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映画素人が、8か月で100本の映画を観た話

こんにちは。雨の木です。

タイトルの通り、わたしは映画という芸術にほとんど触れることなく(作品として観たのは、金ローのジブリや子ども向けアニメ映画、)大きくなった。映画館に行くという娯楽を知らなかったのだ。映画を観るのにいくらかかるとか、何曜日が安いとか、ポップコーンのサイズが結構大きいとか、そんなことすら知らなかった。

そんなわたしが映画を楽しめるようになったのは、現在のパートナーと過ごすようになってからのこと。映画の学校を出た彼は、わたしの知らないことをたくさん教えてくれた。わたしが写真好きだということもあって、写真と映像という似て非なるものについても語らった。

確か初めて彼と一緒に観た映画は濱口竜介監督の『不気味なものの肌に触れる』(2013)だった気がする。今考えるとこれから映画に触れようという人になんというセレクトかと思うが、ちょうどその頃シネマテーク・フランセーズのオンライン配信プラットフォーム「HENRI」で無料配信していたので、彼の方から観ようと誘ってくれた。スクリーンやプロジェクターのないわたしの部屋。テザリング接続し、比較的画面の大きいわたしのパソコンで鑑賞。なんか怖くて面白かった・・・という小学生並みの感想は、彼には「なんかもっとあるやろ」だったと察するが、映画体験をすることなく育ったわたしは、この映画の面白さを自らの語彙で表現することができなかった。

濱口竜介監督の『偶然と想像』が劇場公開されたのもその頃で、2人で観た。彼は確か2回目だった。

「面白かったあ!」

まさに映画との正面衝突。最高。今までこんなに面白い娯楽を知らなかったとはなんということ。観終わった後に「何話目が好きだった?」だとか「あのショットが〜」とか、そんな話をしながらファミレスで晩御飯を食べる。車中でも散々感想は話したろう…というほど話す。これがとても面白い。彼の感想を聞いているとだんだんと自分の言葉で映画の面白かった要素を話せるようになってきた。

『偶然と想像』はエリック・ロメール監督の『パリのランデブー』から影響を受けて作られた作品。ということでその後そちらも動画配信サービスにて鑑賞し、しっかり感動。という具合に、関連作品やパートナーのすすめで観ていくうちに、あっという間に鑑賞数が100本を超えた。

シネフィルと呼ばれる人たちと比べるとなんてことはないのだが、20代後半になってこれほどまでに熱中できるものがあるとは。自分で驚いた。つい最近まで映画のことを全く知らなかったわたしも、そろそろ映画が好きだと明言して良いだろうか。わたしは映画が好きだ。

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