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2021.10.23 第9節 バイエルン vs ホッフェンハイム


リスボンから帰ってきて中数日からのリーグ戦。
土曜の22:30とか嬉しすぎる。ファン的にはありがたいが、過密日程の選手たちはしんどいだろうな…

そして相手は曲者ホッフェンハイム。
昨シーズンでは過密日程の中で疲れが目に見えているところをボコボコにされた苦い思い出が蘇る。
最近は「またヒンターエッガーかよ」「またシックかよ」みたいなことが多かったので今回も「またクラマリッチかよ」とコメントしそうな気がしたが、気のせいだったぜ! 4-0の快勝でした。

昨シーズンの反省もあってか、今シーズンのバイエルンは質の良いローテーションをできるように陣容が整っている状態。
もともとの地力があることは誰もが認めるところなので、チームマネジメント面での工夫が結果として活かされてほしいところであったのだ。 
あれ? ひょっとして私たちのSD、有能…?

さておき、スタメンは以下の通り。

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なかなかに新鮮なラインナップ。
体調が万全とは言えないゴレツカと、大事を取ったデイビスとコマン、サネは休ませる意味だろうな。そんな感じの布陣。
特筆すべきは初スタメンのオマリチャ。相手にもレンタル武者修行中のクリス・リチャーズが居るのでリチャーズ頂上決戦である。
なお、ホッフェンハイムは途中交代でシュティラー、ルディも出てきて、何だか感傷的になってしまった。あとで同窓会しなよ。

攻撃時は可変で、ベンフィカ戦でも見られたような3-4-3に近い陣容となる。それが以下の通り。

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特記すべきは、今まで涙目で右WBをやらされていたパヴァールがやっと適正ポジションに近い位置に入れたことと、オマリチャが高い位置で完全に左WBとして起用されていたことか。

試合展開としては、
・ホッフェンハイムが高い位置で機能的なプレスを仕掛けてきてくる
 → 展開しにくいのでキミッヒが降りつつサイドに逃げたりで機を伺う 
…という感じだったのでなかなか緊迫する展開になるのかと思ったが、相手の最終ラインは裏抜けを恐れてかあまり高い位置には設定していなかった。
よって、
・最終ラインが警戒態勢で前に出ない
 → でも前線は積極的にプレスに出てくる
 → 中央が空く
 → ムシアラ、ミュラーが喜ぶ
…というような感じでスムーズにチャンスメークできていた。

本来ドン引きした守備陣はサイドに揺さぶって突破口を見出すのがセオリーだが、先制点はサイドからのチャンスメークからティキ・タカに派生しニャブリが仕上げた素晴らしいものだった。いや、こんなんフィニッシュに持ち込ませないの無理だろ。
一方で追加点はロングカウンターからミュラーとレヴィの二人だけで決めてしまったという個の暴力も見られ、個としてもチームとしてもかなりの高みに来ていることを思わせた。

後半はホッフェンハイムがリスクを承知で最終ラインも高く設定し、よりプレスの強度を高めたことで展開はソリッドになっていく。
バイエルンは2点リードしているので無理にシステムを弄らず経過を観察。攻め込まれるシーンが増えたが、しっかりチャンスをモノにして2点を追加。

終わってみれば4-0の快勝である。
後半は危ないシーンもあったので修正できたところもあった気がするが、結果が全てなので満足な観戦でした。

以下、個人レビュー

・レヴィ:2点目は完全にミュランドフスキの2人だけで決めており、なかなかスーパーなゴールだった。
エースの面目躍如といいたいところだが、何故か決定機を2発外してしまい、1発はバウマンに止められてしまった。
義務得点は果たす一方でもっとドバドバと得点を垂れ流してほしいと皆が思ったことだと思うが、普通に疲労で精度が落ちていただけなんじゃないかな…。
ずっと出ずっぱりでしょ? キミッヒだって多少のパスミスはするで。休めるときに休んでくれ。

・ニャブリ:非常に美しい崩しから先制点をマーク。
ジェームス・ハーデンの納豆混ぜ混ぜパフォーマンスも見れたし、完全にコンディションはピークの状態だ。
プレスバックも早いし、トラップ後のボールを置く位置などの芸の細かさも、諸々が冴え渡っていた。
なお、髪型は前回と同じコーンロウで、多分フィットする髪型が見つかったことで今の好調がある。

・ミュラー:先述した通り中央のスペースが空く展開になっていたため、特に前半は伸び伸びとプレーしていた。そしてミュラーとムシアラが縦横無尽に動くせいで、最初は選手配置が全く分からなかった。
後半は相手がプレス強度を高めてスペースが狭くなったことと、運動量が落ちたこと、怪我のリスク回避などを鑑みてか交代に。
クリス・リチャーズとバチバチにやり合っているところは本日のハイライトの一つ。レンタルバック後に気まずくなるタイプではないので、存分にやってくれ。

・ムシアラ:逆に全くバチバチにならなそうな男。眼鏡に指紋を付けても怒らなそうな風体だから仕方がない。
そんなバンビは、先発起用に応えて今日もヌルヌルと突破を図ったり、奇抜なアイデアで相手守備陣を出し抜くパスを見せたりと、やっぱり見せ場が多かった。
突破に失敗しかかっても足を延ばしてキープする技術が凄く高いので、結果的に攻めを停滞させなかったり、取られてもネガトラまでの時間を稼いでくれるので、チャレンジの多くがローリスク・ハイリターンになっている印象。
ということで、いいぞもっとやれ。

・ザビツァー:ゴレツカ不在の穴を埋めて小気味よいパスを出したりミドルレンチからのシュートにチャレンジしてくれていた。前半は中央のスペースを活用できる機会が多く、かなりやりやすかったんじゃないかな。
ゴレツカにないものも色々と持っている選手なので、あとは単純にキミッヒとの意思疎通が向上すれば更に質の良いターンオーバーが可能になる。
でも仮にキミッヒが出場しないときにゴレツカ+ザビツァーの2センターハーフを起用するのは、正直イメージが湧かない…

・キミッヒ:替えが利かなすぎて、過密日程でも全て出場することが運命づけられたブラック企業戦士。
「コロナ禍の支援団体やっているが、副反応で試合に出れないと困るので、いつまでたっても肝心の自分がワクチンを打てない」(想像)というレベルでブラックだ。
今回の試合も素晴らしかったが、いい加減に休ませてあげたいし、ワクチンは打ってほしいし、トリッソは出て行くなら移籍金を置いて行ってほしい。

・パヴァール:適正ポジションのCB寄りの配置だったせいか、今までのスランプを払拭するような伸び伸びとしたプレーを見せてくれた。
そうだよな、そんなに好きでもないWBやらされてメディアに「ポジション争いに暗雲!? 迫りくるブナ・サールの影」とか書かれちゃやってらんないよな。
本来の実力はしっかり持ち合わせている選手なので、できればこのまま健やかにCB寄りの配置で起用してあげてほしい。右SBにはスタニシッチもいるんだしさ。

・リュカ:相変わらずパスはアレだが、対人性能は実に頼りになる御方。
前半はほとんどピンチになる展開にならなかったが、リュカとウパメカノがしっかり中央を閉じてくれていたことも一因。
前半の終わり際に接触による頭打があったため、大事を取って後半からは交代。(特に問題は無かった様子)
頭の痛い事態とは言ったものだが、裁判はどうなったんだ???

・ウパメカノ:個人的MOMは彼。
少し集中を切らして相手のチャンスになりかけたシーンもあったが、基本的には強固な対人守備でしっかり締めてくれた。
それだけでなく、良いタイミングで自身で持ち運んだり、えぐいロングフィードを放ったりと、攻守両面において多大な貢献。なんと2アシストである。
アラバ・ボアの幻影を振り払うがごとく、二人をフュージョンさせたようなプレーでファンを魅せてくれた。いいぞもっとやれ。

・オマリチャ:素早く無理のない判断ができる点は以前から評価項目だったが、今回はそれに加えて直接的な攻守に関わるプレーの鋭さがしっかり見られた。
普通に上手いし、ポジショニングも良い。インナーラップの選択肢がより増やせるとなお良し。
デイビスの控えが彼というのは頼りになりすぎて感覚がバグる。今回の試合で最も株を上げた選手ではなかろうか。
…あれ? もしかして私たちのSDって有能…?

・ノイアー:「いっぱい飛び出していて面白かった(小並感)」という印象。
枠内に危険なシュートが飛んでくることがあまりなかったが、完璧なタイミングでの飛び出しでピンチの芽をしっかり摘んでくれていた。これこそバイエルンの守護神である。
超人的な反応でスーパーセーブを見せてくれるのも良いが、飛び出しの判断が良いというのはそもそも相手にチャンスを作らせないことなので、こういった数字に表れない凄さがノイアーにはある。
バイエルンのキーパーはかくあるべきなので、フリュヒトルは学んでほしいし、ニューベルもホフマンもレンタル先で頑張ってほしいし、ウルライヒはリハビリ頑張ってほしいし、キュイザンスは売ってほしい。

・ズーレ:頭部打撲のリュカに代わり出場。
随所でフリーダムなプレーが見られ、特にセットプレーからの被カウンター時に、すぐにボールを奪い返したあと、まだ前線にズーレがいたのでそこから攻めようという展開になったときは流石に笑った。
ノロノロ帰るな、進撃しようとするな、しかも失敗するな、どこから突っ込んで良いのか分からないが、とにかく面白かったので良し。
筆者はズーレなら何をやっても肯定的に捉えられるくらいにはズーレを推すのだ。
ボールが股間に当たったときにはガチで痛そうにしていてTwitterのTLは「ズーレのズーレが…」の声で埋まった。

・チュポ:ミュラーに代わり途中出場。
主に名前だったりPSG時代のストラスブール戦のことだったり、長谷部にパンツを下ろされたりで完全にネタキャラとして定着していたのも今は昔。
出場時間当たりのゴール数ではブンデストップの数値を叩き出す秘密兵器となっているのが我らがチュポである。
今回も1ゴールを積み、理想的なバックアッパーとしての評価はうなぎ登りである。
どうでも良いが、個人的にチュポとムシアラが同時に出ていると、何故かパパと息子のように見えてしまい非常にほっこりとする。

・コマン:ムシアラに代わり出場。
リスボンではスタメンだったが今回はムシアラに譲り、ジョーカー的な役割で局面を打開。
ムシアラとは全く異なったリズムで守備陣をかき乱しており、これもバイエルンのアタッカー陣の強みだなぁと感じた。
最初に訪れたチャンスは宇宙を開発してしまったが、試合終盤の2回目のチャンスではしっかり冷静にゴールをゲットしてくれた。
契約延長してほしいが、求めている給料次第なところがあるのでなるべく穏便に済ませてほしいし、キュイザンスは売ってほしい。

・サネ:ニャブリに代わり出場。
残り15分での出場なのでそれほど見せ場があったわけではないが、相手からしてみれば残り15分でサネが出てくるのは地獄でしかないよな。
こちらもニャブリとは全く異なるリズムで攻撃を仕掛けられるので対応に苦慮すること請け合いである。現に、投入から間もなく後半初ゴールが生まれ、その後に追加点が生じた。
あと、サネにしてもチュポにしてもそうだが、ボールキープ能力が非常に高いので、試合をクローズさせる展開になっても問題ないときに投入できるのは非常にありがたい。

・トリッソ:ザビツァーに代わり出場。
オフサイドで取り消しにはなったが幻のゴールもあったが、そもそも残り15分での出場なので正直あまり見せ場はなかった。
正直、新体制でのトリッソがどのような選手になっているのかはよくわからなかったが、とりあえず現地ファンには割と愛されているような気がする。
筆者も何だかんだで好きで、トリッソファンクラブを自称する黒歴史があったりする。でも、移籍するなら金を落としてほしいのが現実的な要望である。
個人的に、トリッソの戦列復帰はザビツァーの対抗意識を高めてくれている気がするので、それはそれで良いことだと勝手に思っていたりする。

・トップメラー代行:前回と同様のシステムで挑んだが、大きな問題なく終了したので良し。
後半でホッフェンハイムがライン上げてプレス強度を高めた際に、個人的にはより裏抜けを狙う目的で早めのコマン投入もアリだった気もしたが、結果的に完勝なので脱帽です。

・ナーゲルスマン:SNSを見る限りでは、とりあえず体調的には問題なさそう。
リモートで指揮していたのかな? しっかり治してくれ。

・ゴレツカ:コロナだったのかは分からんが、とりあえずキミッヒが過労で倒れる前に戦列復帰してほしい所である。

・サール:「迫るパヴァールの影」とメディアに報じられるより前に、普通にスタニシッチに序列を越されてしまった。今回はベンチ入りするも出番はなかった。

・デイビス:怪我が心配だったが、ゲームでメッシのカードを引いて興奮していたので少なくとも悲観的に考えなくて良さそうだ。
オマリチャが良かったから安心して休め。

・ロカ:今どんな感じなんだろう。

・キュイザンス:今どんな感じなんだろう。


総括:過密日程でも観賞できた結果がとにかく良い。人の入っているアリアンツの雰囲気が良い。守備の向上が良い。スカッドの量的問題が解決傾向なのが良い。
そんな感じでファンとしては非常に良い印象だったが、選手(特にレヴィとキミッヒ)は疲労面は大丈夫なんだよな? 
次はポカールでよりによってメングラやで? 
大丈夫だよな? 信じているぞ?
キミッヒいつワクチン打てるの?

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