ゲームプランナーに「向いてない」と思う人の特徴の話

「ゲームプランナーって専門技術とかいらないし、誰でもなれるじゃん!」
ということをたまに聞く

うーん、合ってるような気もするし、そんなことねぇよと言いたい気もする

確かにプログラミングできなくても、絵が描けなくてもプランナーはなれる
そういう意味では「誰でもなれる」というのは正しいかもしれない
ただ、「どんな人でも向いている」かと言われると、これは恐らく違う

僕がゲーム業界で働いてきて、「こういう人は向いてないんだろうな~」というのをなんとなくまとめてみたので、参考にしていただければと思う

本文に入る前に注釈なのだが、これは僕自身の主観であるということ、そしてあくまで「ゲーム会社で働く場合」に限った話であることを書いておく


1.すごい作りたいゲームがある人

最初からちょっと「向いてない人」というには語弊があるかもしれないのだが、「こんなゲームが作りたい!」という強い想いがある人はゲーム会社で働くのにはあまり向いてないんじゃないかと思う

どうしてそんなことになるのか
それは「作りたいゲームを作る機会がほぼないから」である

もちろん「こんなゲームを作りたい」という野望は持っていて構わないと思うし、それは素晴らしいことだ
ただ、会社に入ってすぐにその野望を叶えることは絶望的難易度である

ゲームのプロジェクトというのは大体「偉い人(ディレクターとか)」がゲームの方向性を決めて作業が進む
つまりこの「偉い人」にならない限り「自分の作りたいゲーム」は作れない

「いやぁ、俺の考えたゲームはめちゃくちゃ面白いのに、
会社が偉い人にしてくれないんですよ!!!」

わかる、わかるのだが、面白いゲームが考えられるだけでは「偉い人」にはなれない

予算の管理は?人員の調整は?スケジュールの管理、外注、プロモーション、マネタイズなどなど「偉い人」はできなければならないことが死ぬほどたくさんあるのだ

だからこそ、初めのうちは目の前のゲームを「少しでも面白くすっか!」という気持ちで作業をし、少しずつゲーム作りというものを学ぶ必要がある

「予算管理?外注?そんなの自分でやれちゃいますよ!!」

キミは今すぐ人を集めてインディーズでゲームを作った方が良い

2.「調べる」ことが苦手・嫌いな人

プランナーの作業をする上で必要な知識というのは多岐に渡る
もちろん携わるタイトルや担当業務によって量や内容は異なるのだが
たくさんの知識が必要というのは間違いない

時には類似ゲームのシステム、時には話題のアニメや映画
神話、文化、ファッション、芸術、歴史、Excel、SNS…
業務のマニュアルなんかも「必要な知識」に含まれるだろう

あげだしたら無限にあるのだが、何も最初から知識がある状態にしておけ
ということではない、わからないことがあるのは当然だ
必要になったのならば「調べる」ことをすればいい

「なにがわからないかもわからないから、調べようがないっすよ!」

これは「調べるのが苦手な人」
このタイプの人は業務マニュアルの理解やExcel操作で苦労することが多い

わからない→調べたらさらにわからない→業務が進まない→やばい
こうなってしまうと、仕事をするのが辛くなってしまう

「めっちゃアニメとか詳しいんで調べる必要なんかないっすよ!」

これは「調べるのが嫌いな人」
このタイプの人は大抵、偉い人からリテイクをくらいまくり絶望する

自分の持ち合わせた知識で勝負したいのはわかるが、それだけでは偉い人の納得を得られず、これもまた業務が辛くなっていく

どちらも極端な例かもしれないが、実際にこういった人は結構いる
なんにせよ「必要な知識を必要なだけ仕入れる」ことはどんなプランナー業務であったとしても、大事だなと思う

3.「お前が言うな」と思っちゃう人

日常生ではこの言葉をよく聞く気がする
ただ、様々なスキルを持った人たちが一つの物を作ろうとするゲーム制作の現場で「お前が言うな」という思考は致命的だと思っている

特にプランナーはプログラマーやデザイナー、サウンドなど多くの人とやり取りをする必要があるポジションだからこそ良くない

プログラマー「う~ん…そのシステムはちょっと面白くないんじゃね?」
デザイナー「その発注内容は、正直微妙だから描きたくないなぁ…」

プランナーにとって、こういった意見を言われるのは日常茶飯事だ

「うるせぇ!何かを作るのがお前らの仕事で、考えるのは俺だ!
 そんなに文句があるならお前らが考えやがれ!」

まあ、直接口に出す人はあんまりいないが、心中で思ってる人はいるだろう
己が必死になって作り出したものに意見されて穏やかでないのはわかる

ただ、いちいちその意見に対して憤っていては身が持たないし
考えることがどんどん嫌になってしまう

言ってくる側も基本的には嫌いだからとかそんな理由じゃない
大抵は何かしらの理由があっての意見であろうから
「はえ~そんな考え方もあるのか~」
くらいに思っていた方が職場的にも心身的にも良いと僕は思う

さいごに

上述の3点以外にも「コミュニケーションが苦手」とか「考えを言語化するのが苦手」とかもよく聞く気がするし、確かに向いてない要素かもしれない

だが、それらは意外と「プランナーを続けられないほど向いていない」わけではないと思う


最初にも述べたが、これはあくまで僕がいままで感じた意見だ
当てはまっていても良いプランナーとして活躍してる人はいるだろう

自分自身、まだゲーム業界人としてはぺーぺーもいいところなので、ぜひとも様々な意見を聞いてみたいなと思う


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