019話:靴ごと、革として鞣す実験
革を作ってみたら、こんどはこんなアイデアがふつふつと。2012年当時のお話です。
靴を革にしてみたらどうなるのか?
つまり靴のまま、再鞣し処理を施して、より強靭にしてみるということです。前提を説明すると、靴は平面の革を切ったあと、縫製したあと、底付け工程で成型していきます。こちらにFoster&Sonのちょうど良い説明がありましたので、載せておきますね。
このなかでの「釣り込み」。革を引っ張って木型に貼り合わせます。さらにハンマーで叩いて少しずつ成型していく。
その過程で当然ながら、革の繊維質は当然のことながら、引っ張られたりほぐれたりして、平面の状態とは異なってくる。
そんな靴にした状態で、再度なめし処理をしたら、どのような変化を見せるのかという実験です。
実験前:
犠牲になってしまったのはこの靴。
希少な無染色のコードバンを使った1足。少しウェスタンブーツの製法を取り入れてみました。
実験中
樹木と渋柿から抽出されたタンニンを調整して、鞣し液を製造し、そこに、釣り込んだ靴を漬けて寝かします。このまま3週間漬けました。
さてどうなることやら。次回書きます。
気軽にカジュアルに履く方も作る方も革靴を楽しんでいただきたいので、有益な靴や革の情報を基本的には無償で公開していきたいと思います。 皆様のスキやサポートのおかげもあり、何とか続けてこれました。今後とも応援していただければ嬉しいです!何卒よろしくお願い致します!