星空ナイス・ネイチャのギャンブル漫才第８回「競馬予想家列伝①」

新聞、テレビやラジオ、各種媒体でレースの予想を披露するお方々。鋭かったりそうでもなかったり、神様と呼ばれたりスカタンと呼ばれたりもする競馬予想家の皆さんを、ナイス＆ネイチャが漫才解説していきます。

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ナイス 「今日は、競馬予想家の話をします」
ネイチャ 「いろんなお方がね、活躍されてます」
ナイス 「まずはこの方。孤高の予想家、須田鷹雄！」
ネイチャ 「孤高の鷹！　かっこええなー。東大卒やし」
ナイス 「孤高というのは……友達がいないんでしょうね」
ネイチャ 「おい！　ソングラインの調教師の林徹さんは同じ東大馬術部出身で、須田さんの予想話にもよく登場するやんけ」
ナイス 「あれ？　須田さんは東大相撲部じゃなかったですか？」
ネイチャ 「木瀬部屋の須山関の先輩か、須田さんは！」
ナイス 「しこ名も似てますね」
ネイチャ 「しこ名違う！　体格だけで相撲部言うな。須田さんは、しこ名じゃなくてスダホーク号からきてるペンネームや！」
ナイス 「まあ、同じ馬術部といっても、林さんはかなり年下ですからね、友達と言えるかどうか。ちなみに、ケイアイチョウサンの小笠倫弘調教師も東大馬術部で、須田さんの２こ下だそうです」
ネイチャ 「競馬界にはけっこうおるんやな、すごい高学歴が」
ナイス 「予想家の水上学さんも東大。でも、一緒にテレビとか出てるのは見たことがないですね。やっぱり……」
ネイチャ 「やっぱりってなんや！　きみが見とらんだけやろ！」
ナイス 「須田さんの予想はボクも好きですよ。楽しそうに予想してるでしょ。あと、さすが東大と思うのは……馬券が外れたときのいいわけがうまい！」
ネイチャ 「そこか！」
ナイス 「人気薄を軸に選んで、３連単の２着とか３着づけにして、その人気薄が勝っちゃったりするんです。となると、馬券は丸っぱずれ」
ネイチャ 「丸っぱずれ。そのフレーズ好きやなー、きみ」
ナイス 「昔、競馬中継の宮嶋千佳子さんが、丹下日出夫さんの予想が外れたときによく使っていました、“丸っぱずれ”」
ネイチャ 「すがすがしいくらいのはずれのことやな」
ナイス 「で、須田さんはこんないいわけをするんです。『狙いはよかったけど馬券がはずれというのは、視聴者にとっていちばんいい予想なんですよ』」
ネイチャ 「ようわからんな」
ナイス 「だって、狙いが当たって馬券も当たって、予想家が大儲けしてたりすると、見ていて不愉快でしょ。キャプテン渡辺とかが大儲けしてバカみたいに浮かれてタコ踊りしてる姿を見て、誰が喜ぶんですか、えっ、誰が！」
ネイチャ 「ままま、正直いうとな」
ナイス 「芸人の予想は、はずれて笑われてナンボでしょ！と」
ネイチャ 「須田鷹雄さんは芸人ちゃうけど」
ナイス 「でも、以前はお笑い競馬ライターって名乗ってましたよね。だから、須田さんは正しいんです」
ネイチャ 「一応、名誉のために言っておくと彼はWIN5で2500万円を当てたこともありますよ」
ナイス 「なにー！　デルマソトガケと一緒に相撲でも取ってろ！」
ネイチャ 「急に態度が変わるな、きみ」
ナイス 「……このように、他人が当たるとおのれの弱さに気づかされるという点でも、狙いも当たって馬券も当たる予想はよくないのです」
ネイチャ 「予想家の予想に全部乗っとけばええんちゃう？」　
ナイス 「それができないのが、穴狙いのサガなんですよー。とにかく人と違う人気薄をあぶり出したい。そういえばボク、昔雑誌の取材で大川慶次郎さんのお宅に行ったことがあるんです」
ネイチャ 「“競馬の神様”や。１日12レースの連複を全部的中させるパーフェクト予想を、生涯で４度達成したそうやな」
ナイス 「まさにミスターパーフェクトですね。甲子園でバックスクリーン３連発が出たとき、実況席で思わず『ランディ、ランディ』とつぶやいてしまいました」
ネイチャ 「それはバースや！　そのミスターパーフェクトは打たれた槙原投手や！　大川さんのは『ライアン、ライアン』。オグリキャップが勝ったときの有馬記念、２着のメジロライアンを応援していたんやろ。話が混ぜこぜすぎや！」
ナイス 「その大川さんにね、お会いするなりじっと顔を見られて、『あなた、競馬、好きでしょ』と言われたんです」
ネイチャ 「えらい光栄なことやないか、競馬の神様に」
ナイス 「でも、その目がね、『ほどほどにしときなさいよ』と言ってるように見えたんですよ」
ネイチャ 「無理くり人気薄をあぶり出そうとするのはよしなさい、と」
ナイス 「去年のジャパンCなんて、ＧⅠで女性騎手が３人も乗っていたんで、いよいよ女性が輝く時代到来！と思って、ヴェロン騎手とドイル騎手、藤田菜七子騎手の３連単BOX買いましたからねー。どれが来ても1400万馬券！」
ネイチャ 「一生、丸っぱずれてなさい」

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タイトル画／ゴローちゃん