見出し画像

2人のPG 96年生まれのライバルと友情

2023年12月29日 第15節 FE名古屋戦GAME1

結果 秋田 71-61 FE名古屋

好調のチーム同士の対戦。
だが、FE名古屋はHC,外国籍1人、帰化選手1人などを体調不良で欠く状況でのアウエー戦となり、2戦ともロスター不足。
特にセカンドユニットで秋田とはかなりの差が出て,結果は秋田の連勝となる。

GAME2は秋田が圧倒。(30点差がついてしまう。FE名古屋は47得点しか取れず)

ここではGAME1の話をします。
前半はショーンオマラ選手、川嶋選手、笹山選手、中村選手などの活躍でリード。特に、素晴らしかったのは、佐土原選手とオマラ選手。あの身体の強さは、秋田にはないもので、かなり苦戦する展開に。
川嶋、笹山、ジェレミージョーンズ選手のセンスも光る。

秋田は,リバウンドがなかなか取れず,インサイドを上手く攻められ前半はロースコアー。
それでも熊谷航選手の3Pや、保岡龍斗選手のドライブなどで離されずについて行く。
どちらもディフェンスが上手く機能していて,見応えのある試合となった。

後半は、リバウンド意識を変えてきた秋田がORを取りセカンドチャンス、サードチャンスを得点にする場面が目立つ。ライスナー選手、赤穂選手のリバウンドやディフレクションが流れを引き寄せるきっかけに。

ジョー選選手は40分のフル出場など、かなり消耗したFEは後半追い上げる力は残ってなく、そのまま秋田の流れで試合は終了。

MIP 保岡龍斗
MVP 熊谷航

熊谷選手は,要所での3Pやゲームメイクの巧さで試合をコントロール。日本代表候補らしい安定したプレイでターンオーバーは0。(FEはスティールの上手い選手揃いで,他の選手はターンオーバー連発していた)

そんな熊谷選手がベンチに下がった1Qの後半。セカンドユニットのPGでプレータイムをもらったのはルーキーの小栗選手。
ところがファーストプレイでジョーンズ選手にスティールされ、その後、FEに連続得点を許すと前田HCはタイムアウトを要求。ここで、PGを入れ替える。
ここ数試合、プレーに精彩を欠いていた長谷川暢選手にチャンスが回ってきたことになる。

試合後、Instagramに

「調子が上がらなくて迷惑をかけていたので,チームのヘルプになるように頑張りました」

と、綴った長谷川選手。
真面目な性格故に悩み苦しんだことだろう。
ファーストプレイで,ザック選手からのパスからドライブで切り込み,中村選手を置き去りにしてのエンドワン。


会場が沸いた。

ベンチも、コートの選手達も,彼のドライブを讃えた。

この試合では、後半も要所で素晴らしいDFと3Pなど、しっかり自分の役割を果たし,熊谷選手へと繋ぐことが出来た。もちろん、チームの大事なPGとして。熊谷航選手とともに、ターンオーバー0であった。

試合後、円陣を組んだその隣には,同じ96年生まれでポジションが重なる熊谷航選手がいた。
彼は、長谷川選手の肩をポンと叩いた。自然と2人はグータッチをし、言葉は交わさずとも微笑み合い、会場を後にする。
言葉を交わさなくても通じる物があるのだろう。

タイプの異なる2人のPGは大分(熊谷)、埼玉(長谷川)出身。互いに,中学時代から全中で活躍する選手であり、顔見知りであった。高校でも,前橋育英(熊谷)、能代工業(長谷川)の中心選手として活躍。大学では同じ関東1部リーグを代表する選手に成長。インカレでは優勝候補の大東文化大(熊谷)を2回戦で破ったのが早稲田大(長谷川)だ。

その後、三河、信州とチームを渡り歩き,秋田へ加入した熊谷選手。
大学3年で青森ワッツに特別指定選手で加入後、プロ契約後は秋田一筋の長谷川選手。
出逢ってから十数年、とうとう同じユニフォームを着ることに。

秋田に移籍してきた熊谷選手を快く迎えた長谷川選手。
不調に苦しむ長谷川選手を一番近くで見てきた熊谷選手。

そう、2人はライバルでもあり、仲間でもある。

熊谷選手は,長谷川選手が良いプレーをすれば、ベンチを飛び出して喜ぶ。長谷川選手は,熊谷選手から学ぶことが多く、プライベートでも一緒に一番いるかな、と微笑む。

移籍の多いスポーツであるバスケットボール。
2人がまたいつか違うユニフォームを着ることになるかもしれない。
だけど、彼らは、今,同じチームで同じ目標を持ち戦う仲間である。
96年生まれのPGが秋田ノーザンハピネッツの未来を変えてくれる。
そんな予感すらしているバイウィーク後のチームの躍進。

小さなPG2人が作り上げる秋田のバスケットボール。
彼らの未来を応援したくなる。そんな選手達。

96年生まれのPG。熊谷航、長谷川暢。
活躍を楽しみに。


この記事が参加している募集

Bリーグ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?