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【先手中飛車vs三間飛車】早めの△3五歩&歩交換はむしろ有難い

↑は2年半くらい前の動画。
先手中飛車対三間飛車の将棋で、早めの(中飛車側が角道を開ける前の段階での)△3五歩を咎めにいくという内容でした。
動画の将棋では中飛車側が引き角+左銀で狙った3五の歩を、三間飛車側が△1三角で守る展開。
その場合は右銀を端から進出させていくちょっと面白い指し方で戦っていました。↓

詳細は動画をご覧ください👍

今回の将棋も△3五歩が早く、↑の動画のような展開も場合によっては狙っていたところ△3六歩と突かれたのが第1図。

第1図

▲4六銀を上がった後の△3六歩には▲3六同歩△同飛▲3五歩と飛車に蓋をする筋が生じますが、まだ銀が5七にいる本譜のタイミングであれば三間飛車側も1歩交換は可能です。

こういった歩交換の筋は中飛車(5五の歩を交換する筋)や石田流(本譜のような筋)の将棋などで生じやすく、初心者〜級位者の方は必要以上に恐れてしまっていることも多い印象が個人的にはあります。

ただ例えば本譜で言えばお互いの3筋の歩は交換するまでに、

・三間飛車側は3手動かしている(△3四歩〜△3六歩)
・中飛車側は1手しか動かしていない(▲3六同歩)

ということになります。
交換した後に▲3七歩と謝らなければならないような場合は相手のみ1歩手持ちになってしまうので話は別ですが、交換のみに関して言えば、三間飛車側の方が多く手数を使って結果お互いに1歩手持ちという損得の無い状態になるので、三間飛車側が手損しているだけと考える事が出来ます。

初心者〜級位者くらいの方はこの考え方を覚えているだけで、

恐れなくて良い歩交換
実は損するだけの歩交換
逆に恐れるべき歩交換


の見極めがしやすくなるのではないかと思います。

本譜は3五の歩が狙われやすい形だったので三間飛車側としては仕方なくこの手損する歩交換した意味もありそうで、そうなるとやはり4手目の△3五歩がそもそもリスクのある手だと考えられそうです。

本譜に戻って第2図は左銀を進出させて、その支えになる角を7九に配置した局面。

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