奇跡的に辞めるタイミングがやってきた
僕が会社を辞める決意を固めたのは、1999年の仕事始めの時。
当時の上司が「今年はやりたいことが出いるといいね。」と言ったのがきっかけだった。
その言葉を聴いて、僕は「この会社には、やりたいことがない。」ということに気がついてしまったのだ。
この件については、前回の記事に書いた。
そして、なんとも言えない偶然なのだけれど、この年の2月には、当時僕が抱えていた四つの案件が、すべて一段落つくという奇跡の瞬間がやってきた。
奇跡のタイミングを逃したくなかった
この一年半前に、九州営業所から本社に転勤になって戻ってきた。
その一年半の間、仕事が途切れるなんてことはなかった。
常に複数の案件をかかていたので、一つの仕事が一段落しても、ほかの仕事はまだ続いていた。
ずっとそんな調子だったから、4つの案件が同時に一段落するなんてことは奇跡的だった。
辞めるなら今しかない。
こんなタイミングは、今を逃すと次にいつやってくるかわからない。
次の案件が入ってくる前に辞意を表さなければ。
そう思った僕は、その年の3月いっぱいで会社を辞めることにした。
とにかく早く辞めたかった
今から考えると、有給休暇を消化して、さらにはうつ病の診断を受けて傷病手当もしっかりともらってからやめればよかった、と思うのだけれど、当時の僕にはそんなことを考える精神的な余裕はなかった。
うつ病が今ほどメジャーではなかったし、情報もなかった。
そういう情報を調べる余力もなかった。
とにかく早く辞めたかった。
辞めて楽になりたかったのだ。
人生には流れのようなものが存在する
このころのことを思い出すと、人生というのは、いろいろな偶然が積み重なって進んでいくんだということを強く感じる。
会社を辞めるという重大な決断に至るまでに、いったいいくつの偶然が重なったんだろうか、と思う。
このころの経験があるから、僕はシンクロニシティというものを信じている。
本当は、自分の意志で会社を辞めたんだけれど、人生の流れがそっちの方向へ流れたように感じる。
自分は単に、流されただけのような。
実は、この流れは今も続いているように思う。
それを感じさせるような出来事が、この後も次々に起こっていくのだ。
結局、人生は偶然の積み重ねによってどんどん変わっていくわけで、要するに、ご縁の積み重ねによって出来ている。
そのご縁をどのように受け止めて、どのように行動していくのか。
それによって、人生が大きく変わっていく。
人生は大河のようだと言われる。
その流れに身を任せて、あらがうことなく流されていくのが、最も楽な生き方なのかもしれない。
最後に会社を出た日のことを忘れないだろう
僕の会社は新宿にあった。
いや、正確にはその隣の新大久保に合ったんだけど、最後に会社を出たときに、新宿副都心の高層ビル群の夜景が見えた。
そのビル群を見上げた時の解放感を、僕は今でも覚えているし、これからも多分忘れないだろう。
後ろ髪をひかれるような感覚は一切なかった。
不安もなかった。
あるのは解放感だけだった。
もう二度と、ここに来なくてもいいと思うと嬉しかった。
これからは、自分の足で自分の人生をしっかりと歩いていくんだ。
そう心に誓ったのだ。
(つづく)
自分がうつ状態に陥って、そこから這い上がってくる過程で考えたことなどを書いています。自分の思考を記録しておくことと、同じような苦しみを抱えている人の参考になればうれしいです。フォローとスキと、できればサポートをよろしくお願いします!