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躑躅

【チェンマイ俳句毎日】2024年4月24日


滝壺につつじの紅の廻りをり
狛犬の前足長き山躑躅
赤飽きて白を好めるつつじ園
つつじ見の客みな老ひてつつじ園
温暖の十日を急ぐつつじかな
遠き日の緋きつつじの蜜の味


つつじ園に出かけた。山の斜面に植えられたつつじがちょうど満開で見事だった。子供の頃に訪れて以来だったが、所々、うっすらと覚えていた。

帰り道、つつじ園近くの民家の前に座っていたおじいさんに呼び止められた。足が悪くてつつじ園まで行けないと嘆くおじいさんは、雨が止んだ今日はおそらく一番の見頃だろうという。きれいでしたよと答えると頷いていた。おじいさん曰く、温暖化で10日も早く咲いたらしい。昔はもっと大きな花が咲き、子供の頃は蜜を吸うのが好きだったなどと思い出話が続いた。

つつじ園ばかりでなく、車道の中央分離帯のつつじの花も満開だ。つつじの花の色はタイのブーゲンビリアの花(正格には萼の部分)の色とよく似ている。ブーゲンビリアにも、濃いピンクや薄いピンク、白、オレンジなどの色があり、つつじと同じように中央分離帯にも植えられていて、今の季節(タイは暑季だが)が最も勢いがある。だからだろうか、満開のつつじが目に入ると目の細胞が懐かしがっているような気がする。


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古川節子
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