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青春だってさ。

肩を叩かれた。
振り返っても誰もいない。
そんな生活を送ってる。

これを聞くだけじゃ
ただの心霊現象だろ
ぼっちな子の勘違いだろ
そう思われるかもしれない。

いつも右肩を叩かれる。
トン トン トン
いつも3回だ。

試してみることにした。
まずはやっぱりスピードで勝たないと。
トン トン トン
いつものように肩が叩かれた。
自分の出せる最高速度で振り向く。

でも、誰もいない。

幽霊なのか?
よし、試してみよう。

右肩だけを濡らしてみた。
人っていう生き物は
意図していないことが起きた時
すぐ声が出るものだ。

トン あっ冷たっ

この時の僕はなぜか冷静だ。
あ、幽霊じゃないのか。
ただそう感じて満足していた。

毎日のように肩に感じていた感触
トン トン トン
という3つの感触

一切肩が叩かれない日もあった。
何日も続くこともあった。
そんな日は落ち着かない。
どうかしたのかな。
体調を崩したのかな。
もう来ないのかな。

それでも、また帰ってきてくれる。
トン トン トン 久しぶりっ♪

後ろを向いても人はいない。
元気ならそれでいいや。
そう言ってまた歩き出す。

君はいつも早いんだ。
おはよう。そんな言葉も無しに、
僕の横に来て手を繋いでくる。

今日も肩を叩かれた。
誰の仕業なんだろう。

そう考えられる日常が幸せなんだ。

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