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【選手権】“絶対王者”名古屋が消える! F2王者・柏の勢い止まらず。試合後の両監督、選手コメント

 JFA第26回全日本フットサル選手権の準々決勝が三重県営サンアリーナで開催された。11時からの第1試合では、F1王者の名古屋オーシャンズとF2全勝優勝のトルエーラ柏が対戦し、柏が2-1で勝利した。

文◎河合拓 写真◎勝又寛晃

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 今シーズンからチームの運営母体が変わり、資金力の面で今後、名古屋に並ぶ存在になっていくと目されている柏。今季はF2リーグを戦っていることもあり、現役日本代表候補はFP白方秀和のみ。その白方も、この試合では累積警告により出場停止となっており、名古屋が優位だと思われていた。

 しかし、前半11分にFP野村啓介のゴールで先制した柏は、その3分後にもFP宗像紘輝のゴールでリードを広げる。その1分後にFP八木聖人に1点を返されたものの、それ以降の25分は名古屋にゴールを許さずに2-1のまま逃げ切った。

 公式記録上、柏のシュート本数は11本、対する名古屋のシュート本数は31本。名古屋は約3倍のシュートを放ったものの、決定機といえるものは多くなかった。

 柏の選手たちは一人がかわされても、次の選手がすぐにカバーに入り、枠に飛んだシュートもGK岩永汰紀が好セーブではじき返す。名古屋より早くルーズボールに反応し、力を出し切って金星をつかんだ。

 下に記すコメント内では、フエンテス監督、FP星龍太、FP吉川智貴はそろって、柏とのモチベーションに差があったことを認めているが、名古屋にも『柏に負けるはずがない』という思いはあっただろう。その一つの表れが、フエンテス監督の選手起用にも表れていた。

 前日のボルクバレット北九州戦、フエンテス監督は勝利の行方が決した後にFP橋本優也、FP磯村直樹を起用していた。過去の采配を振り返っても、フエンテス監督は絶対的な信頼を置く選手たちに長時間の出場時間を与え、若手(橋本はもう若手ではないが…)を出場させるのは、勝利が決定的になった後が多かった。しかし、この試合では0-0の状態で星兄弟とともに2人をピッチに送り出したが、この時間帯に先制点を許した。

 スポーツは結果論で語られることが多いが、これも名古屋が勝っていれば、“経験を積ますことができた”、“主力を休ませることができた”と、称賛される采配だっただろう。だが、結果的に敗れたことで、チームの緩みや余裕を感じさせる采配になってしまった。(フエンテス監督が、彼らを起用した理由については、試合直後の囲みで聞いているので、ぜひ、下記のコメントを確認してください)

 大会は、ベスト4が出そろった。2年越しの大会連覇を目指す名古屋が消え、柏とバサジィ大分は初優勝を、ペスカドーラ町田は前身のカスカヴェウ時代を含め3度目の優勝、須賀雄大監督が退任するフウガドールすみだは、前身のフウガ目黒時代以来2度目の優勝を目指す。

柏vs名古屋 試合後の両チーム、監督・選手のコメント

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