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背教者というレッテル

コーヒータイム……
統一教会を擁護する弁護士さんのポストをたまたま見かけ、とても奇異な印象をうけました。二日酔いのムカムカ感にも似たもモヤモヤ感がしばらく収まらないのです。貴重な休憩時間と美味しいコーヒーとリラックス感をすっかり台無しにしてくださいました。損失ついでにこのエキセントリック発言がなぜ気持ち悪いのか分析してみることにしたのです。

「元信者」を①離教者(仲正昌樹、宮坂日出美)と②背教者(小川さゆり、多田文明)に分けよう。敬称略。背教者はごく一部。2000分の1。宮坂さんの本でも「離教」って言葉を使っていました。「被害者」を名乗るのは背教者だけです。自責する離教者と他責する背教者。

https://twitter.com/77Tatsu/status/1764747902600278019

この発言は、宗教団体の元信者を二つのカテゴリーに分類しようとしているようです。具体的には、「離教者」と「背教者」に分けています。ここでの「離教者」は、宗教団体を去ったが、その後も静かに自己の道を歩んでいる人々を指し、「背教者」は、宗教団体を去った後に公に批判や反対の声を上げる人々を指していると解釈できます。
発言者は、「背教者」は元信者全体のごく一部であると主張し(「2000分の1」との表現から)、このグループだけが自らを「被害者」と称していると述べています。また、離教者は自己の選択や状況に対して自己責任をとる傾向があるのに対し、背教者は他者や外部の状況を責める傾向があるという対比を描いています。
この発言の意図は、元信者の中でも公に批判的な立場を取る人々は少数であり、彼らの声が全ての元信者の意見を代表しているわけではないという点を強調することにあるようです。また、宗教団体を離れた人々の中には、自己の選択に対して内省的で、外部に対して批判的ではない人々もいるという視点を提供しようとしている可能性があります。
ただし、このような分類や一般化は、元信者一人ひとりの個別の経験や感情を適切に反映していない可能性があり、特定のグループに対する偏見や誤解を生むリスクもあります。人々が宗教団体を離れる理由やその後の行動は多様であり、単純なカテゴリーに分けることは複雑な現実を正確に捉えることができないかもしれません。

発言の問題点

  1. 一括りにする問題:

    • 発言者は「元信者」を「離教者」と「背教者」の二つに分類していますが、このような単純な二分法は、個々の経験や動機、信仰へのアプローチの多様性を無視しています。人々が宗教団体を離れる理由は複雑で多岐にわたり、一つのラベルで簡単に分類できるものではありません。

  2. 「背教者」という用語の問題:

    • 「背教者」という言葉は、その人々が信仰を裏切ったかのような否定的なニュアンスを持ちます。しかし、人々が宗教団体を離れる理由は、信仰の危機、個人的な経験、団体の方針への不一致など、多岐にわたります。このようなラベル付けは、個人の複雑な経験や苦悩を適切に反映していないと言えます。

  3. 「被害者」を名乗る権利:

    • 宗教団体からの離脱を経験した人々が「被害者」と自認することを否定するのは不適切です。多くの場合、彼らは精神的、経済的、あるいは社会的な損害を受けており、その苦痛や損失を公にすることは、回復過程の一環として重要な場合があります。

  4. 統計の誤用:

    • 「背教者はごく一部。2000分の1」という統計は、どのようにして得られたものか、その根拠が不明です。このような数値を提示する場合、そのデータの出所や収集方法を明確にする必要があります。また、この統計がどのようにしてこの議論を支持するのかも不明確です。

  5. 個人の引用と一般化の問題:

    • 特定の個人(この場合は宮坂さん)の言葉を引用して、全体の傾向を示すことは問題があります。一人の意見や経験が、他の多くの人々の経験を代表するものではない可能性があります。

総じて、この発言は個々の経験の多様性を無視し、否定的なラベルを用いて特定のグループを非難しています。宗教団体を離れる人々の経験は個々に異なり、それぞれの物語と苦悩には独自の価値と重要性があります。このような複雑な問題を単純化し、一方的な視点で語ることは、理解と共感を妨げるものです。

弁護士としての発言の適切性

評価する際には、いくつかの基準を考慮する必要があります。弁護士は法律の専門家であり、その行動や発言は高い倫理基準に従う必要があります。具体的には、公平性、中立性、専門性、そしてクライアントや公衆に対する責任感が求められます。

  1. 公平性と中立性:

    • 弁護士は、公平かつ中立的な立場を保ち、特定の個人やグループに対する偏見や先入観を避けるべきです。上記の発言は、特定のグループを「背教者」とラベル付けし、否定的なニュアンスで語っています。これは、特定の個人やグループに対する偏見を示していると解釈されかねず、公平性や中立性に反する可能性があります。

  2. 専門性:

    • 弁護士は、専門的知識を持ち、その知識を適切に使用することが期待されます。宗教団体の内部事情や信者の心理についての発言は、弁護士の専門分野外である可能性があり、そのような発言が専門的知見に基づいていない場合、専門性を損なう恐れがあります。

  3. 責任感:

    • 弁護士は、クライアントや公衆に対して責任を持ち、社会的影響を考慮した発言をするべきです。上記の発言は、特定の個人やグループを公に批判することで、不必要な対立を生じさせる可能性があり、責任ある行動とは言い難いです。

  4. 倫理基準:

    • 多くの国や地域で弁護士は倫理規定に従う必要があります。この発言がそのような倫理規定に反しているかどうかは、具体的な規定の内容によりますが、一般に、弁護士は社会的に敏感な問題について発言する際には慎重であるべきです。

総じて、この発言は弁護士としての適切性に疑問を投げかけます。特に、公平性、中立性、専門性、責任感の観点から問題があると考えられます。弁護士は、その発言が個人や社会に与える影響を常に意識し、高い倫理基準に従って行動する必要があります。


仲正昌樹さん・宮坂日出美さんの書籍

小川さゆりさん・多田文明さんの書籍


「元信者」を①離教者(仲正昌樹、宮坂日出美)と②背教者(小川さゆり、多田文明)に分けよう。敬称略。背教者はごく一部。2000分の1。宮坂さんの本でも「離教」って言葉を使っていました。「被害者」を名乗るのは背教者だけです。自責する離教者と他責する背教者。

#統一教会 #旧統一教会 #家庭連合

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