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化学物質過敏症になりました その8「御近所とのやりとり1」


化学物質過敏症になって、一番苦労した事は、ご近所へのお願いとそれに伴うトラブルです。

我が家は、北、南、東で家が接して建っています。

北側のAさん宅の匂いは、普段は気にならないのですが、昨年の8月前半ころから、Aさん宅の室外機からでる「お洒落な毒のような、ほのかな香り」が、我が家の台所の窓を開けると気になるようになり、窓が開けられなくて困っていました。ただ、それ以前は気にならなかったので私の過敏レベルが上がったという事でしょうか。

9月前半のある日、窓を開けて寝ていたところ、柑橘系の柔軟剤臭がして、朝の5時前でしたが、不快で眠れなくなり、着替えてから、どこの家だろう?と近所をクンクンしながら歩き回っていました。A旦那さんが外で古新聞を縛っていたので、ちょっとばつが悪かったのですが、A旦那さんとは、かなり親しいつもりだったので、「まあ、Aさんだし、いいか」という気持ちで発生源を探し出そうとしていました。

結局、10分近く近所を歩き回って、発生源はわからず、ばつが悪かったので、Aさんに話しかけました。「柑橘系の柔軟剤の匂いがしませんか?」『わからないなあ、うちじゃないと思うよ』「そうですよね。Aさんではないと思います。私、臭いに過敏なんです」『知らなかった。びっくりしました』「実は、Aさん、柔軟剤の量を少し減らして欲しいんですけど。Aさん、洗濯物を部屋干ししているようですけど、室外機からその匂いがでてきて、辛いんです」とお願いしました。『そうですか、家族に話してみます』

家に帰ってから、人前で、クンクン歩き回ったこと、Aさんへのお願いは後日にすれば良かったと深く反省して、気が滅入りました。また、洗濯物を部屋干ししてるという事を指摘したのも、部屋を覗き見しているようでひんしゅくだったかなと思いました。その話をして2日後にAさんに会って挨拶をしたら、挨拶を返してくれたのですが、表情がいつもと違い険しかったので、ますます気が滅入りました。

その更に2日後、Aさんが『こないだの事だけど』と話しかけてきました。

『家族に話しましたけど、「失礼だね」。っていうことでした。人の家の匂いを嗅ぎまわるのも失礼ですよ。私も会社で何人にも聞いてみたけど、臭いの事で、近所から言われるなんて話、聞いたことがないって、みんな言ってましたよ。』「私の周りでは臭いで困っている人がいるっていう話題は出ることがありますよ。それに柔軟剤って体に悪いんですよ」『家族の他の人は臭いって言ってるんですか?』「私だけです。主人は気になってないし、おじいちゃんは鼻が悪いし。自分でいうのもなんですが、私、鼻がいいので気になるんです。」

このころは自分が化学物質過敏症予備軍だなんて、まったく認識していなかったのです。鼻がいいだけで、自分はとても健康だと思っていました。間抜けでした。。。

「柔軟剤を使わないわけにいかないんですか?」『半渇きの嫌なにおいがするから、使わないわけにいかないです』「柔軟剤は体に悪いんですよ」『それは、さっき聞いた。とにかく、匂いがそっちにいかないように工夫はするけど、使うのはやめませんよ』

と、険悪な話し合いが終わりました。

一応、Aさんには、改善してもらって、台所の窓は開けられるようになりました。でも、関係がぎくしゃくしてしまい、うちの主人が、A旦那さんに話を聞きに行きました。どうも、私の一方的に押し付けるような言い方で気を悪くしたようです。気まずいのも困るので、お詫びの手紙を書いて、果物を持って、奥さんに渡してきました。この手紙には私が化学物質過敏症を発症したようだという事も書きました。

その後、しばらく気まずい関係が続きましたが、今年の5月ころから、またA旦那さんが笑顔で会話に応じてくださるようになりました。本当に感激でした!なんとか、円満なご近所関係をまた取り戻せるよう努力したいと思います。

Aさんとのトラブルのそもそもの原因は、お願いに行ったとき、まだ、私に病気だという自覚がなく、単に、神経質でわがままな人だと思われたためだと思っています。

Aさんとのことで、もっときちんと香害のことや、化学物質過敏症の事を人に説明できるようにならないとだめだと思い、本やネットで勉強できたことは良かったと思っています。また、日本消費者連盟が香害に熱心に取り組んでくださっているので、会員になりました。

「化学物質過敏症になりました その2」で無香料の柔軟剤を利用してほしいという趣旨の回覧板の事を紹介しましたが、この内容には、Aさんとのやり取りが生かされました。


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