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2022.11.13 第15節 シャルケ vs バイエルン(A)

W杯も間近に迫り、ブンデスリーガ前半戦(とは言っても折り返し地点にはまだ来ていない今回15節)もいよいよ終幕に。
相手は昇格したがまだ下位で苦しんでいる古豪シャルケ。日本代表として吉田麻也も出ており、吉田サイドからすると擬似ドイツ代表相手という感じか。

離脱者が多いため今回はかなり変則的な布陣。

最初、スタメンを見て「3バックか?」と思われたが、蓋を開ければキミッヒを久しぶりの右サイドバックとして起用の4-1-4-1のフォーメーション。ゴレツカの1アンカーで、二列目に4枚並べるといったもの。
このメンバーなら3バックを試すのもアリだと思ったけど、守備戦術が浸透しきっていない中で、急に別のことをさせるのはどうかと判断したのかな?

そして案の定だが2列目が渋滞しており、攻撃陣がかなり窮屈そうだった。
キミッヒが右に固定されていて、真ん中にゴレツカしかいないからボールの循環が悪く、とにかくチャンスメイクができず、個人のアイデア頼みになってしまっていた。
その中でゴールを決めたニャブリと、うまくタイミングをずらしたアシストを決めたムシアラは流石だったが。

後半になると「やっぱりこれは駄目だったな!」とばかりにムシアラを3列目に落としてお馴染みの4-2-3-1に。
ムシアラは組み立てもできるがオンザボールでの突破が持ち味なので、普段ゴレツカが担っている役割に当たり、ゴレツカが中盤でバランスを取る形。
フォーメーション変化が影響したかは微妙だが、そんな中でカウンターからムシアラ ⇒ チュポで2点目。
その後、サネが下がりデリフトが入ったことで、キミッヒもようやく中盤に戻った。
オフサイドになったが途中でムシアラのゴールもあり、とにかくこの試合ではムシアラが躍動。どんどん怖い選手になってきている。

結果は0-2でアウェーのバイエルンが勝利。欲を言えばチュポ以外の元シャルケ組(サネ・ゴレツカ・ノイアー)もスコアを得てほしかったが贅沢を言っても仕方ない。ノイアーは現役中に一度はゴールを決めてほしい。
今回の試合は調整および実験的要因も多かった。監督は「もう実験はしない」とは言ったものの、台所事情とW杯前の最後の試合ということを鑑みると、これは仕様がないところと思う。

以下個人レビュー

・チュポ シャルケの守備の頑張りもあってそもそも最終局面に持っていくこともできなかった流れで、しかも2列目が大混雑。これだとなかなかゲームに絡めず、しびれを切らして降りて組み立てに参加するシーンも多かったが、後半で布陣がスリム化すると躍動。しっかし恩返しゴールを決めてくれた。本当に、いちいちプレーが上手い。

・ムシアラ 文句無しのMOMでしょう。組み立ても運びも突破も守備もポジショニングもシュートも全て良かった。ブンデス戦士も多い日本代表は、彼とW杯でどう対峙するか。

・ニャブリ 徐々に調子を上げていき、ほぼ完全にトップフォームに戻っているのではなかろうか。やっぱりニャブリはアフロヘアーだ。アフロしか勝たん。

・サネ 弟にも良いところを見せちゃうぞ! とばかりにエネルギッシュに攻守奔走していたが、まだ本調子ではなかったみたいでデリフトと交代。できれば兄弟対決が見たかったし、恩返し弾も見たかったが今回はお預け。

・コマン 「あっれ〜? 仕事のやり方ってどうすんだっけかなぁ?」といわんばかりにギクシャクしていた。多分、2列目過多の初期配置が普段と異なる&デイビスいない&キミッヒ右サイド固定、などが重なりあって存在感が割と希薄だった。
後半は右に回って勘を取り戻していた印象。そうだぞ、レッドカードで有給使った分はしっかり勘を取り戻してくれ。

・ゴレツカ キミッヒが遥か遠くの右サイドに行ってしまったどころか、隣にはザビッツァーもムシアラもジローも、もちろんチアゴやトリッソすらも居ない。要求タスクが多すぎて前半はかなりしんどそうだった。しかも後半の再編成でやっと快適にプレーできると思ったら替えられたし、古巣をこの手で蹂躙できなかったのが悔しくてプンプン丸であった。「ワンアンカーはよく分からん」

・キミッヒ 今回は久しぶりに右SBで出場。しかし今は中央で配球するチアゴは居ない。そして左サイドでのデイビスの突破もない。
そう。右サイドからの攻撃オンリーとなり、左のコマンは浮き、中央のゴレツカもバランスの取り方に苦労する流れに。
後半では循環がスムーズになったので、三列目が厚くなれば右SBも悪くないかも知れない。でも裏を取られると対人では勝てないのであくまでもオプションですね。

・リュカ 予定より早い復帰で安心させてくれた。対人守備は相変わらず信頼できるが、デイビスとキャラが違いすぎるので、そのあたりのギャップを今後どのように調整していくか。スカッド変容の興味は尽きない。

・ウパメカノ あまり攻め込まれる展開ではなかったが守備はド安定。パスは相変わらず粗く、時々「そこにつけてどうする!?」というような縦パスを出す時もあるが、これどうにかならんかなぁ。PSG戦ではエンバペと対峙することになるので、持ち前の身体能力でしっかり食らいついていってほしい。

・パヴァール 攻め込まれる展開でなかったので以下略。デリフト登板により右SBに配置転換。
この頃は移籍報道が加熱している。本人の意思を尊重したいが、いずれにしろフランスNo. 1の右SBとしてW杯で自己の価値を高めてほしい。

・ノイアー 古巣に凱旋。案の定、凄いブーイングの嵐である。しっかりクリーンシートで終えてくれて良かったが、ちゃっかりやらかし未遂していたのはご愛嬌。W杯の日本戦ではやらかしても許すが、年明けのPSG戦では頼みます。

・デリフト 怪我明けなのでサネに代わり途中出場。やっぱりバイエルンのDFの軸は彼でいてほしい。コーチングもしっかりやるし。
彼がオランダ代表ではアケーの控えというのはマジですか?

・ザビッツァー ゴレツカに代わり途中出場。守備意識はザビッツァーの方が高い。オーストリアは残念ながらW杯は不参加なので、しっかり英気を養ってほしい。

・スタニシッチ リュカに代わり途中出場。インフルエンザの影響もあり短時間のプレーの制約あり。
安定したプレーで貢献。リュカと彼がいるなら、デイビスの控え(オマリチャ枠)は不要な気がする。
右もマズラウィがいるので、仮にパヴァールが移籍した場合は個人的な補強点はCBだと感じる。

・ヴァナー コマンに代わり出場。流石にまだ体が出来上がっていないので、一部リーグの強度で長時間の出場は怪我癖のリスクあり。大事に育ててほしい。

・ジロー ムシアラに代わって出場。実況がずっとテルと間違えていた。
やっぱり彼は前進が良い。プレス強度マシマシでとにかくボールを失わない強みがあるので、これはこれで今後が非常に楽しみ。
でも適正はインサイドハーフだよなー。個人的にキミッヒを右SBに使うオプションではボランチの一角でファーストチョイスで登用したいと感じた。

・ナーゲルスマン
厳しいスカッド事情の中で色々と試せたのは良しとすべきかと。「プレイヤーはミスを冒すもの」という前提で、うまく理想と現実のギャップを調整しているのは彼の努力の賜物であり、彼の器のデカさだと感じる。
しっかり休んでね。

・ロナウド バイエルンには来ない

しばらくバイエルンの試合はナシ。
寂しいが、その分しっかりW杯でのバイエルン戦士たちの活躍を期待したい。

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