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高いものを気に入られると困る営業

気に入ったものを採用するかしないかを決めるのはお客さんです。
営業の都合でお客さんの選択の幅を狭めてしまってはいけません。


オーダーメードの住宅を販売するときの話です。

商品の仕様を選ぶ時に
お客様が一番値段の高い仕様を選ばないようにしている営業がいました。
一番高い仕様を無いことにしていました。
一番高い仕様を隠して説明しないのです。

また、説明をするとしても
出来るだけ気に入らないように話をする人もいます。
「こちらは割高ですから見ない方がいいですよ」
「高いだけであまりお勧めできるものでは無いんです」
と言った具合です。

なぜそんな説明をするのかを聞いたことがあります。

それは
「値段が高い物をお客さんが気に入ってしまうと、それを見積もりに入れないといけなくなる
そうなると、見積もりの総額が高くなってしまう
総額が高いと競合他社に負けてしまう
そうならないために、できるだけ安くなるように説明しているんだ」
と教えてくれました。


他の営業の場合にも似たような話がありました。
「和室よりも洋室がお勧めです」
「近頃は和室は流行らないですよ」
「畳に寝転がりたいなら、寝ござを敷く方法があります。これだったら古くなったらすぐに取り替えられます」
と説明していました。

この時も、なぜ和室を否定するのかと聞いてみました。

すると、
「洋室よりも和室の方が高く付くんです。
長押や床間など部品が多くなるので、洋室よりも和室の方が高くなるので、お客さんが和室を気に入らないようにあらかじめ和室を否定しておくんです」

と教えてくれました。


これは間違っていると思いました。
こんな事をしているとお客様の満足度はいっこうにあがりません。


家を建てようとしている人は
一生で一回命がけで物を選んでいます。

値段が少し違うからと言って
選ぶのを止めるなんてことは考えていません。

一番高い仕様の説明をしっかり聞いて
納得いくもの
本当に欲しいものだと分かったら
お金はなんとかしようとするものです。

好きなものがあるんだったら
他の部分を削って
好きな仕様を採用したいと考えるのです。

それでも無理だったら
あきらめて、次の方法を考えるのはお客様です。

営業が勝手な判断で
お客様の選択範囲を狭めるようなことをしてはいけません。

二番目に気に入った物を採用する家づくりをしていたら
満足度もそこそこで終わり、
紹介もほとんどもらえないといった結果になるのです。

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