031話:靴設計者がカバンを作った
革を知ることで、設計ができます。って話。
実は、靴の木型を設計する前は趣味的にレザークラフトをしていました。
その時に作ったカバンがこちら。
うん、すごい酷い出来です。(ステッチが白で余計に目立ちますが)
せっかくの英国クレイトン社製ブライドルレザーとイタリア・フィレンツェ職人製の真鍮削りだし金具が台無しですね。
実際に革製品を作ることで学べること:
でも、実際にカバンのパターン(図面)を設計して、革をカット、革に穴を開けて糸を通すことで学べることは確かにあります。
糸は、どこまで締めればいいのか。実使用する上で、糸を締める強さの調整がきかない、ミシンで縫える場所はどんなところか?
逆に手縫いでなければいけないところは?
少しだけ具体的に:
極論すれば、靴として整型できるのであれば、靴に手縫いは必要ありません。あとは好みの問題。(ただし、靴設計がその人の足に沿う前提)
とはいえ、なかなか難しく。私の設計でも、靴に無理な力がかかる場所があります。特に羽根の付け根部分であったり、アウトソールを絞ったときn土踏まずのつま先に近い部分。
そういうところは、手縫いで太い糸を使い、適切なテンションで糸を締めるのが理想的。
ここで大切なのは、手縫いだから素晴らしいということではなく、モノに向き合い、何のために手縫いを行うのか?ということに、自分なりの回答を用意することです。
今回は少し、横道にそれたお話しでしたね。
気軽にカジュアルに履く方も作る方も革靴を楽しんでいただきたいので、有益な靴や革の情報を基本的には無償で公開していきたいと思います。 皆様のスキやサポートのおかげもあり、何とか続けてこれました。今後とも応援していただければ嬉しいです!何卒よろしくお願い致します!