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2021.10.30 第10節 ウニオン・ベルリン vs バイエルン

ポカールでメングラにフルボッコにされ、中二日のリーグ戦。前回が完全に対策されての完敗だったので、作戦をマネされたら怖い。
そして選手の身体的・精神的な疲労が心配と、不安要素だからだが何とか勝利して嫌なムードを払拭したいところ。

スタメンは以下の通り。

パフォーマンスの良くなかったパヴァールではなくスタニシッチを右SBに抜擢。ウパメカノも休ませてCBはリュカとズーレに。
そしてそして何よりも、コンディションの良くないゴレツカを休ませて、その位置になんとトリッソが入っているではありませんか。
「ザビッツァーじゃないの?」「ロカにチャンスを!」と、まぁ開始前からファン界隈では不穏な空気が蔓延しており、如何にトリッソが我々にとって眩しすぎて見ていられないかが伺える。

前回のメングラがやってきたようなサイド圧縮からの中央ボール奪取は今回は見られず。というか流石にバイエルン側もその対策はしていたのか、サネやキミッヒら中盤の守備意識が高く簡単にレイオフさせない。SBも下手に高い位置で幅を取らないようにして、無駄に裏にスペースを空けるようにはしない冷静さがあった。
オマケにトリッソがプレスバックだけでなく攻め上がるのもノロノロと遅いせいで、半端に中盤に居座るからキミッヒの脇のスペースが空きにくい。これ絶対に狙ってないだろ。

幸運な形でPKで先制。その後、セットプレーからレヴィの狙い澄ましたドッペルで突き放すと、サネにもゴールが生まれ前半で3-0に。
しかしウニオンも原口のクロスからギーセルマンの強烈なシュートで一点を返し、ホームチームの意地を見せ後半に。
後半はウニオンが支配する展開であったが、コマンが個人技でゴラッソを決め突き放す。ウニオンもリエルソンが一点を返すが、バイエルンもカウンターでのウパメカノの持ち上がりからミュラーがお手本のようなシュートを決めまた3点差に。これでゲームセットである。

課題はまだあるだろうが、前戦のムードはそこまで引き摺らなくて済みそうなのが良かった。

以下、個人レビュー。

・レヴィ:今回も安定のドッペルバックで得点王争いのトップを走る。ブンデスだけではなく全世界のサッカー界のフロントランナーとなっている彼はパスセンスも素晴らしく、ゴールとはならなかったが前半で見せたリフティングでのボールキープから背後に走るサネに出したラストパスは美しかった。そうやって君はいつも私を喜ばせる…!

・ミュラー:個人的MOMは彼。
今日のミュラーはいつものミュラーだった。味方との盤面共有力が研ぎ澄まされていて、オフザボールの動きだったり、動き出しのタイミングだったりが冴えていて、結果アシストもゴールも積んだ。また、味方ゴール後の喜び方のダサさも格別。ミュラーは調子が良いとなんとも言えないダサさが滲み出てくる。これ豆な。

・サネ:チャンスを決めきれない場面はあったものの、最終的にはしっかりゴールをマーク。プレスバックは本当にスピーディーで、観ていて非常に好感が持てる。
先日、某サッカー分析家がサネを左に置くデメリットなどをロジカルに解説していた。球離れの悪さとかオフザボールの動きの改善の余地などは理解できるが、論証の元となっているデータがまだシティ時代準拠のような気がした。
縦突破のスピードとか魅力的なのは分かるし、右でカットインの新境地を切り拓くべきという理屈は尤もなのだが、今のサネはスピードよりテクニックに大局観を乗せたプレーイングの面で新境地を開拓中である。これからの更なる活躍に期待したい。

・コマン:右サイドでもしっかりと能力を発揮。サネには劣るが守備意識も高く、危うげないプレーを見せていた。
硬直気味だった戦局を個人技で打開し4点目をマーク。これができる選手がいるとチームとしては非常にありがたい。
移籍の噂が流れているが、実際コマンより実力が明らかに上と言えるウインガーはあまり思い浮かばない。噂のシャビバルサに行くなら、せめてしっかり移籍金を置いて行ってほしいところだが…

・キミッヒ:前半ではちょっとフワフワしたところはあったが、その後は高い集中力でコントロールしていた。ワクチン打つ打たないの騒ぎで精神面の心配はあったが、今回もフル出場だったのでむしろ気にすべきは肉体的疲労である。
しかしここまでしっかりとしたパフォーマンスを見せられると何も言えないし、ロカには出番は回ってこなし、キュイザンスは売れない。

・スタニシッチ:下手に高い位置を取ったり、突破を図ろうとしないので、観ていて非常に安心できた。右SBとしては、スランプ中のパヴァールより上の序列にある印象すら感じる。
対人での強度の低さは見られたが、そもそも連携力で守備をするタイプなのでそこはこれから上げていけば良いところ。一失点目の責任は薄く、むしろあれは原口を誉めてトリッソに怒るべきシーン。
実況解説でも言及されていたが、プレーに余裕を感じさせるわけでもない。しかしデビューして間もないことを鑑みるとそれは仕方ないでしょう。

・ズーレ:今日はあまり元気がなかった。普段よりも軽率なプレーが散見されており、このムラっ気がズーレらしいとむしろ納得いくものだった。
なお前半でイエローを貰ったシーンは、前戦でリュカがPKを与えたシーンを彷彿とさせたので流石に冷や汗をかいたものだ。外で本当に良かった…。
とは言え所々で目の覚める縦パスを出したりと、光るシーンも。しかしどうせズーレらしさを見せるんだったら、一回は訳の分からない進撃をしてもらいたかったのは内緒だ。

・リュカ:全般的には根性のある守備を見せてくれていたと思う。
しかし自分で殻を破ろうとして果敢にチャレンジングなプレーを選択しようとするガッツは買う一方、その挑戦が報われている印象は薄い。
うーん、ある意味で余裕を感じるので、その意気をスタニシッチと折半してちょうど良い塩梅にならんかな…
負傷の疑いで途中交代。そこはかなり心配。頼みます。

・ノイアー:流石のパラドンも見せてくれたキャプテン。大敗の後なので精神的支柱としてもありがたい存在だ。失点シーンは致し方なし。
危ないカウンターのシーンで、ペナルティエリア外でクリーンなナイスタックルを披露したときは誰よりも頼れるDFだと思ったのは筆者だけではないはずだ。案の定、そんな感じの海外ツイートが散見されていたわ。

・トリッソ:スタメン紹介の最後を飾るのは彼。はい、オチ担当です。
もう、眩すぎて見ていられなかった人も多かったかもしれないが、むしろどこに居るのかが分からなかった人の方が多かったであろう。
『トリッソファンクラブ』という記事を書く程には、筆者は色々な意味でトリッソ大好き侍であるが、今回の彼の功績は…
功績は…いや、本当に何だろう? 
ノロノロしていたことが結果的に中央のスペースを埋めるバランサーとして成り立っていた…のか…?
とりあえず最初の失点シーンの原因は、ボールの渡った原口にかけていたプレスを最後に諦めたせいで高精度のクロスを放たせる余裕を持たせてしまったことであるのは違いない。
そして後半はトリッソ交代後の方が明らかに攻撃の流動性が高まった。最初からザビッツァーで良くないか…?
そして、ハイライトはレヴィに説教されていた一場面を推したい。

・ムシアラ:サネに代わり出場。
気の利いたパスや守備で貢献。サネとは全くタイプが違うので相手からしてみれば厄介なことこの上ないだろう。スコアには絡まなかったが、随所で閃きを如何ことなく発揮。やっぱり素晴らしい。
ドリブルに定評があるのはリーガ内では常識になってしまったせいか、突破には対策がされてしまうようになってきた印象あり。だからこそここから更なる進化を遂げてもらいたいところ。

・ザビッツァー:トリッソに代わり出場。
インパクトのあるプレーをしたわけではないが、トリッソよりも明らかに守備意識が高いので、交代後は結果的にバイエルンがボールを持つシーンが増えた。
しかしザビッツァーらしさを出せた試合とは言いがたく、更なる発奮を求めたい。多分、ポジション争い相手のトリッソがこの体たらくだったので、毒気が抜けてしまったのではなかろうか。
キミッヒとの呼吸がより合うようになってほしいところ。

・パヴァール:スタニシッチに代わり出場。バイエルンがボールを持つことが増え、ウニオンも疲れが垣間見えるようになってきたタイミングでの交代だったので、これと言った見せ場はなし。
スランプ中かもしれないが対人守備強度や経験はスタニシッチよりも勝るので、クラブはその辺りをうまくコントロールしてもらいたいところ。

・ウパメカノ:前戦は一体何だったのか? というように、非常に安定感のある守備を見せるどころか、持ち上がってのラストパスでミュラーによる5点目をアシスト。
やっぱり能力は非常に高い。ボール落下地点の予測能力という弱点も突かれなかったし、隙を見てしっかり練習してもらいたい。

・ニャブリ:コマンに代わって出場。
正直、いつ入ったのか全く気付かなかった。プレー時間が少なく、そこまで見せ場はなかったが、最後のチャンスメークのシーンはバイエルンらしさが出ていて良かった。
自分で打っても良かったくらいなので、もっとガツガツしてほしいところもある。しかし紳士的なのがニャブリの良いところでもある。
とりあえず怪我なくプレーできるなら安心して見ていられますな。

・トップメラー代行:コンディションに不安の見える選手を見極め、ローテーションを採用するのはOK。スタニシッチにも良い経験を積ませられた。
しかしスタメンにあの体たらくだったトリッソを抜擢したところを見ると、やっぱりそこまで選定眼があるとは思えない気がする…
ここでも皆の思いを掻き乱すか、トリッソよ…

・原口:日本人に活躍されてしまうことが多いバイエルン相手にしっかり躍動。日本人はもちろん応援するが、バイエルンファンとしては複雑…
普通に原口とアウォニィは脅威になっていたので、途中交代した時は正直ホッとした。
これからも頑張ってほしい。でも暴れるのはできればバイエルン以外の相手でお願いします。

・ナーゲルスマン:元気らしいが、隔離からはまだ戻っていない。いつ復帰? 貴方の修正力がバイエルンには必要です。

総括:トリッソ(以下略

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