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農業+ローグライクゲー「Another Farm Roguelike」は開拓者たちの理想の地となるか

こんな経験はないだろうか。
例えばマインクラフトやテラリアのようなサンドボックスゲーをしていたとする。どこか住みやすそうな土地を見つけ、周りの木や岩を壊して整地し、小さいながらも拠点を作る。そしてしばらくして拠点を発展させ、施設が充実し、生活が安定してきた頃にふと思う。「どこか遠くで、また一から開拓したい」と・・・。

聞いといてなんなんですけど、たぶん思わない人はまったく思わないと思うんですよね。ただ自分はめちゃくちゃこのタイプで、サンドボックスゲーでも農場ゲーでも、ある程度発展して資源や資金に余裕が出てくると、全部捨ててまた最初から開拓したくなるんです。

「Another Farm Roguelike」は、そんな開拓の楽しみを何度も味わえるゲームと聞いたのでちょっとプレイしてみました。

1.Another Farm Roguelikeってどんなゲーム?

まず最初に、このゲームは2023年1月現在日本語に対応していません。
とはいえ出てくる単語はそんなに難しくないし、NPCとの会話なども現時点では実装されていないので文法的に難しいといったこともなく、たまにわからない単語が出た時に辞書なりネットなりで調べるだけで十分遊べてます。英語だからといって遊ばないのはもったいない。

Another Farm Roguelikeは、農業や畜産、金属加工や料理などをしながら、週の最終日にくる家賃の支払いまでにお金を稼ぐのが目的のゲーム。農業ゲーで明確なクリア目標が設定されてるのは珍しいですね。

ゲームモードを選択すると、まず農夫や鉱夫、料理人、犬、猫、ダンディなど多種の職業から1つを選ぶことになります。

ファーム☆ダンディは、農場のダンディである。

各職業毎に固有のスキルが設定されていて、最初から良い道具を持っていたり、木や岩などの資源を壊しやすくなったりと様々。鉱夫だから農業ができない、というような制限がかかるわけではないんですが、自分のやりたいことに合った職で始めるのが吉。

その後難易度を選択。Easyは5週、Medium(ノーマル相当)は6週と、難易度によってクリアまでの週が伸びます。週ごとに家賃の支払額が跳ね上がっていくので、クリアまでの期間が長くなればなるほどどんどん家賃の支払いがキツくなっていきます。引っ越せ。

右上が所持金と支払う税の金額。支払いが終わると次の支払いが待ち構える

諸々決めてゲームを開始すると、基本の道具一式と共に木々と岩々に囲まれた自然の中に放り出されます。ゲーム中は時間制限や昼夜の概念がないので時間に追われることはないんですが、畑を耕したり木を切ったりなどいろんな行動をする度にエネルギーが消費されます。特に序盤はこのエネルギー消費が激しく、いくつか木を切ったり鉱石を掘ったりするだけですぐにエネルギー切れに。初期の地形やリソースは毎回ランダムに決定されるため、プレイごとにまずどこを開拓するか、どの資源を優先的に掘るかなど最初の動きをどうするかけっこう悩むことになります。個人的にはやっぱりツールを強化するために石で炉を作って銅のインゴットを作るのが安定かな~というところ。

最初はこんな感じ。ちなみに池を埋めることはできないので、広い農地を作る場合は注意が必要

2.クラフトと建築で効率的に

さて、さっきチラッとツールの強化と言いましたが、みんな大好きクラフト要素もあります。
特にツールのアップグレードは、初期装備の石のツールから銅、鉄、金、ダイヤと上位のものになるにつれ消費エネルギーが減ったりや入手資源が増加するなどかなーり重要。毎日使う道具は良いに越したことはないもんね。

良いクワを使うと広範囲を一気に耕せる。気持ちいい。

ツールのアップグレードに使うインゴットは炉を建築することで作れるようになるんですが、建築は他にもマヨネーズマシンや製材所、石切り場など素材を加工する施設のほか、服をクラフト可能にする仕立て屋や料理を作れるようになる野外キッチンなどもあり建築の種類はなかなか豊富。

クラフトではツールや商品の他、自分にバフを掛けるポーションなども製作可能。
こちらは建築。どちらもより良い稼ぎを得るために必須の要素。

クラフト等で加工したアイテムは元の素材より高値で売れるため積極的に活用したほうが良いんですが、全てのアイテムの価格は一定の幅で毎日変動しており、場合によっては最低値と最高値で2倍以上の差が生まれるため売るタイミングもかなり大切。そのため多くのアイテムを貯蓄しておけるよう、ある程度資金に余裕ができたらお金を払ってインベントリのスロットを拡張するのも賢い農家の選択の一つ。
他にもショップの品揃えを増やしたりなどお金の使い道はいくつかあるので、週末支払えるぶんを手元に残しながらインベントリやショップを充実させるか、次週以降に余裕を持たせるためにしっかり貯金しておくかも悩ましいところ。お金を使うってむずかしい。

3.どのあたりがローグライク?

ここまではほぼ農業ゲー要素ばっかり紹介してきましたが、じゃあローグライク要素はどのあたりなん?という話。
初期マップやリソースがランダムなのもそうなんですが、週に一度バフを1つ得る機会が与えられます。これがかなり強力で、最大エネルギーが増えたり、特定のアイテムの売値が倍になったり、クラフト時に追加でアイテムを入手などどれも欲しい物ばかり。しかも毎週1つもらえるので、自分の方向性にあったものを毎回選んでいくとかなりプレイが楽になっていきます。

こんな感じで3つの中から1つ選択できる。エネルギー上限アップ、売値上昇などどの効果も強力。

他にも週ごとや日ごとにランダムな効果が付与され、中にはアイテムを購入するだけでお金がもらえたり木や岩などから追加で資源を得られるバフや、あらゆる魚の売値が0円になったりスプリンクラーが機能しなくなるなど、場合によってはかなり手痛いデバフも。うっかりすると大損することもあるので、週の初めにまず各効果を確認しておくことがかな~り重要になってます。
これらのランダム効果が組み合わさってプレイごとに違った体験ができるのがなかなか面白い!

5ドルのアイテムを買うだけで30ドル"キャッシュバック"される日も。

しかし、あまりにも上手く行き過ぎると逆にプレイが単調になってしまうのが悩みどころ。実際難易度ミディアムの漁師でプレイした際、「魚を釣ると追加でイワシをゲット」+「炉で消費した石炭が100%消費されず返ってくる」+「魚を釣り上げる確率+25%」といったバフがついた結果、「たまに石を掘って炉を増設しつつひたすら釣りをして魚を焼いて高値の日に売る」を繰り返すだけでクリアできてしまった。ひたすら釣りを繰り返すうちに、人間はもう滅んだのにずっと指示通りの作業を繰り返すロボットみたいな気持ちになった。
ただしこれはあくまで難易度ミディアムの場合なので、ハードやそれ以上の高難度ではこういったバフを利用しないと生き残れないのかもな~という感じ。

あとこれ気持ちの問題なんですけど、ゲーム中はプレイヤーの姿が一切見えないんですよね。それに時間の概念もなく季節も存在しないのがなんとなく無機質というか""生命""を感じないというか。NPCとの会話もないし支払いのために効率化を進めていくゲーム性と相まって農業というより工業シムをやっているような気分になりました。個人的にはソッチも好きなんで面白いんですけど。
支払いや日数制限のないフリーモードもあるんですがセーブデータが分けられないので、通常モードをやろう!と思ったときにはフリーモードのセーブを消さないといけないのもちょっと残念。のんびりやる用と通常用で分けられるようになったらもっと嬉しい。
他にもゲーム内で雨が降ったらUIごと薄暗くなったりスタックしてるアイテムを複数に分けられなかったりとちょっとした不満点はいくつかあるんですけど全部許せます。なんせ定価320円なので

終わりに

のんびりした農業を求めてる人にはあまり向かないかもしれませんが、シンプルな内容故にサクッと軽快に遊べるし、一日が短いので気が付いたらついつい遊び続けてしまう魅力があります。毎回プレイ体験が変わるので何度でも楽しく遊べるのもメチャ嬉しい。
日本語未対応ではありますが、英語力がなくても割となんとかなってるので気になったら一回遊んでみてほしい一本です。


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