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4得点を上げた「完璧な前半」から一転4連続失点。パワープレーの守備に苦しんだ意外な理由とは?Fリーグ第17節・シュライカー大阪戦後のバルドラール浦安・小宮山 友祐監督コメントほぼ全文

2021年12月5日(日)、岸和田市総合体育館Fリーグ2021-2022 ディビジョン1 第18節 シュライカー大阪×バルドラール浦安戦後の、バルドラール浦安・小宮山 友祐監督インタビューのコメントです。

▼ 試合の公式記録

http://www.fleague.jp/score/result.html?gid=72229

 自分たちが4点取れたということは取られるということもある。でも本当に4点取られるとは・・・思っていなかった

―まずは率直に試合を振り返っていただいて

小宮山監督「自分たちのプランニング通りのゲーム展開でしたし、自分たちのやってきたこと、3-1のセットも、4枚(4-0)のセットもよくやってくれましたし、良かったんですけども・・・。

大阪の強度に、ビビらず、ひるまず、戦っていたので。

素晴らしい前半だったかなと。

前半に関しては特に何も言うことはないですし、選手たちにもハーフタイムに「完璧なゲームをしたよ」という話をしました。

ただ自分たちが4点取れたということは、「4点取られる可能性があるよ」

それは本当に理解しなきゃいけない。

だから「次の1点というのは大きなターニングポイントになるから。

5点目取りに行こう」と話して・・・。

だだ、やはり、それがうまく行かなくて。

本当に4点取られるとは思わなかったので・・・

まぁ、あの・・・高見くんを使った大阪のパワープレーから、1対1のアイソレーションが、すごく整理されていたし・・・

今日は加藤 未渚実選手が居なかったので・・・

これで未渚実もいたら、またちょっと違ったのかなとか、いろいろ思うことがありましたけども・・・

なかなかゲーム中にしっかり修正できなかったのが・・・

なんかこう・・・何だろな?というところでしたよね・・・。

こっちは「こうしたら止めれるんじゃない」というのは(選手たちに)伝えましたし、「何の問題もないんじゃない?」という話をしたんですけども、選手たちは焦りというか、追いつかれてしまう、んー・・・、恐怖感みたいなのがあったのかな・・・。

ボールにも全然行かないし・・・

高見君がちょっと出てきて、どっちかの(サイドの)2人に当ててから、下がって、(その後は)単なる普通のゲームなので・・・

クアトロでも何でもないので・・・

プレスかければいいところが、プレスが下がっていたので・・・

そこはもう「強く行け」と。

何度も何度も言っていたんですが、なかなか行けなかったですよね・・・

そのへんも経験値なのかなと思いつつ・・・

ただ、大阪も永井監督が素晴らしい、自分たちのスタイルにあった、選手たちの特徴をよく掴んだフットサルをされてるので。

前回の対戦の時、あの時は加藤 未渚実選手のアイソレーションで同点にされてしまったこともあったので・・・

今日は人は違うけど、そういうことしてくるっていうのは、選手たちには伝えていたので。

まぁやっぱり4-0のまま・・・4-3とか4-2とかで勝つことができたら一番良かった。

結局追いつかれたので・・・

やってきたことが・・・

やってきたことといっても、対策してきたことが出せなかったっていうところが大きな反省点ですね。

もちろん。勝つことができて嬉しかったですけど、そういうところがまだまだ課題かなと・・・」

『2枚出てくるピヴォの背後を突く』プランが”ハマった”

―前半プラン通りという言葉がありましたが『プラン通り』の部分をもう少し詳しく教えていただけますか?

小宮山監督「大阪の選手たちがピヴォ二人の選手必ず、清水選手と相井選手、加藤翼選手と磯村選手、必ずピヴォ二人がピッチには出てくる。

ディフェンスが多いと、ウチの選手たちのサイズもそんなに大きくないので、まぁ若干、ディフェンスになったら受け身になる、背負われてしまう時間帯もあると思うんですけど・・・

逆に攻撃に関しては、彼らの背後を取る事っていうのはすごく大きなポイントで・・・

結局やはり、こんな言い方はあれですけど、なかなかやっぱりこう・・・ピヴォの選手にディフェンスの得意な選手は少ないと思っているので。

まぁ、日本全体としても、そういったピヴォのディフェンスの力って上げていかなきゃいけないと思いますけど・・・

やはり背後取られて、背中走られて、4枚(4-0)でも3ー1でも、マンツーマンで来ることはもうわかってたので。

長い距離を走る。フェイクする。ライン間降りてくる。下が底辺が出ていくことを繰り返すという形をずっと言っていたので・・・。

練習からも取り組んできたことを、選手たちが本当に実践してくれて。

プレスも、大阪もラインカット、2-1-1に対して自分たちの対応というところで、マンツーマンじゃなくて、ラインカットしてくる選手に対してゾーンで見る、2人見る・・・。1人で2人を管理するということを常々言ってきて。

それがうまいことはまって。

ウチはフィクソも滝田もディドゥダも強い選手居るので、良いボールじゃなければ、大阪のピヴォも抑えるのはきついかなと・・・。

苦しいボールを出させたら勝ちというところがあったので」

褒めることは珍しくない。褒める時は褒めている


―ハーフタイムに選手たちに「パーフェクトだよ」という言葉をかけたそうですが、それは珍しいコトですか?

小宮山監督「いえいえいえ、横浜戦の時も言いましたし・・・

たぶん、普段、厳しいことを言っているように感じられるかもしれないですけど、褒める時は褒めますし・・・

今日の前半もそうでしたけど、横浜戦の前半も素晴らしかったので。

何度もお伝えしているように、若い選手が多いので、一方的にガーガーガーガー言ったところで入ってこないし、自信を失ってしまう。経験がある選手とやっぱりちょっと違うので。

「本当良いプレーしてるよと」と。

まぁ全体には締める意味でも、引き締めるためにもきついことを言うこともありますけども・・・。

若い選手には「今日も良いプレーしてたよ」と。

今日も東出も良かったですし、宇野 伊織も1点取りましたし。

まぁそういうところですよね。

やっぱり循環というのが少しずつウチのチームにも出てきたのが大きいですし。

褒めることというのは珍しいことではないです。

ただ(今日の試合は)私が褒めたから、気が緩んだのではないと思います。選手たちもディドゥダ中心にもう「次だ、次だ」と話をしていたので。

油断とか慢心というよりは、僕は大阪の1対1のスキルが高かったと思います。

パワープレーの守備に苦しんだ理由と"ホンネ"


―第2ピリオド、大阪のパワープレーから4点を返される形になりました。ディドゥダ選手も「パワープレーの守備の練習が少ない」という話をしていましたが、その点も踏まえて、4失点の要因は?

小宮山監督「そうですね・・・。

こんなこと言ったらあれですけど、これまでが、本当負けている試合が多くて・・・

点を取りに行かなきゃいけないので、どちらかというとオフェンスのトレーニングが多かった。

最近、4連勝しましたけど・・・。

勝つことが多くなってきたので、自分たちがリードしている状況で、パワープレーのディフェンスをやるっていうことを、もちろんやってはいるんですけど、ディドゥダのケガもありますし、長い距離スプリントできないですし、そういう部分で、ケガ明けから戻ってきた選手と、今までやってきた選手との融合というところに時間かかっているのかなと・・・。

僕は4点取られた、あの形・・・

高見君が上がってきて、『2-2』になって、パスを出して、下がって・・・

ああいったパワープレーに対しては、そんなに確かに練習は今週なかなかしてこなかったというところはありました。

ただ、『上がってきても一緒じゃない?』『単なる普通のパワープレーの守り方で対応すれば問題ないんじゃない?』と選手たちに言ったけど、選手たちからしたら『ちょっと違う』ということだったので・・・

それはもう私の・・・選手たちにも言いましたけど・・・私の準備不足でした。

もっと明確に伝えるものを、皆に伝えたら(対応)できたのかなと・・・。

ただ、ぶっちゃけですけど、守る側からしたら、「逆に、何で?」と思って・・・

サイドの1対1じゃないですか?

中に行かれてるのは4点目だけで、あとは全部清水選手にサイドで縦に行かれて・・・

カバーも居る、遠目にはキーパーも居てセカンドポストも居て、セカンドポストに絞りなさいとずっと言っていても、それができてなくて失点している・・・。

そこはもうさすがにちょっと『もっと、ちゃんとやろうぜ』と・・・

あの形だけだったから・・・。なんもないなっていう・・・。

何で逆に守れなかったのかな?というのは正直、思うところはありましたけど・・・。

ただ自分も選手だったので。外で見ているのと、中で起きているのとでは、違うのかなぁと。

だから、もっともっと明確に。高見選手にシュートを打たせるとか・・・。

僕は高見選手のシュートの方が嫌かなぁと思ったんですけど、2-2のボックスにして・・・

そしたら相井選手が真ん中に入ってきて、若干ブラインド気味にドンと打たれた方が嫌かなと思って・・・

斉田とも話して、「どっちが良い?」と聞いたら、(高見選手に)「打たれたくない」とのことだったので・・・

そしたらサイドからあんなに打たれてはいるとは・・・。嘘だろ?って・・・。

真ん中よりサイドで打たせるなんて基本の「キ」じゃないですか?

それが入っちゃうとなると、きつかったですよね。

単純に1対1のスキルが足らないのかなと・・・。

もっともっとディフェンスに置いて、姿勢だったり、距離感だったり、構えだったり、足を出すタイミングだったり・・・

別にとってカウンターしようと言っているわけじゃないので。

やられないぞという意思表示。

別にクリアしてキックインで、もう1回やっても別に何回もディフェンスしていれば(相手も)手詰まりだと思うんですけどね」

―さっき話したと引いてしまっているなら、カバーも近いはず?

小宮山監督「ちょっとずらされて、カバーも出れないですよね。ひいちゃってるから。

ちょっと縦にずらされた位置だと出れないんですよね・・・

もう少し縦に運んだ位置なら出れますけど・・・

そういうところかなと・・・。

だからまだまだ。勝ちはしましたけど、そういう部分ではまだまだ。発展途上というか、成長段階のチームだと思うので・・・」

4点を追い上げられている時間帯。ディドゥダ選手"温存"(?)のワケ

―4失点している時間帯、ディドゥダ選手が出ていなかったのは?

小宮山監督「カードもらっていたので。

(イエローカード)1枚もらっていたのと、まだケガ明けなので、長く引っ張れないのもあるので。ポイントポイントで。

だいぶコンディション戻ってきたので・・・

彼が居ると居ないでは全然違うと思うので、存在感が。

ただ、ずっと、ディドゥダが中断前まで(試合に)出れなくて。

その中で頑張ってきた原とか、三笠とかはやっぱり

練習も見ててすごく頑張っているし。

自分の役割というものを発揮してくれたら、チーム力も上がると思うので、期待して使っていますし。

まぁ、今日はなかなか難しかったですけど・・・。

選手は「ベンチに入れているだけでは意味がない」「積極的に使っていく」

―さっきも、若手の活躍の話が出て、東出選手、宇野選手の名前も出ましたけども、その辺りは結構どんどん試合に使っていこうと意識はあったりしますか?

小宮山監督「もちろん、もちろん。

(ベンチに)入れているだけだと意味がないと思うので。

使わないといけないと思いますし、1分でも2分でも、使うことでやっぱり肌感で感じる・・・。

例えば、伊織(宇野 伊織選手)なんか相井選手とマッチアップなんて、たぶん、こんなこと言ったらあれですが・・・、『猛獣とウサギ』みたいな感じじゃないですか?

でも例えば日本代表がワールドカップに出たら、フェラオみたいなのと対戦するわけじゃないですか?

だからやっぱりそういうのは早いうちから慣れていく。

だから伊織はいま、ウチでガリンシャに対してバチバチ行くんで。

滝田もディドゥダもリスペクトあるからガリンシャには行かないですよ。

ケガさせたらとかもあって・・・。

でも伊織には僕も「行け!」と。

「行け!行け!行け!」と。

じゃあ、ガリンシャもイライラしてひじ入れたりとか、振り払ってとか(していますが・・・)

そういうの、大事なんですよ。

練習の時にそれが出来なかったら、その先無いですから。

伊織に「やられても行け」と。

それでまず経験していく。

身体はもっともっと、これからでかくしないといけないですけど。

まだ17歳ですから。

もうそういう意味では、もっともっと色んな経験をさせてあげたいと思いますし・・・

ただ、本人たちに伝えてますけど(試合に出るのは)『ご褒美』ではないので。

ある程度の『基準』に達しないと出れないよ。

その基準というのはディフェンスだよ。

ディフェンスのコンセプト。ディフェンスの強度。それができて初めて試合に出れる。

オフェンスは求めない。

ディフェンスの強度と、基準と、チームのシステム。

を理解して・・・というところですよ、と。

宇野はそういうところ賢い選手なので、しっかり理解できています。

まぁ、強度の部分は若干心配な部分はありますけど・・・。

今日も一発ね。

奪って、自分で運んで、決めましたから」

結果が出なかった時期と、結果が出てきてる今の違い

―バルドラール浦安は今季、苦しんだ時期もあったと思うんですけど、その時と、結果が出ている今、何か変えたことや、変わったと感じる部分はありますか?

小宮山監督「いや、もう求めていることはディフェンスのチームだから。ディフェンスをしっかりやろうということと・・・。僕はそこに対して一切の妥協もないですし。

内容が良くてもディフェンスが緩かったら、ご存じの通りめちゃくちゃ怒りますし・・・。

それは、どこだろうが、ベンチだろうが、ロッカーだろうが。

何も変えたたつもりはないですけど、たぶん選手たちが、自分たちが勝ち続ける事で、少しずつ自信を掴んだかなと・・・。

あとはセットを固定し始めて、それまでは色んな・・・ディドゥダのケガもあったので・・・。

滝田をピヴォ当て(3-1のセット)に入れたり、クアトロ(4-0のセット)に入れたりとか。変わりが居なかったので・・・、なかなか。

でもディドゥダが来たので。ディドゥダとガリンシャの組合せ。滝田の長坂の組み合わせというのがバッチリはまってきたのが、ここ最近で。

ようやくそこがハマってきたので。軸がしっかりできたことによって・・・

そこに後はアラに誰を当てはめるかというところ・・・かなと、個人的には思っています。

そこがしっかり固められて、選手たちもやりやすい。

コミュニケーションも増えましたし、そこが良くなってきた要因なのかなと・・・。

セットが固まって、安定した力を出せるようになった。というのが大きいかな」

常に高みを―。『世界』『日本代表』を目指して欲しい

―次(12/8(水))、ホームでペスカドーラ町田戦です(このインタビューは、12/5(日)に行ったものです)が、町田戦に向けて

小宮山監督「ちょっと、ここからスケジュール厳しいんで・・・。水曜やって、1日で、金曜なので・・・。

選手たちは早く回復して。中1日で町田戦なので・・・。

これから東京に戻って、浦安戻って、準備してっていう・・・

なかなかすごい厳しいですけど。

本当自分たちが成長できるチャンスだと思うので。

今日も出場時間に偏りががあるので。

ベテラン、中堅・・・。中心選手はだいぶ(長い時間、試合に)出たので、きつい部分あると思うんですけど・・・。

でもやはり、この1個1個が重いと思うんですよ。

もっとタフな日程でアジア選手権を戦わないと行けない時も来ると思うので。

常に世界と、代表を目指して欲しいと思うので。

まだウチからね・・・。代表選手5人6人と絶対に呼ばれないと思うので。

高いところ目指してやって行きたいと思います」

※後日、決勝ゴールをあげたディドゥダ選手のインタビュー記事も掲載予定です。

文・写真=北谷 仁治


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