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プラモデルのすゝめ

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模型専門誌での編集経験をもとに、模型に関する知識や楽しみ方、オススメのキットなどを記した記事をまとめたマガジン。 最近模型を作り始めた方、模型づくりにマンネリを感じている方と、模… もっと読む
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3日で作る車模型「ハセガワ 1/24 いすゞ117クーペ」〜完成編〜【プラモデルのすゝめ】

先日購入した「ハセガワ 1/24 いすゞ117クーペ」を3日で完成させるという企画の後編です。 前半戦の組み立て編は↑をご覧ください。 プロローグ的な購入に関する内容は↑。 ということで、今回117クーペの完成目標をおさらいすると… 1. 2、3日で完成させれる工程。 2. でもフル塗装仕上げ。 3. 手が抜けるところはとことん抜く。 4. でも見映えには気を使う。 この4点を踏まえて、なんとなく完成までの構想を練りました。 ・ボディのみスプレー仕上げ ・それ以外は筆

組立工程からモチーフを楽めるプラキットシリーズ「PLAMAX minimum factory」シリーズ【プラモデルのすゝめ】

たまにお仕事もしているホビーについて、商品だったりオススメ工具、塗料の使い方についてなど、ざっくばらんに紹介している「プラモデルのすゝめ」。 今回はマックスファクトリーさんの「PLAMAX」について。 調べるとグッドスマイルカンパニーさんのサイトに繋がっちゃうんですけど、れっきとしたマックスファクトリーさんの商品。 販売をグッスマさんが請け負っているからなんですね。「figma」もそうです。 PLAMAXはスタートして約8年と、まだまだ歴史の浅いシリーズなんですけど、気づ

水は“使えない”が最重要キーワード【プラモデルのすゝめ】

この記事を書くにあたって、改めてメーカーのサイトを確認したら「水で希釈可能」って書いてあってここ最近で一番驚いたのですが…水性ホビーカラーに「水は使えない」と思ってください。 希釈なんてもってのほか。掃除にも使わないでください。 メーカーが使えると言ってしまっているので大々的に「嘘」とは言えないですし、それに近い効果を得られたりすることがあるのは事実なので、「水が使えることを期待しないでください」というのが正しい表現なのかもしれません。 ここまで豪語できるのは、水性ホビ

プラモデルの“可能性”を体感できる「Figure-riseLABO」シリーズの話【プラモデルのすゝめ】

このキットを覚えているでしょうか。 BANDAI SPIRITS ホビー事業部が「Figure-riseLABO」という新シリーズの第一弾として、2018年6月にリリースされた「ホシノ・フミナ」です。 こちらはガンプラなどと同じ“プラモデル”、つまり、ランナーにくっついたパーツを切って貼って完成させる必要があります。 有機的なラインを苦手とするプラスチックキットで女の子なんて、ひと昔前なら正気の沙汰じゃなかったのですが、この時期より少し前からコトブキヤのフレームアームズ

模型のクオリティを底上げするスジ彫り道具の重要性

特にガンプラモデラーにとっては必須工具ともいえる「BMCタガネ」を単純に紹介しようと思っていたのですが、今、ガンプラとともにBMCタガネも品薄で、なんならガンプラよりも買えないのでは? という状況みたいですね(2022年4月時点)。 スジボリ堂さんのBMCタガネがなぜ人気なのか。 凹モールドを彫り直す際、かつてはニードルやPカッターなどが主流だったんですけど、彫り跡がV字になるので、彫る深さによって幅が変わったりとか、そもそも幅の広いディテールどうすんの? とか、いろいろ技

3日で作る車模型「ハセガワ 1/24 いすゞ117クーペ」〜組立編〜【プラモデルのすゝめ】

アップまで時間がかかってしまったのですが、以前noteでキットを購入したことを報告したハセガワ製1/24 いすゞ117クーペが完成しました。 目標とした製作内容としては以下。 1. 2、3日で完成させれる工程。 2. でもフル塗装仕上げ。 3. 手が抜けるところはとことん抜く。 4. でも見映えには気を使う。 気質的に長期間模型に向き合えるほどモチベーションが保てないのと、やっぱりすぐに完成するほうが楽しいですしね。次に目も向けられますし。 とにかく、このキットにおける

おもむろに「ハセガワ 1/24 いすゞ 117 クーペ」を買ってしまった話【プラモデルのすゝめ】

たまに模型関連のお仕事もさせていただけるくらい、模型が好きな私がお届けする「私的なプラモデルのすゝめ」。 模型といえば、多分「ガンプラ」が一番メジャーで人気があると思うんです。 でも、今はちょっと歪んだ人気のせいでなかなか好きなガンプラが買えなかったりして、ヤキモキしている模型ファンも多そうですよね。 でも、模型はガンプラだけじゃなくて、なんなら世界中で作られているスケール模型のほうが数多くあって、ユニークなものも多く、いざ作ってみると案外楽しいんです。 特に今、界隈的

最初の1本にオススメな“片刃ニッパー”教えます【プラモデルのすゝめ】

プラモデルを作るためには最低でも「ニッパー」が必要です。 小さいころは爪切りを代用してたり、ハサミで切ったりなんて豪快なこともやってましたね。今は精巧なものが多いですし、作るものもパーツが細かく分かれているものになったので、模型用ニッパーを使ったほうが何かと楽で便利です。 そんな模型用ニッパーも今は片刃タイプが主流ですね。 片刃の良さは切れ味にあって、通常の両刃に比べて片側が押さえになってるぶん効率的にカットされて使用者への負担が少ないです。 また、一方向からのみ圧力がかか

キサゲナイフと模型用工具に注目することの大切さ【プラモデルのすゝめ】

模型を作る上で、キットに注目するのはもちろんですけど、それを作るための工具・マテリアルにも関心を持っていると、模型趣味の面白さって広がっていくと思うんです。 実は意外とコンスタントに新しい工具やマテリアルってリリースされています。それは既存の商品のアップデート版だったり、棲み分けを狙った少しピーキーな性能なものなどいろいろ。 持っておくと効率があがったり、何かしら便利だったりして、それまでよりも製作クオリティがアップする可能性が非常に高くなります。 あと、使っていて楽しい

デザインナイフにこだわってみる?【プラモデルのすゝめ】

これの前にキサゲを紹介したんですけど、今回はベタ中のベタである「デザインナイフ」について。 模型製作において、模型用ニッパーと同じくらいの必須工具がデザインナイフです。 いや…もしかしたらニッパーよりも重要? ニッパーはなくても爪切りがあればなんとかなるけれど、デザインナイフの代わりにカッターはちょっと役不足なんですよね。 人によってはもう少し刃の大きいアートナイフや、さらに大きいアートナイフプロを使う人もいますね。私も以前はアートナイフを愛用していました。理由は、刃が大

ピンセットを侮るなかれ【プラモデルのすゝめ】

模型製作用工具の中で最も重要なものってどれだかご存知ですか? ニッパー? デザインナイフ? ヤスリ? 接着剤? 答えはそう「ピンセット」なんですね。 昔、個人的なブログで書いたりもして、定期的に世の中へと発信しているんですけど、いやホントにピンセットって重要で、その割に大して良いピンセットが模型メーカー・ブランドからリリースされていないのは、模型業界に蔓延る大きな謎の一つだと思っています。 というくらい大げさに、声高らかに主張したいピンセットの重要性。 ほかのことはど

正月休みだけで完成させるプラモデル「タミヤ 1/48 飛燕」(塗装編)

正月を利用して飛行機模型を作っちゃおうということで、前回に引き続き後編として塗装ターンをお届けします。 ※以下前回 僕は基本的に塗装は「筆塗り」で行っています。 ムラのない塗装を施すならエアブラシやスプレー缶が必須。 エアブラシももってはいるんですけど、塗装の準備や手順を考えながら制作しないといけなくて、それで手が止まって作らなくなっちゃうんです。 筆塗りなら、ほぼ組み上げた状態からでも施せるので、モチベーション高く進められますし、仕上がりも個性的になって他の作品との差

正月休みだけで完成させるプラモデル「タミヤ 1/48 飛燕」(前編)

あけましておめでとうございます。 今年の抱負としては、昨年末に立ち上げたnoteを頻度よくアップしていくことでしょうか。 今年もどうぞよろしくお願いいたします。 昨年末にありがたくも飛行機模型の本や特集に携わったことで、飛行機模型作りたい欲が強まっていて、今年の年末年始は帰省をせずに、模型製作に没頭していました。 タミヤ 1/48 川崎 三式戦闘機 飛燕I型丁です。川崎重工創立120周年のタイミングに2016年末のビッグアイテムとしてリリースされたキットですね。 たしか同

成功の秘訣は”ガマン”!? 水転写デカールを失敗しないコツとは?【プラモデルのすゝめ】

みなさんは水転写デカールの扱い方をご存知ですか? 難しいイメージを保たれている方も多いと思うんですが、それはおそらく貼り方の手順にあると思うんです。 1. 台紙から必要な絵柄をカットし、水に浸す 2. 30秒ほど経ったら水からあげて、デカールをそっとさわって動いたら準備OK 3. 貼る場所に台紙ごともっていき、デカールをそっとスライドさせて乗せます 4. デカールの下に溜まった水気を綿棒などで抜き、ピッタリフィットしたら完了 ざっとこんな具合。なんだか面倒だし、繊細な作業