バボのキママな日 #34 『おぱんぽん。』
"おぱんぽん"と云う言葉を使っている人に僕は会ったことがない。
男性器の一般的な呼称は"おちんちん"だ。放送コードにも引っかからない。
では女性器は?そう、お察しの通り"おぱんぽん"だ。こちらも放送コードには引っかからない・・・らしい。僕はこの言葉を中島らもさんのエッセイで初めて知った。男性器のように女性器にも一般的に使える呼称を公募したところ"おぱんぽん"になったらしい。
でも結局"おぱんぽん"は全然使われていない。しかも別に"おぱんぽん"に取って代わる一般的な呼称があるわけでもない。いまだに”おぱんぽんの俗語"は云ってはいけない言葉の筆頭だ。不思議だ。"おぱんぽん"の語感は悪くないと思う。幼児教育をしていた姉が「女子児童を指導する際に"おぱんぽん"をなんて云えばいいかわからず困った」みたいな話をしていた気がする。でも"おぱんぽん"で解決するではないか。きっと全国に今も"おぱんぽん"を子供の前でなんと呼べばいいか困っている親や教育者がいるに違いない。今こそ"おぱんぽん"に今一度目を向けるべきではないのだろうか。
日本は性に対して寛容なんだか厳格なんだかわからない国だ。
街には性産業が溢れているのにAVにはモザイクがかかっている。
テレビで芸人が下世話な話を平気でするのに学校の性教育に関しては後進国だ。
なんだかよくわからない。誰がどう云った理由で作った基準なのかがわからない。"おちんちん"が良くて"おぱんぽん"がダメな理由が僕は知りたい。突き詰めると女性蔑視だの男女平等だのなんだかそう云う話になりそうだ。
日本の性に関する価値観は戦前と戦後で大きく違うと聞いたことがある。
確かに江戸時代なんかの風俗画を見ると性におおらかだった感じがある。春画なんか思いっきり"おちんちん"や"おぱんぽん"が精巧に描かれている。性をタブー視するような価値観は近代的なものなのかもしれない。それが作為的な結果なのか偶発的な結果なのかはわからない。けれど"おちんちん"や"おぱんぽん"にモザイクをかけるようになったのには理由があるはずだ。誰がなんの為に始めたのだろう。そしてどうして今だにそれが続いているのだろう。
現代の日本人が一般的に持つ価値観が如何にして構築されたかに興味が湧いてきた。"おぱんぽん"からすごい飛躍かもしれないがそうでもない。きっと昔はもっと気軽に"おぱんぽん"と云える価値観があったに違いない。現に地方における"おぱんぽん"の俗語は多様に存在する。こんなページまで見つかるくらいだ。↓
いつから僕らは此の価値観を持つようになったのだろう。そしてどうしてその価値観を選んだのだろう。そしてその価値観は誰にとって都合のいいもので誰にとって都合の悪いものなのだろう。なんだかこれ以上考えると話がまとまらなくなりそうなのでやめておく。
今日もフツウキママに訪れてくれてありがとうございます。
でもまぁ別におぱんぽんを今後使うかと訊かれれば疑問なところではあります。
<バボ>
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