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ついにF1昇格を果たしたしながわ、補強の苦戦(?)につながった選手間に流れた噂とは?

 2023-24シーズンのフットサルシーズンが、5月15日に開幕するオーシャンカップからいよいよ始まる。今シーズンの注目は、なんといっても悲願のFリーグ・ディビジョン1昇格を果たしたしながわシティだろう。

 2007年に開幕したFリーグだが、これまで完全プロチームは名古屋オーシャンズの1チームのみだった(16シーズン無冠のバサジィ大分も近い環境にあるが…)。そこに第2のプロクラブとして期待がかかっているのが、しながわだ。

 しながわの前身であるトルエーラ柏は、2019-20シーズンに選手がメディカルチェックを受けられずにリーグの登録不備を起こし、同シーズンのオーシャンカップを棄権した。経営面にも問題があったクラブを、現在の運営母体が引き取る形となり、チームの改革に打って出た。大分との契約が満了を迎えた元日本代表FP白方秀和、アグレミーナ浜松と契約満了をした元日本代表FP中村友亮らを加えて再出発を図り、F2を初制覇。さらに第26回全日本フットサル選手権でも、F2所属クラブとしては初の優勝を飾っている。

 しかし、その年はF1のクラブライセンスが付与されず。入れ替え戦は辞退という形をとることに。翌シーズンもF2を制して入れ替え戦に出場したが、ボアルース長野と2試合合計スコアが4-4となり、2試合合計スコアが同点の場合は上位リーグのクラブが残留するという規定によって、昇格を阻まれた。

 そして2022-23シーズンには、入れ替え戦には間に合わなかったFPチアゴを加え、万全の体制でシーズンに臨み、リーグ戦15勝1分け0敗97得点13失点という無敗優勝を成し遂げた。そして、長野に雪辱をはたし、ついにF1昇格を決めたのだ。

 名古屋に次ぐプロクラブであるがゆえに、F1昇格を決めたことで、大型補強が次々とおこなわれるのではないかと思われていた。実際、名古屋オーシャンズも創設した際には、カスカヴェウ(ペスカドーラ町田)、プレデター(バルドラール浦安)以外から主力選手たちを集めてチームを強化。ブラジルからもブラジル人選手や日系人選手を集め、次々と国内のタイトルを獲得していくチームを作っていった。

 その再現が今オフにあるかと思われたが、補強に関しては控えめといえるだろう。他のFクラブから獲得したのは、立川アスレティックFCから現在の日本代表の正GKといえるGK黒本ギレルメ、そして、Y.S.C.C.横浜から獲得したFP笠篤史の2選手のみ。それ以外は、U-20フットサル日本代表で2019年のAFC U-20アジア選手権制覇を成し遂げたメンバーの一員であり、U-18全日本フットサル選手権の最多得点記録を保持するFP大塚尋斗や運営母体が同じ栃木シティからFP松浦航洋、名古屋の下部組織育ちのFP美馬亘輝と、Fリーグは初挑戦となる若手ばかりだ。

 F1昇格の立役者となったチアゴは、第28回全日本フットサル選手権前にブラジル1部の名門カルロス・バルボーザへ移籍しており、外国籍選手の枠も空いているままとなっている。

 チアゴ不在で戦った第28回全日本フットサル選手権では、2回戦でF1のバルドラール浦安に3-5で敗れて敗退。レギュラーシーズンを2位で終えた相手に善戦はしたが、「名古屋の対抗馬になれる!」と、太鼓判を押せる強さを示せたわけではなかった。

 今オフは大型な補強に打って出ることになり、日本代表クラスの選手がゴロゴロと加入することになるのではないか。そんな予想をしていたのだが、前述のように黒本と笠の2人の補強に留まっている。

 より積極的な補強に動かなかったのか? そうではないようだ。
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