幻灯片1

【若手社会人向け】上司を攻略し、ゲームのように仕事を楽しむコツ

さて、年が明け、正月気分冷めやらぬ気持ちで、出勤する日がやってきた。

この頃になると、4月の入社時にはお日様みたいに自信に満ち溢れハツラツとしていた若手社員達が、気が付けば目の輝きは霞み、梅雨を引きずったような顔つきになる。

そんな後輩達に元気がない理由を尋ねてみると、

「仕事になかなか慣れなくて…」

「思った業務内容と違っていて…」

「先輩と意思疎通がうまくいかなくて…」

と様々な回答が返ってくる。これらは一見それぞれ違うことを言っているように聞こえるが、掘り下げていくと、実はどれも同じ主張をしているということに気付く。

・「仕事になかなか慣れなくて…」  →上司の説明が分かりくい or 教えてくれない → 上司がウザイ
・「思った業務内容と違っていて…」 →なんでこんなつまらない仕事ばっかりなんだよ → 俺の才能をわかってない →上司がUZAI
・「先輩と意思疎通がうまくいかなくて…」 →なんで自分の価値観押し付けて、こっちの言い分聞いてくれないんだよ → 上司がUZEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE

全ての道はローマに通ずるように、若手社会人の不満、愚痴は、全て上司に通ずるのだ。

仕事上の悩みは8割がたは人間関係から生ずるといっても過言ではなく、年次が若ければ若いほど、それはイコール上司との人間関係になる。言い換えると、上司というラスボスさえ倒すことが出来れば、仕事というゲームではもう勝ったも当然なのだ。

よって、本日は、毎日悪戦苦闘している愛する後輩のために、上司の取扱説明書を伝授する。


1.幻想を取り除く

世にあるほとんどストレスは、期待値と現実値との乖離によって生ずる。よって、上司に対してストレスを抱えるということは、自分が思い描く上司との関係性、ないしは上司当人が、「あれ?!自分が思い描いていたものと違うぞ!?」という発見から始まる。

多くの若い人達は上司に対して、多大なる幻想を抱いているのだ。

例えば、「嫁姑」という言葉から、君は何を思い浮かべるだろうか。

いがみ合う女同士。醜い争い。間に挟まれる舅、旦那。

考えるだけで背筋がゾッとするだろう。

この世の七不思議のひとつとして、結婚というイベントを経ると、本質的には何も変化はないはずにも関わらず、あんなに可愛くておっとりした自慢の彼女が【嫁】へ、良妻賢母で優しかった母は【姑】という型へそれぞれ押し込められた途端に、2人は電光石火のごとくクソBBAへの階段を爆速で突き進み始めるのだ。そして、夫舅が気付かない間に、両者の間には心理的な北度38度線が引かれ、冷戦が始まっている。

もちろん、中には結婚してもいつまでも可憐で3歩引いて歩くような女性や、良好な嫁姑関係を築いている人たちもいる。ただ、それは天然記念物級の例外であり、決して、当たり前ではないのだ。信じられないなら、自分の父親、親戚、既婚の先輩に聞いてみよう。真実は常に、歴史と統計が示してくれる。

同様に、【嫁】【姑】という型とともに、【上司】という型もある。

社会に出た当初は、ついつい彼らが今までの人生で出逢った先生や部活の先輩の延長線上にあると考えがちだが、そこが大きな間違いなのだ。

【上司】という型は、教えてくれて当たり前で、自分の成長を願ってくれた先生たちとも違うし、純粋に同じ目標を共有して叱咤激励してくれた部活の先輩とも違う、全くの新しい生物であることを、新社会人の皆さんは認識しなければいけない。


【上司】という型のテンプレート。

それは、ずばり、この人である。




みんな大好き、お馴染みの大和田常務である。

彼は、【上司(JOUSHI)】という生物図鑑が存在するならば、標本として全世界に使われてもいいくらい、その生態をうまく表している。では、彼らの特徴を見てみてみよう。

・1言えば10伝わるもの。理解できなかったら、部下が悪い。

・部下は俺に合わせて当前。気を遣ってくれて当然。

・部下の手柄は俺のもの。

・俺の手柄は俺のもの。

・部下のミスは部下のもの。

・俺のミスは部下のもの。

・部下には成長してほしい。俺の評価を上げるために。

・部下には結果を出してほしい。俺の評価を上げるために。

・仕事が出来るやつは、俺が気に入ったやつ。

・やれるもんならやってみな

どれも心当たりがある項目であろう。

それもそのはずで、上司は元来上記のような生物であり、その特性を帯びて当然であるからだ。

「いやいや、でも隣の部の同期の上司はすごく理解があって、人格者だよ。」


君はこのように反論し、自分の日々の理不尽と不運を主張したいのだろう。

ならば、君に問いたい。

君が、友人の田中と一緒に宝くじを買いに行ったとしよう。

田中は一発目で1万円当たったのに、君は10枚買ってもハズレだった。そこで、君は少しはモヤッとするだろうけれども、憤慨するのだろうか?いや、理性的な君は、「少し運が悪かったかもしれないけれども、そもそも当たる方が稀で、ハズレるのが普通だよな」と、そう思わないだろうか。

上司も同じなのだ。

君が憧れる、理想的な上司、松岡修造のような人格者は確かに生息する。しかし、彼らはスタンダードではなく、大当たりなのだ。そして、上司というクジは、大半の大和田常務と、ほんのちょっとの修三でできている。ハズレて当たり前なのだ。何も嘆くことはない。

まだ若い君の人生で、これから運を必要とする事象はいくらでも存在する。

・外出先で交通事故に合うかもしれない

・前髪が後退するかもしれない

・会社が倒産するかもしれない

・家族が大きな病気にかかるかもしれない

・未来の嫁が地雷かもしれない

・未来の嫁の母親が地雷かもしれない

これらの事象はすべて君のコントロール外にある事象であり、回避するためには運に頼るしかない。世界は平等であるべきだという君の哲学に立てば、君は今、上司運を犠牲にした代わりに、これらの今後起こりうるトラブルに対する運を貯金したと考えてみたら、どうだろうか。

より大きいスコープで物事をとらえることが出来れば、決して、ちっぽけな上司運で動揺することはないはずだ。

「いやいや、でも就活の時に説明会で会った社員の人や人事は皆凄くいい人だったよ…!だからウチの会社は本来はいい人が多いはずなのに、なぜ自分に限って…」

納得いかない君は、またまたこのように反論するだろう。


2.【上司】と【人事】の違い

君は、ポケモンをやったことがあるだろうか。

そのゲームを始めたきっかけ、最初に知ったポケモンは何だったのか、是非思い出してほしい。

恐らく、これらだろう。

この愛らしいピカチューの虜になり、

君は自分がサトシ少年のようなポケモンマスターになれるのではないかと夢を見て、ゲームを始めたことだろう。

しかし、思い返してほしい。

ポケモンには、愛らしいピカチューやカイリュー、ヒトカゲ以外にも、様々な種類があるということを。

会社に置き換えると、人事及びリクルーターは、ポケモン界のピカチューである。よって、彼らは、キラキラ☆した外見、スペック、トーク力を携えて、新たなポケモンマスター(新入社員)を獲得するべく磨きをかけている特殊人員なのだ。

では、上司はどのポケモンなんだろうか?






ベトベトンだ。

得意技はどくづきであり、これも君の上司と完全一致していることで異論はなかろう。

ただ、ポケモンの世界ではピカチューが頻出ポケモンで、ベトベトンがレアポケモンであるのに対し、人間界ではベトベトンの方が大多数を占めるという違いがある。遭遇確率が少々異なる、ということであり、従って君たちの会社は別に噓をついてはいないし、君を騙してもいない。

もし世界が100人の【上司】の村だったら…。

こういった構造になる。






そう、この世の上司は大方、47%の大和田常務と49%のベトベトン、3%のその他で構成されている。

だから、君の悩みは、世の中の大多数の同世代が抱えている共通の悩みなのだ。安心しよう。


3.上司の攻略法

随分前置きが長くなってきたが、ここからがいよいよ上司の攻略の仕方だ。

何故ここまでの説明に、ここまでの文量を割いてきたのかというと、全てのジャンルにおいて何か目標を達成するに当たって重要なものは、対象物を正確に理解することと戦略を立てることにあるからだ。

今まで君は、上司に対して幻想を抱き、過度な期待をしていた。

それを捨てて正しい認識をした今、君は初めて戦略を立てることが出来るステージ迄来た。

明日以降、上司に理不尽なことを言われても、自分の思いが通じなくても、もう慌てることはないだろう。感情に振り回されない冷静な心持ちが、戦略立案において最も大切であるということも、肝に銘じてほしい。

上司が理不尽で当たり前、分からずやで当然であるという生態を理解すれば、

君は報告の仕方や、問題に遭遇したときの対処の仕方が、自然と変わるだろう。

上司を注意深く観察してほしい。

彼らには、君が全く理解できない何か大切なものがあるはずだ。

それが生まれたばかりの娘だったり、自分流の進め方だったり、プライドだったり、部内での立場だったり、更に上の上司からの評価かもしれない。

それを下らない、理解できないと一瞥する前に、「ベトベトンのことは理解不能で当然」と考え、ただただその事実を認識しよう。

そうしてじーーーと観察していると、どの上司でも、1つや2つ、大和田常務やベトベトンより優れていることを発見できるだろう。

「利己的で当然なのに、俺の為に、時間を取って説明してくれている」

「自分の評価ではなく、純粋に俺の成長を願って、叱ってくれている」

「当然のように人格的には崩壊しているが、Excel技能は達人だ」

等々、同じ大和田常務、ベトベトンでもそれぞれの盗むべき特技があることが垣間見えてくるので、まずはアイテム集めとして、それを徹底的にパクろう。

次に、コミュニケーション上の問題が出てきたら。

分かってくれなくて当たり前、自己中で当たり前。その前提に立って、どんな策が役に立つのか、色々試してみよう。

媚びてみるのも大いによし。時には勇気を出して、自分の意見を通すために、反論してもよし。根回ししてみても良し。スキルを磨いて、見返してもよし。頭をひねって、組織の為の役立つ若い人ならではのアイデアで勝負するのも、一つの手だ。

電気ポケモンは水ポケモンに弱いように、意識して様々な技を仕掛けていくうちに、

君はそれぞれの上司に合った攻め方があることを発見するだろう。

まとめると、相手に期待しすぎずに、冷静に目の前の人を観察し、色々な角度からボールを投げてみる。

もちろん最初は一筋縄ではいかないけれども、これを当たり前のようにできるようになると、君はいつのまにかゲームを楽しめるようになるだろう。そうすれば、攻略もできた同然なのである。


4.最後に

ここまで、上司の取扱説明書に関して解説してきたが、光陰矢の如しで、あと数ヶ月後に、春になったら、君もあっという間に先輩に、そして誰かの上司になるだろう。

その時に、どうすれば少しは善良な大和田常務に、愛されるベトベトンになれるのだろうか。その材料は、部下である今の時期にどれだけ感受性高く過ごしたかによって決まるのだ。

だから、自分がされてうれしかったことを覚えておこう。

されて傷ついたことも覚えておこう。

そして、君が、後輩に対して2%の松岡修造になれたら、君が傷ついた経験も、苦しくて流した涙もすべて報われる。

これほど素晴らしいことはないよね!

サポートいただけたら、スライディング土下座で、お礼を言いに行きますーーー!!!(涙)