【リアル大会でソフト指し】が話題になってましたが

リアル大会でソフト指しをした人の話題が盛り上がっていたようなので、思うことを。

大分前からYouTubeの配信とかでは似たようなことを何度も喋っているのですが、改めて文章にしました。

まず現状、ソフト指し対策という名目で行われていることがある事象の例↓

・対局前の金属探知機チェック
→トイレや飲み物購入のために離席した際に、仲間となんらかのコンタクトを取って指し手を教えてもらえば、本人が電子機器を持ってなくても物理的にはソフト指し可能。

・スマホなどを机の上(相手から見える位置)に置くorロッカーにしまう
→スマホ2台以上持っている可能性あるので、ソフト指しを本気でしようとしている人がいる場合意味なし。

例えばこんな感じで、現状の将棋界におけるプロ棋戦、リアル大会などのソフト指し対策というのは、本気でソフト指しをしようと考える人が仮にいた場合には意味をなさないものばかりです。

ソフト指し関連のトラブルが話題になるたびに、
「ソフト指しなんてやる奴は最低」
「あいつはそんなことやるような奴ではない」
「アマ大会から永久追放して欲しい」
的な様々な感情的な声をTwitterなどで多く目にしますが、そういうのは全く今後のためにはならない、はっきり言って何の価値も無い言葉だと思います。
(Twitterなので、感情的な意見やら何やら皆が呟くのは別に当然ではありますが。)

仮にソフト指し疑惑のある人を追放したところで、またその後千人に1人でも、1万人に1人でも本気でソフト指しをしようと考えた人が出てきた時に(いつか必ず出てくる)誰も気付かないままソフト指しを遂行されるか、(気付いても証拠を抑えるのは困難なことが多い)また皆で同じように嫌な思いをするかのどちらかにしかなりません。

逆に追放しなかった場合も、疑惑の人が今後大会などに存在するだけで嫌な思いをする人がいるのが当然でしょう。

大事なのは、ソフト指しが良くないという当然の認識を皆で共有することではなく、絶対にソフト指しが出来ない環境を整えることだと思います。
↑この環境を整えるというのは当然のことだと思うんですが、なぜか将棋界では(他の世界のことはよく知らないので、少なくとも将棋界では)【ソフト指しなんてやる奴は人間ではない】的な倫理的な意識が強すぎるが故に?対策という部分があまりにも疎かになっていると感じます。
ソフト指しでも万引きでも痴漢でも、普段どんなに良い奴だろうがやる時はやるでしょう。
病気みたいなものだと思います。


そんなわけで以下は環境をどう改善したら良いかの個人的な意見です。

・まず、ネット将棋ではソフト指しを完全に防ぐことは不可能です。
ソフト指しがいるかもしれないという前提で楽しんだり練習に使うしかないでしょう。
(なので個人的にはネットで行われる将棋大会には絶対に出ません。相手がソフト指しの可能性があると思うのも嫌だし、仮に自分に疑惑の目が向けられたとしても無実を完璧に証明することも不可能なので。)

・リアル大会などでも、耳の中に超小型のカンニング用イヤホンを入れて、超小型カメラ付きのメガネを着用して、外部と連絡を取ってソフト指し。。のような感じで考えようによっては相当なんでもありなので、物理的にソフト指しを100%防ぐのはかなり難易度が高いと思います。
完璧にソフト指しが不可能な環境を整えるのであれば、
①対局中の離席禁止

②対局場に電波遮断装置的なのを設置

③対局者から見える位置に対局者以外の人間がいない状況にする。
(観戦者は勿論、記録係や観戦記者的な人間も存在してはならない)

という感じでしょうか。

トイレや自販機がある場所にも電波遮断装置の効果が行き届いていれば話は変わってきますが、基本的に一番大事でなおかつ実現しやすいのは①の対局中の離席禁止だと思います。

プロ棋戦が行われる環境は流石に今後少しずつでも(具体的なトラブルがいつか発生するまで変わらないような気もしますが)対策が厳しくなっていくと信じたいです。
現状は仮に東京将棋会館であれば、対局室である4.5Fから、事務所のある3F、自販機のある2F、売店のある1Fに対局者が降りることが可能なので、外部の人間との接触が簡単に可能です。
はっきりいってガバガバとしか言えません。
対局開始してからその状況なのに、対局開始前に金属探知機チェックをしても無意味だと思っています。

アマチュア大会であれば②③まで実現するのは難しい場合が多いと思いますが、①の対局中の離席禁止を徹底するだけで効果は絶大だと思います。

そして、対局中離席禁止であれば当然長時間の対局は困難なため、今後の主要なアマチュア大会では、短時間(10分くらいまで)の切れ負けや、初手から20秒将棋もしくは30秒将棋のような早指しを主流にしていくべきだと思っています。

例えば10分切れ負けで、ベスト8以上は3番勝負。決勝は5番勝負。のような感じでも良いでしょうし、離席禁止を必須条件とした場合でもやり方はいくらでも考えられます。

対局者は対局開始前にトイレや飲み物の用意を済ませれば良いだけです。

そんなわけで、ソフト指しをした人間に対してどんな処罰を与えるかとかではなくて、

・仮にソフト指しをした過去がある人間を出場させても、皆が安心して対局が行えるくらい万全な対局環境

・ソフト指しを疑われるような人間が現れようの無い環境(ソフト指しが物理的に不可能な環境)

を実現するためにどうすれば良いかを皆で考えて試行錯誤していくことが、今後のためになるのではないかなという話でした。

※追記というか追動画↓

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古田龍生
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