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核融合ロケット研究(18)/ベンチャー・J-EPoCH

 今年の年賀状で多かったのが、米国リバモア国立研究所で、レーザー核融合でゲインが、1.5と1を超えた結果を出した事でした。このような、素晴らしい結果が続く事を願っています。また、地上発電応用だけでなく、ロケット応用の方が早いのではとも、書いてありました。確かに、ロケットでは、経済性は、地上用よりも厳しく求められなく、かつ工学的にも宇宙はもともと真空ですので、真空にする必要もなく、また、プラズマー壁相互作用(Plasma Wall Interaction:PWI)も問題にならいのでは。
 また、ネットによりますと、
藤岡氏(阪大レーザー研)は「10年ほどをかけてレーザー核融合による発電のシステム成立性を検証する計画が進んでいる」と語る。
 誰が、どのようにやるのでしょうか?興味があるところです。
 という事で、もうそろそろ、核融合推進のベンチャー企業を立ち上げたも良いのかもしれません。目的は、磁気ノズルの工学的実現性の検証であり、レーザーを買い(まずは100Jくらいか)、真空チャンバーを備え、今やっている研究室での研究を加速すること。入れ替わりが早い学生だけでなく、専任の人を雇う。資金は、一般の投資家、防衛省などから、調達することでは、いかがか。

まあ、自分がもう10年も若ければ、さっさと自分で始めているが。
将来的には、J-EPoCHを利用する。レーザー10 kJ 100Hzの性能。


J-EPoCH外観図


Conceptual design of a research chamber for laser fusion rocket with the J-EPoCH facility

 J-EPoCHでの実験を考えてみました。下記の岩本さん(核融合科学研究所)の論文を参考にしました。岩本さんのは炉工学実験装置。従い、DT 中性子が多量に発生。遮蔽、誘導放射に対する考慮が必要。
 さて我々の実験装置では、
目的:energy scaling law (Inatomi scaling) i.e., Impulse bit vs. plasma energyの確認  このエネルギー則(プラズマエネルギーを与えた時に、どの程度のimpulse bitが得られるか)は、稲富くんが検討中。近々、論文化の予定。
本当は、実用機で使われるMJ classの実験を行いたいが、現実的には、ずっと少ないエネルギーで実験をやっているので、MJ classでは、どの程度の推力が得られるのか知っておきたい。
             1 Hz でのpellet injection 技術の確立
Laser: 12 beams with 10 kJ
           corresponding to 5 kJ plasma energy
(内面照射inside irradiation、下図、なので吸収効率を大きめに50%を仮定)
           1 Hz (ターゲットが単純な構造なので、10 Hzでも良いかも)
今まで、単発での実験しかやってこなかったので、繰り返し実験ができれば、多くのデータが取れて、実験の精度も向上すると考えられる。

Target: CH target for inside irradiation to simulate expanding fusion target plasma

outer/ordinary irradiation      inside irradiation        inside irradiation/experimental

Coil: normal conducting coil with water cooling
 Coil current XX MA to produce the magnetic field energy five times the plasma energy
 コイル電流は、磁場のエネルギーがプラズマのエネルギーの5倍程度になるように決める。これぐらいで、磁気ノズルが機能する。

Cone angle : 45 deg.
 下図参照。ターゲットーコイルの配置は、推進効率が最大になるように。
 
Dumpers: for waste heat(plasma energy) removal with water coolant at the both ends
 プラズマ挙動シミュレーションのアニメ参照。(6)にあり。コイル両端にプラズマは広がる。

検討項目:このエネルギーでのプラズマ挙動シミュレーション、dumperの熱負荷の評価、熱設計など
 
No tritium, no neutron production leading to no need to worry about shield/activation problems
 
これをスケッチしたのが次の図です。
 
 
参考文献:
A. Iwamoto and R. Kodama, Conceptual design of laser fusion  subcritical research reactor with  J-EPoCH facility for fusion engineering researches
https://nucleus.iaea.org/sites/fusionportal/Shared%20Documents/FEC%202020/fec2020-preprints/preprint0729.pdf


 

J-EPoCHでの配置図




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