『旧市町村日誌』 54 どんどん変わっていく 文・写真 仁科勝介(かつお)
9月26日(木)
今朝、用事のあったまちから加賀市へ戻ってきました。
まだ加賀市までの旅の記事を更新できていませんが、岐阜県から福井県を巡り、石川県の加賀市まで来て、あやおとすえぴーというご夫婦の家に滞在させてもらっています。あやおは能登島に住んでいた時期があり、海ゴミアーティストとしての活動もしています。すえぴーは「コンピュータクラブハウス加賀」の館長で、子どもたちに加賀市でITを中心とした学びの場を運営しています。その活動は全国的にもどんどん広がりを見せているし、すえぴー自身、珠洲市との関わりも深く。なので、二人とも能登半島にご縁があります。
用事で加賀市を離れた日に、水害が発生しました。旅で能登半島を訪れるか迷っていましたが、今は伺うべきではないのかもしれない、という考えの割合が大きくなり。ただ、それで良いのか、という考えも消えず。
何を一番優先すべきなのかを考えて、自分のための選択にならないように、と思いました。外からは分からなくても、自分にとってその選択が、自分の都合優先になっていないかと。そして、旅としてではなく、ボランティアで伺うべきだという考えに至り。
それで、最もオフィシャルな方法で登録できないかと、ホームページからボランティアの登録をしました。ボランティア活動保険への加入が必須で、滞在先の社会福祉協議会の窓口へ行き、入金のために郵便局へ行き、徒歩移動だったので手続きに半日かかりました。
そして、今朝、加賀市に戻ってきて、あやおにその話をすると、その方法でもいいけれど、「かつおはかつおの方法でやった方がいい」と言われました。
すなわち、旅として能登半島を進みながら、写真を残した方がいいと。あやおも震災後に能登島を何度か訪れていますが、あやお曰く、変な目で見られることはないからと。むしろ今行かなくてどうする、という話で。
また、加賀市をそのまま出発させてもらう予定だったけれど、すえぴーが仕事とボランティアで珠洲市を訪れていて、今晩帰ってくるとのことだったので、もう一泊させてもらい、すえぴーの話を聞くことに。
21時過ぎにすえぴーが帰ってきて、能登への行程表も見てもらいました。すえぴー曰く、この行程でもいいけれど、今、人手を必要としている場所に直接行く方がいいという話に。珠洲市ならつなげられるかもしれないと。そして、すえぴーが早速連絡を取ってくれているというのが、今の状況です。
自分のための選択にならないように。もちろん、自分のために旅をしているといえるけれど、今このタイミングでここにいることを思うと、自分のための選択ではいけないと思う。
仁科勝介(かつお)
1996年生まれ、岡山県倉敷市出身。広島大学経済学部卒。
2018年3月に市町村一周の旅を始め、
2020年1月に全1741の市町村巡りを達成。
2023年4月から旧市町村一周の旅に出る。
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