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核融合ロケット研究(6)/磁気ノズル・磁気スラストチャンバー

 ところで、今回は、表題の原理説明とシミュレーション結果を示します。
VISTA type/ single coil system:
原理の方ですが、簡単化して言いますと、以下の(a)のように、コイルから離れた所で核融合プラズマを生成すると、(b)プラズマは、磁場を排除しながら膨張します。排除された磁場は、圧縮され圧力が増大します。やがて、圧縮磁場は、プラズマ自身の圧力より大きくなり、(c)プラズマを押し戻し、後方に噴出します。その反作用で、コイル・船体が推力を得ます。
     (a)                               (b)                       (c)

磁気ノズルでの主力発生

この過程を、hybrid code(イオン=粒子、電子=流体で取り扱う)でシミュレーションを行なった結果を
https://docs.google.com/presentation/d/1lP4Cs02gQbDmp9L8YUR_nU7E2HRpn_oz/edit#slide=id.p1

に示します。なお、この計算は、九大・総理工・院の稲富くんが行なっているものです。
 計算体系は、ざっくりと言えば、下の図のようなもの。コイルから離れて、プラズマ発生がある。上記アドレスの4枚目のスライドで、プラズマがマッシュルームの形になり、磁場により押し戻されている様子が分かるかと思います。上では、プラズマの材料A/Zを変えて、その依存性を見ている所です。計算パラメータは、参考文献4)で説明しました、IHI伊勢さんの概念設計をもとにしています。
 このhybrid codeは、設計に用いていましたが、現在は、このコード自身の妥当性を検証することに関心が移っています。磁気ノズルの模擬実験データを、どの程度このコードで再現できるのか、比較を行なっています。ただ、核融合プラズマを使用できませんので、実験には、レーザーにより生成したプラズマを用いています。

計算体系概念図 寸法は、例示


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