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【XYのふたりごとVol.13:withコロナ、女心とランジェリー。 】

 みなさま、いかがお過ごしでしょうか?1週お休みしてしまった「XYのふたりごと」。7月に入ってから、毎年恒例のサマーセールの準備に追われ、始まってすぐに予想以上の反響をいただいたおかげで、てんやわんや。すっかり「ふたりごと」の存在を忘れておりました。(笑)継続は力なり。そうです、わかってるんですけど、2週間に1度の更新とはいえ、コツコツ仕事が苦手な私の脳味噌からは、すっかり抜け落ちてしまいました。何か足りない気がする・・・と思って過ごした更新日前後の1週間、足りなかったのは「ふたりごと」の存在だったのだと今さら気づく。(笑)

 というわけで、2人でのブレストは常々行っているのですが、録音しているデータがないため、直近で交わしたチャットブレストや、ミーティング時のあんなことやこんなことを思い出しながらハイライト形式で「XYのふたりごと」をお届けしたいと思います。


◆ 目指すは 『自己実現を満たすランジェリー』

【7月2日 <Slack:価値観シェアチャンネル>でのやり取り】

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せいな自己実現を満たすランジェリー、ってキーワード過去も出てたことに気づく。自己実現欲を満たす。って結局どういうことだろうか。
どんな下着ならそれが満たされるのだろうか。自分らしくいたい。ってどうすれば達成できるのか。フワッと言えちゃうことではあるから、現実にどんな下着(ディティール、素材感、価格、など)なのか追求が大事そう。
(「過去も出てたキーワード」とは、2019年6月に「マーケットが自己実現的消費に移行しつつある」という議題でチャットしていた時の発言)
めぐみ:思ったけど、マーケティングにもマズローの法則が使えるみたいなのでそのまま当て込んでみて考えてもいいのかも。
◆ 生理的欲求
精欲を満たすことをサポートする、きっかけになるようなランジェリー?または「締め付けない」などの物理的なヘルシー要素?
◆ 安全の欲求
安定感のある着用感?(上質さ)
アルバージェの下着なら安心というイメージ。心配要素を除く?
◆ 社会的欲求
アルバージェの顔が見える接客、運営
中の人とのタッチポイントが多いブランド?
人と人とのつながりを感じる
◆ 承認欲求
インスタにあげたくなる、それを身につけることでお洒落になれる
自分のフィードに仲間入りさせたくなる商品、ブランドテーマ
◆ 自己実現欲求
上記のすべてを満たすことで、なりたい自分になる
アルバージェを身につけるとなりたい自分になれる=自信がつく、または自己承認できる?
もしくは達成感の先にあるブランド?ご褒美ブランド?
◆ 自己超越欲求
サステナブル、社会貢献などへの配慮
ウーマンズエンパワメントやフェムテックの領域?
こんな感じからアルバージェの唯一無二のポイントを一つずつ生み出せたら良い。
自己実現やマズローの法則については前回の記事を参照
せいな:いいかも、すっごいユニークなデザイン作業!手を動かして、アンサーデザインを考えてみると見えてきそうなので、とりあえずやってみる。─── 地味に4年目を迎える今年。アパレル長い人が、ブランドの4年超えられるかってのは一つの指標らしく(いろんな面で、けりつけて撤退する壁が4年に多いらしい)このタイミングでブランドがどうあるべきか、見えてきたのはいいこと
めぐみ:そうかそうか。確か5年で30%、10年で90%だっけ?事業の撤退や閉店率ってこれにあたると言われてますよね。飲食の話だっけ?
せいな:5年で30%、10年で90%は会社の存続の数値だけど、ブランドも近いと思う。ブランド閉じて会社閉じるって流れなら、4年目にブランドとじて、模索するけど結局5年目に会社を閉じる。的なことかも。
なので、4年目突入する秋からの1年、どう過ごすかかなりその後の方向性を決めると思うのです。
めぐみ:そうですね。アメトーークの"今年が大事芸人"にラインナップされたような気持ちで頑張りますw
せいな:(笑)”今年が大事ブランド”として頑張ろう。
 いつもの他愛無いチャットの一コマ。2020年はMAISON XY(オンラインサイト)のリニューアルも予定しているため、今よりもさらにブランドの価値や哲学をブラッシュアップしたいと考えている私たち。常日頃からお客様の声や反応をシェアしながら、あーでもないこーでもないと意見を通わせます。そんな風にして2015年から今に至るまで、様々なトライアンドエラーを繰り返してきました。いつだって、その時々のお客様のムードに合わせた商品を生み出してきたつもりですが、多様な価値観が交差する今の時代においては”女心”も多種多様。何がどうやってお客様の心に響くのかはやってみないとわからない。常に、これで良いのだろうか?と自問しながら、これだ!と決断していく作業の繰り返し。それは会社を、ブランドを成長させていく上では付き物なので、慣れなきゃいけないのだけど、いつまで経っても少しばかりの不安が入り混じる。まして、withコロナの時代で、世界中の常識や価値観がガラリと変わってきた。そんな最中でも、アルバージェを手にとってくれる方々の”女心”(時には男心も)を読み解きながら、どんな価値を提供できるか、どんな気持ちになってもらいたいか、を以前にも増し、深く考えている2020年。これからのランジェリーブランドがどうあるべきか、大きな目線で分析していくことを再確認したチャットのやり取りでした。

◆ 「一緒に戦う、大切な自分の一部」

 7月17日から毎年恒例のサマーセールを開催していたアルバージェ。始める前から心配していたのは、お買い物をするモチベーションの人がどのくらいいるのだろうか、ということ。コロナパンデミックが始まってから数ヶ月。周りでは、「勤め先が潰れそうだ」「休業要請によって報酬が一部カットされた」「ボーナスが出ない」なんて話も聞くようになった。一時凌ぎの給付金ですら、地方によってはまだ給付されていないとも聞く。こんな時にうちの商品を買ってね!ってキャンペーンを打つのはなんとなく気が引ける。でも、夏にぴったりのアイテムをお値下げできる数少ない機会だし、お客様に還元したい気持ちもある。様々考えつつも、結局はセールを実行することに。セールを開催するなら、とせいなさんのアイデアでお客様へ特別なメッセージを送れないかということで、私(めぐみ)がメッセージを考え、商品と一緒に同封してお送りすることになりました。

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 これに加え、今回は今までにない大幅値下げを実行。ほとんど赤字なんだけど、それでもこんな状況下でも心がときめく瞬間をお届けできるかもしれない、と思い切ったお値下げ商品を展開しました。

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赤字にヒヨってSNSのみの告知とさせていただいてたのですが、セール開始前から新規の会員登録や、パスワードの再発行(一定期間お買い物していなかったお客様にはセキュリティの都合上、パスワードを再発行いただいています)などのアクセスが相次いで、いつもと違う空気感を感じました。いよいよセールスタートの時。恒例のGoogle Analyticsでの来客チェック。いつもの3倍以上のお客様のアクセスがあり、驚いたのも束の間、あっという間に注文が入り(一番早い方で19:03に決済完了している方が!)、開催前の心配事はいずこ。お客様からの問い合わせ対応や、在庫状況の確認などでてんやわんやしていると、今度はまたいつもと違う反応が・・・。それは、お客様からの温かいメッセージの数々。どれも私たちにとって励みになる言葉たちでしたが、中でも印象に残っているのは、医療従事者の方からのこんなメッセージでした。

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『大学病院勤務ですが忙しくて、自分を振り返る時間も余裕もありません。その中でランジェリーが、ここから解放してくれる手段のように思っています。このしんどさを忘れさせてくれて、一緒に戦う大切な自分の一部です。─── 大切に大切に着ます。この時世の中、SALEとても嬉しかったです。』(一部抜粋)
セール開催前の心配事はなんだったのか。何よりも、忙しい最中、アルバージェを選んでくれて、買ってくれて、それを身に付けることで、日々のしんどさを開放してくれていた人がなんて。ブランドを設立した当初の私たちの願い、「ランジェリーで女性を解放する」というコンセプトをそのまま体現してくださっているようでした。
そのほかにも「自由な選択を導いてくれる、魔法のお守りにしている──、一番心と体に響き、寄り添うわたしのパートナー、わたしの人生のストーリーを紡ぐ大切なランジェリー」とおっしゃってくださる方や、「自分を奮い立たせるために着る」というメッセージもいくつかいただき、アルバージェは今日を頑張る誰かの”戦友”として、みなさんの側でしっかり役目を果たしてくれているのだと知ることができました。こんな時だからこそ「ランジェリー」が提供できる価値があると再認識。
 私たちの企業理念は自らをアップデートしながら、個人がアップデートし人々が影響し合い、最終的に社会がアップデートされ、XYがそのきっかけとなるサービスや商品を提供していくこと。今回のセールで様々なメッセージをいただいた結果、自分たち自身がまさにこのコンセプトのようにアップデートされたようなそんな感覚でした。

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 下着は消耗品。お洒落な下着は”勝負下着”。寄せて上げて、胸を大きく。下着に対する様々な「あたりまえ」が静かに崩れ去り、いつの間にか、下着がファッションの一部としてみなさんのクローゼットに迎え入れられ、勝負下着の概念は形を変えて、自分のためのお洒落下着へ。寄せて上げるよりも、リラックスしたシルエットが美しいと思われるようになってきた。まだまだ、こう言ったカルチャーは”あたらしい”とされているけど、きっといつかこれが”あたりまえ”になる。そんな暖かくて心地よ〜い風を背中に感じる事ができた思い出深いセールとなりました。


◆ 今日を頑張るあなたの「戦友ランジェリー」

 アルバージェは、今日を頑張る誰かの心と体を解放したり、背中をポンと押したり、一緒に生きる「戦友ランジェリー」としてこれから先もたくさんの方の女心(時に男心)を支えていけたらと思っています。
 そんなことを考えつつ、アトリエのミーティング用のテーブルでこのブログを書いている私(めぐみ)、かたわらでお客様への荷物を梱包しながら、「そう言えば、昨日こんな人にあったんだけど・・・」と世間話をするせいなさん。そんな世間話をきっかけに、気づけばいつの間にか、次期コレクションはこんな仕掛けでお客様へ商品をお届けしてみよう、というブレストに変わっている。(笑)お互い、目の前のこなすべきタスクに取り組みながら、脳味噌の別の領域では他のことを考えている。役員2名の小さな会社ゆえ、マルチタスクはあたりまえなのだけど、この感覚が、業界内の枠にとどまらず、伝えていきたい価値観や哲学を自由な表現でお届けしていける一つの要素として活きているのだなーとぼんやり思う。そうして生まれたプロダクトやサービスが、誰かの人生に寄り添い、勇気付けるようなものになったら、なんてハッピーなんだろう。
 今年は、会社創立5周年。成長期に入ったと感じることも多く、大事な一歩となる年であることは間違いなし。変わらずにずっと応援してくれているお客様、そしてまだ見ぬ未来のお客様にとっていつだって”味方”でいられる「戦友ランジェリー」として。自分たちの目指すべきポジションが明確に見えた気がした、7月なのでした。

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(おわり)

最後までお付き合いいただきありがとうございました!
<次回は8月12日(水)更新予定>

【XYのふたりごとVol.14:<テーマ未定>】
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