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BTS➆・LAコンサートレビュー「来た、歌った、勝った」by the Independent

いや~、年末のバタバタで書けずにいたら、早や1ヶ月も経ってしまったけど、熱き血潮はまだまだ収まっていないので、この年始のお休みを利用して、書いちゃいます。

日本時間 2021/12/3(金)午後12:30より、BTSは米国ロサンジェルスのSo-Fiスタジアムで有観客コンサート(Day4)を行いました。この公演は、オンラインでライブ・ストリーミング配信され、世界各国から多くのARMYが視聴したわけですが、私もそのうちの一人。いやあ、よかった・・。まだ余韻に浸っているワタシ。BTSは12/6に長期休暇を発表しましたが、全然大丈夫。この余韻があれば、1ヶ月や2カ月なんてアッという間。バンタン、ゆっくり休んでね。

それじゃ、早速ですが、今日解説するのはこちら。英国の Independent というオンライン新聞のレビュー記事です。

まず、この記事の冒頭でカッコいいのが、この部分。記事のタイトルにもなっているこの言葉です。

To paraphrase another famous army leader: they came, they sang, they conquered.

別の有名な「Army(軍隊)」のリーダーの言葉を言い換えて表現すると、「彼らは来た、彼らは歌った、彼らは征服した」。

これ、実は有名な引用句のモジリなのです。クレオパトラと恋仲になった将軍としても有名なシーザー(カエサル)。ローマ軍を率いて、たった4時間ほどで戦闘に勝利した際に送った手紙の文句が「Veni, vidi, vici」(古典ラテン語)。これを英訳すると「I came, I saw, I conquered」、日本語にすると「来た、見た、勝った」。速攻で勝利を収めたことを、超簡潔に述べた言葉として有名なのです。

シーザーはほんとの軍隊(army)を率いるリーダーですが、BTS はファンベースとしての  ARMY を率いているわけなので、これと対比させたところが、ほんとニクイぜ、ライターの Kevin E G Perry さん。BTS はシーザーよりも素早く、たった2時間半でその場を完全に征服したわけですね。このモジリ、カッコよすぎ。

Over the course of a thrilling two-and-a-half hour show, the band’s seven members deliver a sublime succession of pop hits, combining meticulously choreographed dance routines with clearly unrehearsed moments of heartfelt sincerity.

2時間半のスリルに満ちたショーの間、7人のメンバーたちは、ヒット曲の素晴らしいメドレーを、入念に振り付けされたダンスと組み合わせて観客に届け、更に、明らかにリハーサルしていないであろう心からの誠意が垣間見える瞬間もあった。

この clearly unrehearsed (明らかにリハーサルされていない)ってところがミソですね。リハーサル通りの完璧なショーって素晴らしいけど、それならPVで十分かも。ライブでないと楽しめないのは、アドリブやハプニング、即興でのトークですよね。そういう準備をしていない部分に heartfelt sincerity( 心からの誠意)を感じられるところが、BTS の魅力なんでしょうね~、Perry さん、よくわかっていらっしゃる。

私のように、人生で初めての沼落ちが BTS という人が多いのは、実はダンスや歌やビジュアル以上に、彼らの誠実さに落ちているのかもしれません。

The circular journey from bed to couch and back again was undoubtedly one of the unifying features of pandemic life – just one I hadn’t expected to see rendered as tongue-in-cheek stage design.

ベッドからカウチへ、そしてまたその逆にぐるぐる移動するというのは、パンデミック中の日々の過ごし方の共通する特徴の1つだったことは間違いない。ただそれを、誇張された舞台デザインとして目にするとは、私は予想もしていなかった。

そうか、あの巨大ベッドとソファの移動はそれを意味していたのか~と、腑に落ちました。あのセットのときに、コロナ禍についての曲、Life Goes On を歌っていましたものね~。

If the performance makes one thing clear, it’s that you don’t become the world’s biggest band by accident.

この公演が1つ明確にしたことがあるとすれば、それは、世界最大のバンドになるのは偶然ではないってことだ。

つまり、彼らの公演をみれば、彼らが世界一の人気を得ているのは、たまたまでも運がよかったわけでもなく必然・当然である・・と言いたいわけですね。うん、うん、ほんと。間違いない。by accidentは「事故により」ではなく「偶然に、たまたま」。by chance と言い換えもできます。

私にとって 2021年は BTS との偶然の出会いに恵まれたことが最大の収穫でしたが、2022年はまたどんな出会いが待っているのでしょう。楽しみ。

皆さんにも、素敵な偶然がたくさん訪れる一年になりますように。

www.eigoya.com

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