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女伎始め

【チェンマイ俳句毎日】2024年1月16日

女伎始め縫目折目の真正直

「はい、これ」と、服飾の仕事をしていた亡き友人からぽんと渡された布がある。
彼女自身によるバティックが施されていて、芭蕉や極楽鳥花など南国の植物がのびやかに鮮やかに描かれている。どこか、彼女の故郷の紅型を彷彿とさせる色彩。遺作となってしまったその布をご家族に渡したいと思い、切れっぱなしの端の始末を彼女が懇意にしていた縫い子さんにお願いすることにした。

その縫い子さんと話すのは今回が初めてだったが、私の気持ちまでよく理解してくれ、ご家族のためだからと言って縫い賃を受け取ってくれなかった。新年早々のやり取りだったにも関わらず、すぐに仕上げてくれたその布の、歪みのない縫い目にじんときた。


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