見出し画像

安全運転とフールプルーフの話。

先日、クルマを運転している時に、頭に浮かんだ話です。



その時、私は、クルマで子供を保育園に送って家に帰る途中でした。

交差点の真ん中に差し掛かって、右折可能なタイミングを待っていました。こちら側は青信号から黄色信号に変わって対向車も来なくなるのを待ってから、右折矢印が点灯したので、ようやく「よし右折しようか」とハンドルを切ろうとした矢先。

ふと見ると、左方向から全速力でダッシュしてくる自転車が。歩行者側は赤信号だけど、あのスピードで来るってことは、もしかしたら交差点を横断するのか・・?

幾らこちらが青信号(右折矢印)だとしても、ここで強引に右折して、横断歩道を渡ろうとした自転車をはねてしまったらさすがに大問題です。

「信号赤だから渡らないかもしれないけど、一応待つか」

そう考えて、念のためこちらは動かずに、その猛ダッシュしてくる自転車の行き先を見守って、交差点の真ん中でクルマを一時停止させて待っていました。

心配は杞憂に終わり、自転車は、横断歩道を渡らずに急停車しました。すごいスピード出してたんで、止まるときにキキーッて感じになってました。

よかった。事故にならなくて。

それを確認して、こちらの車道側の信号はもうすでに黄色になり完全な赤信号に変わりつつありましたが、周りを確認して無事に右折しました。



この状況、伝わります?

たったそれだけの出来事ですが、何故だかこの時、思考が働きました。

実は、右折する時、自転車を運転している人と目が合ったのですが、「こいつなんで止まってんだ」みたいな目でこちらを見ていたように感じたんですよね。私の被害妄想だと思いますけど。

こちらの言い分としては「いや、アンタを待ってたんだよ。だってキミがもし赤信号無視してきたら事故になっちゃうし」と思っていたんですけど、これって、こちらが必要以上に「歩行者を馬鹿にしている」ことになるのかな、なんて思いました。

こちらの理屈としては「私は事故を起こしたくない。だからリスクを避ける」ために停止してますということなんですけど、相手方からすれば「こいつは俺のことを赤信号でも平気で無視するようなアホだと思った」から停止していると。そう見えても不思議ではないよなぁ、って。

自意識過剰な人だったら、怒ってきたりするかな。「おい、俺のことそんなことするようなヤツに見えるのか!」って。

いや。いやいや、考えすぎか。
うーん。でもやっぱり、もう少し思考を深堀してみます。

話は変わるんですけど、私は一応ITエンジニアの職に就いています。

システムを設計するうえで「フールプルーフ」という考え方があるんですよね。こういうものです。

フールプルーフ【foolproof】
機械やソフトウェアなど人が使う道具の設計についての考え方の一つで、利用者が操作や取り扱い方を誤っても危険が生じない、あるいは、そもそも誤った操作や危険な使い方ができないような構造や仕掛けを設計段階で組み込むこと。また、そのような仕組みや構造。

IT用語辞典


これは何もITシステムに限った話ではなくて、製造業とかでも一般的な概念かと思います。ネットを見ると、「子供が操作しても安全な玩具」「扉が空いたままだと作動しない電子レンジ」「ブレーキを踏んでいないとパーキングからドライブポジションに入らない車のギア」なんて例があるようです。

要するに、どんな人が使うか分からないから、どんな人がどんな使い方をしても大丈夫なように(事故が起こらないように、変な使い方ができないように)設計しておく、というような意味になります。

実際、システムを設計・開発するにあたっては「テスト」という作業が非常に重要になります。みんなが使う前に、開発側で実際に使ってみて大丈夫だよねと確認する作業です。

その中で「どんな使い方をしても大丈夫か」という観点が特に大事で。しかし、幾ら開発側で想定しつくしてテストをしたと思っても、どうしてもリリースした後に「え!」とビックリしてしまうような使い方をされることはあるんですよね。

ですから、それを未然に防げるように、出来る限りの準備をして対策をして、そもそもの構造としてキチンと「変な使い方をさせない」作りにしておくことが大事なわけです。

ところで、私はこの仕事に就くまで知りませんでしたが、英単語として「foolproof」は当たり前のように辞書に載っているようですね。

foolproof
誤解の余地のない、確実な、ばかでも扱える、きわめて簡単な

Weblio英和辞典・和英辞典


この単語の語源は知らないですが、ここで着目すべきは「ばかでも扱える」という意味。つまりこれって元々は恐らく「fool(馬鹿でも)proof(耐えられる)」という意味なんでしょうね。何とも、口汚い表現ですけど・・。

ただ、上で書いた交差点に向かって爆走する自転車をわざわざ待っていた私の態度は、多分ですけど、やっぱり同じような解釈をしていた可能性はあるのかなと思います。

もちろん。はっきり馬鹿と言うつもりは無いですけど。でも、誰がいつどんな動きをするか分からない。ましてや、自動車なんて、生身の人間と対峙したら、圧倒的なパワー差のある凶器になりかねませんから。安全に安全を重ねて、注意しすぎてもし足りないくらいです。

というわけで、安全運転を心がけようと思いました。いつも以上に。馬鹿だなんて思ってません。あくまで自分とあなたの身を守るために止まってるだけです。仕事もより一層ちゃんと設計・テストしないとなぁ。おわり。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?