幻灯片1

TikTokのビジネス活用完全版

今回は、いよいよ、なぜTikTokのビジネス利用に、大きな成長余地があるのか、というテーマについて、お話ししていきたいと思います。

まず、TikTokは中国のByteDance社が展開しているサービスです。よって、当然中国本土でも展開されているのですが、実は、この同じデザイン・同じアイコンのTikTokであっても、中国版と、日本を含むグローバル版は、完全に独立した2つの別アプリなのです。

従って、Apple Storeで2つをダウンロードすると、このように横に並べることができます。笑

もう少し詳しく説明しますと、皆さんおなじみのfacebook、Twitter、Instagramと言った大手のSNSプラットフォームは、地域ごとにローカライズされて微妙に機能や仕様が異なったりしますが、システムとしては統一されたひとつのプラットフォームです。一方で、TikTokはそれらと異なって、中国版とグローバル版と、2つ完全に別システムの別アプリとして運営されているので、例えば、中国版TikToKのコンテンツを、グローバル版(日本で使われているバージョン)から見ることも、検索することもできません。

ByteDance社がこのような運営を行なう背景には、中国の国情なども複雑に絡んでいるため、詳しい説明は省きますが、中国版Tik Tokとグローバル版は、見た目は同じだがまったく別物のアプリであるとだけ、認識いただければと思います。

そこで、2018年8月に中国に渡った筆者は、中国版のTikTokをダウンロードした時に、「中身が、こんなにも違うのか・・・!」と大変衝撃を受けました。

その中身というのは、

・配信主の構成
・コンテンツの内容
・プラットフォームに実装された機能の数々

と多種多様です。そこで、ひとつ言えるのは、同じ会社が同じ名前のSNSを経営している以上、マーケティング手法はローカライズされているとはいえ、事業展開のロジックの大筋は、地域限らず統一されているはずです。

TikTokでいえば、

ステップ1:新しいものに敏感な若い世代を取り込み、話題性を作る。 
ステップ2:話題性に引き寄せられ、様々な属性・世代の利用者が集まる
ステップ3:利用者が増え、コンテンツのバラエティが増える     
ステップ4:利用者数・利用者のバリエーションが増えることによって、ラットフォーマーの価値が上がり、成熟化               
ステップ5:ビジネスとして利用したい企業アカウントや広告需要など、様々なマネタイズに取り込める

といったステップを踏んでいくでしょう。その意味で、日本はステップ1の段階にいますが、中国では、現在ステップ4〜5の間まで来ているのです。

ショートムービー業界は、今後、全世界でより盛り上がっていくトレンドであること、その中でも、ユニコーン企業としてUberを抜いて時価総額1位のBytedance社が展開するTikTokは、もっとも勢いがあるプラットフォームであることは間違い無いでしょう。

したがって、日本の皆さんが、中国版TikTok、そして中国市場のショートムービー業界の動きを知ることは、タイムマシンのように、TikTokの日本市場の未来を、先取りすることに繋がるのです。すると、何らかの形でビジネス利用したいと考えている方は、これから来る未来に備えて事前に準備ができますし、配信者(インフルエンサー)としてTikTokを攻略したい方は、すでに成熟しつつある中国版で成功したやり方やアイディアを知ることによって、真似して、いち早く日本市場に持ち込むことができます。

もちろん、各国によって、ローカライズされている部分もありますし、今後、日本市場が中国本土とは違う路線にいく可能性も無きにしも非ずです。一方で、現在までの日本側、中国側のTikTokの発展の沿革を観察する限り、それぞれが辿る道に大きな乖離はない可能性が高いと、筆者は予想しています。

よって、本ノートでは、日本の皆さんからは見ることはできない 中国版Tik Tokのみに実装されている機能や、ヒントになるコンテンツ、クリエイティブな配信主を、紹介していきたいと思います。

1. 中国版TikTok特有機能: ライブ配信

↑中国版TikToKの配信画面

すでに、投げ銭用のウォレット(配信者に投げるギフトをチャージするお財布的な機能)、およびウォレット機能のQ&Aがグローバル版から確認できるため、ライブ配信機能は、ほぼ確実に、近日以内にグローバル版で実装されるでしょう。

↑ウォレット機能、ウォレット機能に関するQ&A

ライブ配信は、特に先行者利益がものすごく大きく働く構造なので、インフルエンサーとしてTikToKでポジションを取りたい方は、機能が実装された瞬間にスタートを切れるよう、準備を始めることを強くオススメします。中国のインフルエンサーでは、平均収入の38%程度をライブ配信で稼ぎ出しているという統計があります。

ライブ配信市場は、非常に収益力が高いSNSプラットフォームであるため、企業マーケティングおよび個人インフルエンサーにとっては、今後は、避けては通れないツールとなります。

したがって、日本市場で本格的に流行する前に、利用する側も、配信する側も、構造を理解しておいた方がいいでしょう。

現在、TikTok運営側としては、従来のライブ配信をメインとしたプラットフォームと違い、あくまでもショートムービーメインであり、配信者と利用者のコミュニケーションツールとしてのライブ配信機能を展開していると明言しています。実際に、筆者が中国版TikTokの配信を確認したところ、確かにギフティングのやりとりや配信者のランキング争いが激しいSHOWROOM型ではなく、比較的に、穏やかなインスタグラムのライブ動画に近しい雰囲気を感じました。よって、参入予定者は、インスタグラムのライブ動画配信で練習してみると良いと思います。


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