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楽しいか、否か

僕は零細古道具屋。

たぶん

物を売るのが仕事なんだろう。

なのに

新入荷商品の紹介なんて

滅多にしない。

近頃

インスタに投稿する写真はだいたい

錆びた看板か

ボロい社用車か

私物

たまに

または

天井。

どれも売る予定は無いものばかりだ。

こんな店でも

遊びに来てくれる

やさしい人たちが

商品を見たいのは当然知ってる。

だけど

いぢわるじゃないのよ、

いぢわるじゃ。

勿論、商品を売りたくないわけじゃない。

むしろ、売りたくて仕方がない。

だって、売るのが仕事なんだから。

どうにかして買ってほしいとは思っている。

どうにかして。

だって、零細なんだから。

早く換金しないと

お店無くなっちゃうよ?

肉厚のホッケも買えなくなるよ?

ギブミーマネー。

プリーズ。

にも関わらずそれをしないのは

どうしても

その作業の先に見える風景が

楽しくないからだ。

計算ドリルの

答え見てから

赤丸つけて

何が嬉しいんだ。

僕の店、

古箱屋では

楽しみながら

見つけてほしい。

ちょっとだけ

前のめりに

アレヤコレヤ

考えてほしい。

もし

欲しいモノが決まっているなら

ゴメンナサイ、

古箱屋より

ミェリュキャリをオススメします。

この店を始めて

もうすぐ4年。

やっぱり

僕は古道具屋に向いていない。

あ、

そうか。

だから

いつまでも零細なのか。

残念

至極。

だけど

もうしばらく

この店を続けようと思っている。

ここにいると

楽しい人たちが

たまに遊びに来てくれて

楽しいから。

アリガトウ。

アリガトウ。


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