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文字が書けなかった

疲労困憊だったかもしれない


季節は暦の上では春で梅が先走ってぽんっ、と花びらを開いていた。
だというのに、次の日には吹雪になって、翌朝目覚めれば山は白に逆戻り。春だったはずだなと思いながら、温かいココアを飲んでいた。
そんな三月だった。

全くと言っていいほど、文字を書くことが出来なくなっていた。
一文字も。全く。

ぼんやりと気に入りのソファーに座り、動画を視聴することが多くなった。
面白く、楽しいものを見れば腹を抱えて笑った。悲しいものやらを見れば、鼻の奥が痛くなった。
ああ、何か書きたいなと感情のままにパソコンの前に座るが、瞬間、何も浮かばなくなった。
その『何か』が、最初から何もなかったかのようだった。

今年に入ってから、少しずつ、文字を書くという気力が薄れていた。
どんなに疲れていても、文字を書く事は続けていたというのに。
一体どうしてこうなったのか。
何が起きたのか、訳が分からない。

これを書いているときでさえ、沼地を一歩ずつゆっくりと進んでいるかのような、そんな感じに書いている。
一文作るのにさえ、以前よりも倍以上の時間がかかっている。
思うがままに書くことがこんなにも難しい。
一文字書いては消してを繰り返している。

けど、今こうして文字をつづれる程度には回復をした。
なんとなくの原因はいくつも頭に浮かぶし、ある意味自業自得なところもあるから、なんだか情けなくなってくる。
とはいえ、これを乗り越えたらまた一つ、うまく生きることができるかもしれない。
そう思えば、この状態というのはそこまで悪くはない。と、無理やりに思い込んだ。
でなければ、もうどうすることも出来ない気がする。

もう少し休む必要がありそうだ。
何も考えず、ぼんやりと過ごして、そのまま寝てしまおう。
腹いっぱいに食べて、最低限の栄養摂取といわんばかりに野菜ジュースでも飲んで、ぐーたらとしよう。

休みの計画はぐーたら過ごすに決定した。

少し回復をしたら桜でも見に行きたい。

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