【古道具日記①】自己紹介とか(前編)
自己紹介
はじめまして。中村古道具店の店主の中村です。
島根県の離島、西ノ島で古道具店をやっております。
あ、西ノ島について少し説明した方がいいですね。
西ノ島は、日本海に浮かぶ隠岐諸島のうちの一つです。
人口約2600人の小さな町で、国賀海岸や摩天崖など、雄大な自然の風景が自慢です。
お店のこと
そんな西ノ島で古道具店をやっていますが、店と言っていいのか怪しいほど小規模です。
お店があるのは、西ノ島の別府港から徒歩6分のところにある旧黒木小学校の下駄箱のスペース。
旧黒木小学校は、2023年の3月から「あそびとくらしの店 海月堂」さんによって一部リノベーションされ、とっても素敵なカフェになっています。
そのさらに一部の下駄箱スペースを売り場として貸していただいて、古道具の販売を海月堂さんに委託させていただいている、というわけです。
そうなんです。「委託販売」なので、店主とはいってもお店にはほぼいないんです。。。
というのも、副業でやっておりまして。
古道具店を始める前から海月堂さんでアルバイトをさせてもらっていたので、現在も月に2回ほどはお店のカフェ店員として働いているのですが、それ以外は他の場所で週5日普通に働いているので、仕事終わりやお休みの日に古道具の在庫整理や品出しをしにくる程度で、基本お店にはいません。。。
できればもう少し時間と熱量を割けたらいいのですが、今はできる範囲で無理なくやっています。
個人的な自己紹介を少々
少しだけ私個人の自己紹介もさせていただきますね。
私が西ノ島に来たのは2022年の10月で、この記事を書いている今から1年半ほど前です。
「大人の島体験」という3ヶ月の移住体験型インターンシップ制度を経て、神奈川県から移住してきました。1999年生まれ、現在25歳の小娘です。
3ヶ月で帰るつもりが、流れるようにインターン先に就職をして、流れるように引越しをして、流れるように海月堂さんでアルバイトを始め、流れるように古道具屋さんになりました。
1年半前の自分はこんなことになるとは夢にも思ってなかったですね。
(1年半前の自分はフリーターで、都内のマックでアルバイトしてました)
好きな食べ物は豆大福、好きな色は赤、趣味は映画と本とその他いろいろです。
古道具店をはじめたきっかけ
気づいたら古道具屋さんになっていた
古いものが好きになったのはいつ頃からでしょう。。。
これがきっかけで!!というのはないんじゃないかと思います。
いつの間にか年季の入った味のあるものを好むようになっていました。
「いつか古道具屋さんになるぞ!!」と思っていたわけではなく、いろんな出会いや経験が積み重なって、いろんなご縁があって、いつの間にか古道具屋さんになっていた、という感じですね。
でも振り返ってみると心当たりはあります。
専門学生時代の経験
私は専門学校に通っていたのですが、そこではさまざまな素材でのものづくりを学びました。
中でも陶芸が専攻で、そこでうつわや工芸品、民芸品に興味を持つようになり、その流れでじわじわと古いものを好むようになっていったのかな。。。
お世話になった先生の紹介で、古物市場でのアルバイトをしていた時期もあります。
誰の商品が、いくらで、誰に買われたのかをパソコンに入力して記録していく仕事でした。
仕事自体は単純作業でしたが、休憩時間には部屋いっぱいに並べられた骨董品を見て回ったり、その骨董品たちがすごいスピードで取引されていくのを眺めたりしていました。
みなさんすごく真剣なので、迫力があって見ていて面白かったですし、「古物商って、かっこいいな。。。。」と密かに感じていました。
この貴重な経験は今の自分に確実に影響していると思います。
ReBuilding Center JAPAN
もう一つ、大きな影響を受けたのは、長野県諏訪市にある、「ReBuilding Center JAPAN」、通称「リビセン」です。
家屋や工場などの解体現場から古材や古道具を引き取り、販売をしているお店で、母と長野へ行った際に偶然フラッと訪れたのが最初の出会いでした。
手作り感のある温かい雰囲気で、古いものや木材、スコーン、スパイスの香りに包まれる、もう私の好みドストライクな空間で、すっかり気に入ってしまいました。
これはまた絶対にくるぞ!!と思っていたら、お店の張り紙か何かで「サポーターズ」なるものを募集していることを知りました。
「サポーターズ」というのは、リビセンの運営のお手伝いをする人のことで、古道具の売り場への陳列や、古材の釘抜き、クリーニング作業など、リビセンで日々行われている作業をその時々の内容でお手伝いできる、というものです。
私もそれで2度ほど、泊まりがけで参加させていただきました。
販売する建具のクリーニングや食器の割れ欠けの点検、「レスキュー」してきた大型家具の運搬など、なんでもないような作業でしたが、とても豊かな時間だったのを覚えています。
おそらくその時の経験が、古道具店を始めるきっかけになっているのでしょう。
リビセンでは、古材や古道具の引き取りを「レスキュー」と呼んでいます。
捨てられてしまうもの、壊されてしまうものを「救助」する。
まだ使えるものを再利用し、使い道がなくなったものも、別の使い道を見出して再利用する。
そんなリビセンの文化に触れて、「大量生産大量消費」の現代文化に疑問と危機感を持つようになりました。
日々いろんなものが大量に生産されることで、なんでも安く、簡単に手に入ってしまい、なんでも簡単に捨てられてしまう。
でもその捨てられたものを燃やすためには大量のエネルギーが使われていて、埋め立てる場所にも限界があって。
こんな身勝手な人間の暮らしがずっと続けられるわけがない。
そんな考えを持つようになり、買うこと・捨てること以外の観点でも普段の生活からいろいろと意識するようになりました。
離島に移住したのもこの考え方の変化があったからかもしれません。
だいぶ長くなったので、今回はこの辺で終わりにしようかと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました(^^)/
続きはまた次回。。。