行われている。今、何かが不明であるから調査する。それでも不明であるか、若しくは、調査した結果が妥当であるのかを識者に尋ねる。不明である内容が「今」を起点としていることから、識者も今を起点として応答することになる。そうではなく、質問は、本来、ゴールに到達している自らを描き、その未来の自らにとって必要となる知識、創出するべき知識を明確に描き切り、定量的に未来の自らが獲得しておくべき知識を描く。それにより「活きた問い掛け」が可能となる。問われた者にとっても、知識の活用対象が未知の内容であり、思考によって自らを高めることが出来る。このように、質問力はバックキャスティング思考を身に着けることで向上する。