天正遣欧使節(1999/1/1)/松田毅一【読書ノート】
1579年のこと、宣教師アレッサンドロ・ヴァリニャーノは遠いイタリアの地を旅立ち、日本の海岸に足を踏み入れました。彼が到着したのは、伝説のフランシスコ・ザビエルが日本を訪れてから既に30年が経過した後のことでした。宣教師たちの福音の種は、この異国の地に既に播かれ、そこここで芽吹き始めていたのです。
しかし、ヴァリニャーノはやがて、日本という国が外からの情報とはかけ離れた独自の文化と固有の信仰を守る壁を持っていることに気づきます。彼はある日、日本のキリシタン大名を訪ねると、そ