進学進級でまわりが動き出す4月、親がつぶれないためにできること
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進学進級でまわりが動き出す4月、親がつぶれないためにできること

不登校新聞

 4月は不登校やひきこもりの子ども若者にとって、心がしんどくなる時期だということをご存じでしょうか。そして同時に、親御さんにとっても心が落ち着かない時期でもあります。いま、心がギュッと潰れそうになるくらい、つらい気持ちを抱えている親御さんに向けて伝えたいことがあります。不登校取材歴15年の経験をもとに、親が潰れないために必要な2つの大切なことをご紹介します。

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 4月になりました。日ごと春の到来を感じる今日このごろですが、4月というのは、不登校やひきこもりの子ども若者にとって、心身ともに落ち着かない時期でもあります。なぜなら、4月は進級進学・就職など、世間があわただしく一斉に動き出す時期だからです。

 スマホでSNSをやっていれば「4月から〇〇高校へ行く」という同級生の近況報告を目にすることがあります。何気なく観ていたテレビからは入学用・新卒用のスーツのコマーシャルが流れてきたりします。

 それらを見聞きするたび、本人は現在の自分と比較してしまい、気持ちがしんどくなってしまうことがあります。

 取材を重ねるなかで「自分だけ周回遅れ、取り残されているような気がする」「1年前の自分と何も変わっていないと感じた」など、4月のつらさを語ってくれる経験者の話を聞いてきました。

4月から行くよ

 また、この時期によくある話として「4月から学校へ行く」と子どもが言っている、または親子でその約束を交わしている、ということがあります。もし約束というかたちで話がまとまっているならば、この瞬間も子どもにプレッシャーがかかっています。始業式までの残り日数をカウントダウンするなど、日に日にしんどさが増しているかもしれません。子どもが動き出すタイミングは、まわりの動きに合わせるのではなく、子ども自身の「今」に合わせていくというのが基本であると考えています。

親の気持ちは

 一方、4月は親にとっても、心がしんどくなる時期です。今これを読んでいる方のなかには「着ないかもしれないけど」と思いながら制服を新調された方もいるかもしれません。わが子と同年齢の制服姿の子どもを街中で見かけて心がギュッと押し潰されそうになっている方もいるかもしれません。 

 自分の気持ちが潰れそうになっている親の方に伝えたいことが2つあります。1つは「自分の本音を自分だけで抱えないでほしい」ということ。子どもに無理をさせてはいけないと思いつつも「学校へ行ってくれたらうれしい」という期待を抱え、自身の本音の狭間で葛藤している親はすくなくありません。そうした本音を自分のなかだけで抱え込んで悩んでいては、親だって潰れてしまいかねません。では、どうするか。伝えたいことの2つめが「自分の本音を吐き出せる場・人を見つけること」です。つねづね話していることですが「愚痴でもよいから吐き出すこと」がとても大事です。愚痴を言ったところで、と思われるかもしれませんが、コップのなかに溜まった「つらさの水」は何もしなければあふれます。それが子どもを責めるなどの対応につながれば、子どもは傷つき、それを見た親自身が自分を責めるという悪循環になってしまいます。

 親の方に取材するなかで「話せる人がいて気持ちが軽くなった」「つらいのは私だけじゃないと気づけた」という話を何度も聞いてきました。不登校の子どもの親が集まる「親の会」をはじめ、不登校の親どうしが語り合える場は全国にあります。そこには親の本音を受けとめてくれる人がいます。親の気持ちの落としどころは人それぞれだと思いますが、まずは1人で抱え込まず、気持ちを吐き出すことも大切にしてください。あなたの味方は全国にいますから。(編集局・小熊広宣)

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不登校新聞
1998年に日本で初めて創刊された不登校の専門紙。 創刊前年の夏休み明け前後に発生した中学生の自殺等をきっかけに、「学校に行くか死ぬかしないという状況を変えたい」との思いから創刊しました。 ミッションは「学校で苦しむ子どもが安心して生きていける社会の創造」。