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お前はそもそも誰でもない

ある仏教説話より。

最初に聞いた時は奇妙なお話だと思ったのですが、
「私は誰か?」をすごく考えさせられるな〜と思ったもの。

うろ覚えなので、ざっくりとした内容ですが
自分への覚書も兼ねて、シェアいたします。
あとで出典を探してみます・・・。

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ある旅人が一軒家で一夜を明かすことになりました。
すると、夜中に一匹の鬼が人間の死骸を担いでやってきました。
その後にもう一匹の鬼がやってきて、その死骸は自分の物だと言い争い決着がつきません。

二匹の鬼は旅人に判断を仰ぎます。
「この死骸はどっちのものかお前が決めてくれ」

旅人が、「最初に担いできた鬼のものだ」と言うと、後から来た鬼が怒って旅人の腕をもぎ取ってしまいます。
それを見た先の鬼は、死骸の腕をもぎ取って代わりにつけてくれました。
二匹目の鬼はますます怒り、今度は旅人の足をもぎ取りました。
そうすると最初の鬼はまた死骸の足をもぎ取って旅人に付けました。

そうやってどんどん繰り返しているうちに、死骸と旅人はすっかり入れ替わってしまいました。

死骸になった旅人は困ってお坊さんに相談しました。
「一体私は誰なんでしょうか。一体どうしたらいいんでしょうか」

するとお坊さんはこう答えます。
「お前はそもそも誰でもないじゃないか」

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