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4月30日は図書館記念日!図書館と猫の意外な関係とは?

こんばんは、古河なつみです。
本日4月30日は「図書館記念日」です。このnoteではよくヘッダー画像に素敵な猫ちゃんの画像をお借りして掲載していますが、実は猫と図書館には長年にわたる歴史があるのをご存じでしょうか?

上記の二冊は実在したアメリカの図書館猫のエピソードが綴られた本です。特に『図書館ねこデューイ』はねこのデューイだけでなく、デューイを拾った図書館の司書さんの日々や想いを感じられる文章で、絵本や児童書としても出版されており、高い人気があります。私が司書をしていた時に図書館にまつわる展示企画でこの本を置いておくと真っ先に貸出されていたのを今でも覚えています。

さて、このデューイやベイカー、テイラーといった猫たちは、なぜ図書館で飼われる事になったのでしょうか? たまたま優しい司書さんに出会ったから? 図書館に人を呼びこむため? いくつか理由はあるのですが、一番のお仕事的な意味で重要だったのが「ネズミ退治」です。

その昔、猫はネズミから本を守る番人として本を保管していた修道院で飼われていたという記録があります。現在よりも「本」自体が非常に貴重な物だったことや、本がネズミに齧られてしまいやすい材質でできていたこと(羊皮紙といった革素材は狙われやすかったようです)が理由のようです。印刷技術がなかった時代は本は一冊、一冊、手書きで書き写していたので、それがネズミに齧られて台無しになってしまうのは、避けたかったのでしょう。

その猫を本の番人にする文化が本をたくさん保管している場所=図書館へ移り変わっていき、特にアメリカ・イギリス圏ではネズミ駆除員として図書館猫が任命されるケースがある、というのが図書館猫の由来になります。

ここまでの話を読んでくださった方は「なんだ、日本にはいないのかぁ……」と思ったかもしれません。

実は、今現在日本の公立図書館に図書館猫がいます!

岩手県奥州市胆沢図書館さん、という公立図書館に「むぎ」館長という市民の方々から選ばれた猫館長さんがいらっしゃいます。ただ、むぎ館長は普段は出勤されていないようで、図書館に関するセレモニーに出席したり、SNSでの広報を中心に活躍されています

胆沢図書館さんは司書界隈でも知る人ぞ知る「猫図書館」で、図書館猫にむぎ館長を任命しただけでなく、猫に関する所蔵資料も多く取り揃えており、個性派公立図書館として運営されています。

この胆沢図書館さんでは2024年5月12日まで『ねこと一緒に、今日もいい日。』展」というねこ写真家の関由香さんとコラボレーションした写真展も行っています。もしもお近くにお住まいの方は、開館日や開館時間をご確認の上、遊びに行ってみてはいかがでしょうか。

余談ですが、胆沢図書館さんが「猫ノ図書館」を開設するに至った経緯やどういった検討がされたかなどが詳しくレポートされたものが掲載されている記事がありますので、ぜひ公共図書館にお勤めの、ねこ館長をいつか迎え入れたい司書さんはチェックしてみてくださいね!

ここまでお読みくださりありがとうございました。
それでは、またの夜に。

古河なつみ


まずはお近くの図書館や本屋さんをぐるっと回ってみてください。あなたが本と出会える機会を得る事が私のなによりの喜びであり、活動のサポートです。