見出し画像

5月の読書記録

5月に読んだ本たち。
本について、日記に書いていたこと。

ーーーーーーーーーーーーー

「冬の本」(版:夏葉社)
外国の本も紹介されていて、日本の冬とはどう違うんだろうかと思いながら読み進める。
冬の光についても話されているところがあって、そういえば最近の光は強いなあと感じた瞬間を思い出した。
冬の光があらゆるものの輪郭をぼやけさせるようなものだとするなら、夏の光は存在を強くしていくような、輪郭を確かにしていくようなそんな力強さがあるように思う。
個人的には冬の光のほうが、風景に紛れられるような感じがあって好みだけど。

自分が冬の本に選ぶならどんな本がいいだろう。「鬱の本」だろうか「さよならクリストファー・ロビン」も頭に思い浮かぶ。

「利他・ケア・傷の倫理学――「私」を生き直すための哲学」(著:近内悠太)

「利他」と「ケア」の違い、「道徳」と「倫理」の境界線について書かれていて面白い。
経済学者の宇沢弘文が唱えた自動車の社会的費用の論に触れられていて、そんな考え方で費用について論じられているのとてもいいな、優しいなと思って嬉しかった。

「偽善」と「ケア」の違いみたいな話から、「心」はどう捉えるのかみたいな話があって面白い。「信頼」と「社会不確実性」の話が個人的には興味深く、この人は「信頼」できるのかみたいな状態から「信頼」状態?に移行して関係性を築いて、そこからまた「社会不確実性」が高まった関係性は改めて「信頼」を感じる状態に戻ってこられるのかということを考えている。

「みんなもっと日記を書いて売ったらいいのに」(著:小沼理)

こうやって書いている日記を本にして売るかどうかは別として、どこか現実に残るものとして出力しておかないとnoteがいつか無くなった時にこれも全て消えると思うと悲しいよなとは思う。
でもせっかく本にするなら文学フリマとかてわ出してみたいな。いつか。

「26歳計画」(作:椋本湧也)

26歳の時ってこんなにエネルギーに溢れていただろうか、ほとばしる若さと、停滞をよしとしないその真っ直ぐさと、少しの未来に対する不安が見える文章から元気をもらう。
これは確かに26歳の時に1番読みたいものかもしれない。今読んでも十分たのしいけど。あの時代の自分を振り返るきっかけになる。

「BRUTUS No.1008 一行だけで。」(版:マガジンハウス)

歌とか俳句とか、詩とか、なんかそういう叙情が含まれたものに対しての喜びみたいなものが湧き上がる。
「海」という言葉に対して、目の前に「海」という言葉が書かれている、だけではなくその言葉、文の中で描かれる「海」が頭の中に現れた時、その言葉たちを享受できる嬉しさみたいなのがある。

「現代短歌パスポート1 シュガーしらしら号」(版:書肆侃侃房)

BRUTUSに影響されて買った短歌の入門?味わいたくて買った。
現代短歌というだけあって、現代生活の風景と感情が浮かび上がってくるような作品たち。この前歌集を買った伊藤紺さんの歌も入っていて嬉しい。
五・七・五・七・七の字数制限の中に感情と、情景を込めるという感嘆と、文章の連なりではない、歌としての連なりが生み出す余韻みたいなものを感じでたのしい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?