双子の妊娠がわかったら

妊娠がわかった時、妊娠を継続できない可能性を考え、親や必要な仕事関係者に報告できたのは妊娠3ヶ月を過ぎてからでした。友人ら周囲の人に知らせることができたのは、妊娠5ヶ月後。いわゆる安定期を迎えてからのことです。安定期に入ったことで心の切り替えもでき、ようやく子どもを迎える準備をはじめました。よくあるスケジュールの王道だと思っていましたが、双子妊娠の場合は、それでは遅かったのです。

多胎妊娠は、腹囲がふくらみ妊婦らしい体型になってきた。と思うとあっという間に一般の臨月サイズを迎えます。私は妊娠6ヶ月で腹囲90cmとなり、妊娠8ヶ月の頃には100cmを超えました。おなかが出やすい人や低身長の人、赤ちゃんのサイズなど、さまざまな条件で違いはありますが、これが盲点でした。

私が自ら足を運んで準備できる期間は、1ヶ月足らずしかありませんでした。

おなかに遮られて足元が見えなくなると、不必要に外へ出ることを避けます。しかし、例えば保育園の見学やファミサポ登録、自治体への相談などはネットでは難しい。出産間近や出産後は自身の体調を整えたり、赤ちゃんのお世話に精一杯で余裕がありません。情報収集もネットだけでは補えない部分があります。

多胎妊娠はリスクが高く、安定期とよばれる時期はありません。絶対安静の10ヶ月を過ごす妊婦さんもめずらしくない。だからこそ、双子の妊娠が判明したら、その直後から恐れることなく、出産後の暮らしのための準備を進めてください。ネット注文は産院でもできます。必要なのは、赤ちゃんグッズを吟味することではありません。夫は、とにかく早く自分事としてインストールし、動けなくなる妻に代わって、家族の孤立や虐待を防ぐための予防線を幾通りも張ることが大切です。

夫婦だけの双子育児は不健全です。祖父母同居でも家族の年齢は前時代よりも高齢になっています。そんな時代ですから、双子家庭は「公助」を頼ってください。「公助」は求める声が増えるほど手厚くなり、多くの命をつないでくれます。0〜2歳の時期の保育園は、生活の力強い味方です。
新しい暮らしを十分にシミュレーションして環境を整えてください。そして、自治体の支援のための登録をすべて済ませてから、赤ちゃんを迎えてあげてください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?